3年後
ーーーーー3年後ーーーーー
「結局、魔法は教えてくれなかったな。」
母様が「魔法なんて危ない。そんなのは学校に行ってからでいいの‼」とか言っていたが、私も別の意味で練習出来なかったのだ。
「まさか威力の加減が出来んとは・・・、『ファイヤー・ボール』で山が吹き飛ぶとは悪い冗談にしか聞こえないな。」
どうも固有魔法ばかり習っていた為、威力が減らせないという状態のようだ。もう諦めたが、家族の説明のためにわざわざヘルヴェイルから竜をつれてきて都市を旋回させた。(何とか誤魔化せた)おかげで脅しには使えても、家庭では全く使えない。まあ、魔道具は使えるので問題ないのだが。(ただし自作の強化した物だけ、市販の物を使ったら自壊した。おかげで魔道具作成能力がレベル8まで成長した。)
「しかし、乗り心地が悪いな。馬車というやつは。」
先ほどから揺れていて寝ることも出来やしない、岩に乗り上げたら舌を噛みそうになったし。かといって、まだ馬には乗れないから我慢するしかないかな。ああ、自由に動けるなら飛空挺が使えるのに。
「学園都市はまだ見えないのか?ルシフェル」
この国では貴族と裕福な家庭の5歳以上の子供は学校に通わねばならない、学校は六年制で遠くから来た者達のために寮も備わっている。因みに私の姉も通っている。
「あと3日程で見えるはずでございます。しかしあの様な条件が押し付けられるとは。」
「一般人として入るということか?それともこの六年間は自力で生活するということか?どちらだ?」
家の家訓で男は学校に通うのに身分を隠すこと、また生活費は自分で稼ぐことが義務付けられている。従者は連れて行って良いそうなのでべリアルとルシフェルを連れてきている。
「今頃、家では母様が半狂乱になっているかもな。ハハ。」
「笑い事ではないと思いますが。」
「我々ではどうしようも出来ないからな。」
多分、父様がどうにかしてくれるだろう。最悪死にはするまい。
「そういえば、あちらにいる間は寮に居ないといけないのか?」
もし役に立たない授業ばかりなら冒険者で身を立てて見よう。
「いえ、実家や個別に借りた所に住んでも大丈夫のようです。」
「ではめぼしい物件でも探してみるとしよう、最悪無かったらヘルヴェイルからゴーレムを呼び出して屋敷を作るとしよう。」
「同感です、そうすればヘルヴェイルには劣りますが、素晴らしい要塞になるでしょう。」
作る時こいつらに任せられんな、どうなるか分かったもんじゃない。
「ご主人様、前方に煙が見えます。」
「本当か、どれどれ。」
窓から屋根によじ登り(べリアルにびっくりされた)、前方を見る。
「確かに煙だ、多分炊煙ではないな。」
「そうですね、確か進路上に、ええと・・・」
地図を取りだし(この世界の地図はかなり不正確なため独自に作ったもの)確認すると王都まで2つ村がある。
「盗賊かもしれません、いかがいたしましょう?ヴェイス様」
「名を売るチャンスだな、盗賊なら金が手に入る。魔物ならば経験値が手に入る。どっちに転がっても有利にしかならん。助けに行くぞ。」
「「御意、ですが念のために護衛をつけた方がよろしいかと。」」
「それもそうか。では『ゴーレム作成・ミスリルゴーレム』『アンデッド召喚・デュラハン・ロード、スケルトン・ジェネラル』」
大地が盛り上がり人形を取ったあと白銀に輝く甲冑、漆黒のフルプレートを着て全長三メートルの大剣を持つ人形、黄金の鎧兜を身に付けハルバードとタワーシールドを持つ骸骨が現れた。
「これで良かろう?」
「は、差し出がましい事を言い、申し訳ございません。」
「別に構わん、行くぞ。あとベリアルは馬車の護衛な。」
「御意、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
さて、吉と出るか凶と出るか、楽しみだな。
ファイヤー・ボール:火系最下級魔法、始めに使われる確率の高い魔法。
飛空挺:ヘルヴェイルに待機している移動手段。一隻のみだが高速かつ高火力、強靭な防御力を誇る、ただし操縦者の魔力を食うので燃費は悪い。
ゴーレム作成:ゴーレムを作成する、ある程度の自立能力を持つ。組成によって戦闘能力が変わる、数を出せば出すほど自立能力が愚鈍になる。
アンデッド召喚:冥界から死者を呼び覚ます、ただし呼び出せるのは召喚する前に契約する必要がある。




