戦闘終了3
ーーーー村・広場ーーーー
「助けてくれて感謝しておる、すまぬがお主の名を教えて貰えぬだろうか?妾の名はソミュアと言う。」
「姫様、この様な得たいの知れないものに名を聞くなぞ。ましてや名を名乗るなど。」
側にいるメイドが止めようとするが、
「妾の命を、そしてこの村の者達の命を助けてくれたのだ。ならば礼をするのが常であろう?」
人としての礼儀は弁えているのだなとデュラハン・ロードが思っていると、主から念話が届く。
『そちらはどうだ?』
『首謀格はこちらに向かってきましたので処分しました。それ以外の30人ほどを捕らえております。』
『そうか、今からそちらに向かうがどこら辺にいるんだ?』
『村の中央にある広場です。』
『分かった。』
念話が切れた、主様の事だからすぐに参られるだろう。
「お主、聞いておるのか!」
「姫様の質問に答えなさい!」
先程からうるさいものだ。何故この様な者達を守れと言われたのか、主はどういうつもりなのだろうか?
『私は君達の質問に答えるつもりはない。』
素直に答えると護衛らしき男たちが剣を抜こうとする。
『別に攻撃しても構わないが、その場合命の保証はしない。命を捨てる覚悟が出来たものからかかってこい。』
そう言われると誰もが怖じけずいてしまう、先程の戦闘、いや蹂躙から自分たちと勝負にならないのは分かりきっていることだ。
「止めよ、恩人に武器を抜くなど恥であるぞ。すまぬ、気分を害したのならば謝ろう。」
『構いはしない、だが我は主の命でここにいる。故に礼をするならば主にしていただきたい。』
そう言うと驚いた顔をされ
「あれほどの実力があるならば当然だな。」
「これ程の騎士を部下にもつとはどの様な人物なのか。」
わいわいと姫の侍従達が話していると通りに沿って馬車がやって来る。
「少し来るのが早かったようですね、ご主人様はまだ来られていませんか。」
御者席から降りてきて話し掛けてくる、我でも数秒持てば良いと思えるほど強大な力を持つベリアル様だ。
『まだ、こちらには参られておりません。ですが念話でこちらに参られるそうです。』
返事を聞くと満足そうに頷き
「では喉が乾いておられるでしょうからお茶の準備を致しましょうか。」
まだ血の臭いが漂っている所でお茶など飲めるのだろうかと思うが口には出さない。主の側近がそう言っているのならばそれで良いのだ、そう考えるようにした。
「お主がこの者の主人なのか?」
ソミュア姫が聞くとベリアル様は不思議そうに彼女を見つめる。
「お初に御目にかかります、私の名はベリアルと申します。この者の主ではございませんが、私の主人とこの者の主は同じでございます。そろそろこちらに参られますので暫しお待ちください。」
そう言うとアイテムリングから机や椅子を取りだしお茶の準備を整える。整え終わった頃に森から二人出てきた。
「お帰りなさいませ、ご主人様。喉が乾いておられると思いましたのでお茶を準備しておりますがいかがでしょうか?」
完璧に準備が整った場を見て断るのはベリアルに悪いと判断し
「戦ってはいないが確かに少し喉が乾いたな、貰おう。そちらにいるお嬢さんはどなたかな?」
なにも言えずに固まっているソミュアを見て質問する。
「こ、この様な状態で何を言っておるのだ、お主‼」
何か変なことでもあったかなと思い周囲を見回す、人の死体がほどほどにあるのと血まみれの広場、後は捕虜の盗賊か。どれがおかしいのかな?
「この様な状態でと言われましても何処も問題があるとは思えませんが。」
憤慨したように彼女は怒り、
「ええい、まだ怪我人などが残っておるだろうが‼」
指差された建物の近くには怪我人らしい者達が数人呻いている。確かにあれは鬱陶しいな。
「ベリアル」
「はい、お呼びでしょうか?」
配下を呼び尋ねる。
「お前、治療魔法は使えるか?」
「申し訳ございませんが持ってはおりません。ですがルシフェルが持っていたはずですから呼ばれてはいかがでしょうか?」
そう言えばまだヘルヴェイルから帰ってきてないな、連絡するか。
『おーい、ルシフェル。聞こえるか?』
すぐに返事が返ってきた。
『はい、何でしょうか。ご主人様』
『お前、治療魔法は使えたっけ?』
『一応使えますが死者蘇生までは使えません。それでよろしければ使えます。』
『じゃあ大丈夫か、外と愚はどうした?』
『各階層守護者に引き渡しました。』
『じゃあすぐにこっちに来てくれ。』
『承知しました。』
「さてと来るまでお茶でも飲んでおくか。べリアル頼む。」
「かしこまりました、付け合わせはエッグタルトになります。」
椅子に座りゆっくりとするのだった。
アイテムリング:アイテムを入れることのできるマジックアイテム。数は関係ないが重量に限りがあり、250キログラム入る。




