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見つめられたら 〜I fallin' love with you〜・2

文化祭編2です。

次で終わる予定です。

頑張ります…!!

「店長! 紙皿足りてる?」

「足りてねぇよ! 買い出し班出せ!!」

「ねぇ店長! こっちの飾りこれで良い?」

「花穂! そっちのチェック頼む!!」

「わかったー!!」

「おーい。この予算なんだけどー!! ねぇ、店長!! 店長ってばー!!」

「予算は藤四郎に聞けって言ってんだろー!!!」

バタバタバタバタバタバタ忙しい。

そりゃそうだ。

もう明日には文化祭だ。今は追い込み中。

指名されたから、とりあえず店長になったが……。


店長っていうか、ただの責任者じゃねぇかぁぁあ…!!


一応、店っぽくはなってきたが…まだまだである。

「店長! 仮装届いたよー!!」

「ウェイターの分は確認しなくて良いから、女子の仮装分だけチェック頼む!」

「オッケー」

本当にバタバタと忙しい。

充実してるっていうのは…まぁ、うん。そうなんだけど……これは…。

「りー君。飾り付け終了だよ!」

「あぁ、ありがとう。花穂」

俺が疲れながらに微笑むと、花穂の顔がなんでかカァッと赤くなった。

「あ、あ…あ、え…と、つ、次何したらい、良い…?」

すごいどもってる……。

「じゃあ、えーっと…向こうで衣装の確認してるから手伝ってくれ。花穂も仮装するだろ?」

「うん、す、する。じゃあ…い、行って来るー!!」

壊れたロボットみたいな動きで、花穂は俺に背を向けて衣装の確認に向かった。

……一体どうしたんだ?


それから二時間後。

なんとか作業に収拾がつき、とりあえず一段落つけた。

「はー…」

俺は、喫茶店のために設置した、椅子に腰を下ろした。

「えーっと…飾り付けはオッケーだろ。中の机と椅子の設置も完了。机のテーブルクロスもいけてるし…衛生講習も受けただろ…? 紙皿、紙コップ、フォークもオッケーだな。ケーキは春日(春日の家はケーキ屋)に頼んだし、ジュースも二リットルを五本ずつ用意したし。あとは仮装だけだな」

仮装の方は、後ろで女子達がキャアキャアやっている。

楽しそうだなぁ……。

俺もウェイターをすることになっているが、まぁ男子は大丈夫だろ。

「はぁー…」

机に肘をついて、溜息。

「り、りー君!」

「うおぉっ!!」

「ひぃやぁ!!」

冷たいものが頬に当たり、俺はつい声をあげてしまった。

「…か、かかか…花穂?」

後ろを振り返ると、こちらもビックリしてすっころんでる花穂がいた。

「あ、あう…りー君。はい、あの…ジュース…疲れてるかと思って…」

床に尻をついたままの状態で、花穂が缶ジュースを手渡してきた。

「あぁ。ありがとう…ほら」

ジュースを右手で受け取り、俺は左手を差し出した。

「…え?」

「ほら、立てよ」

「あ…うん」

遠慮がちに花穂が俺の手を取って、立ち上がった。

「……ん?」

よく見ると、彼女は明日の仮装をしていた。

「不思議の国のアリス」をモチーフにした、薄い青のエプロンドレスである。

俺がジーッと見ていると、花穂は顔を赤らめる。

「どうしたんだ?」

「…な、なんでもないよ」

ブンブンと頭を振る。

そういや…なんか最近変だよな。いや、花穂が……。

んー…?

「明日……」

「え?」

顔を俯けながら、花穂がぽつりと言った。

「明日……あの、その…一緒に、えっと…文化祭、ま、回りませんか!?」

「うぇ…?」

「えっと…だ、駄目?」

上目遣いで聞いてくる。

「…別に、良いけど」

「…あ、ほ、ほんとっ!?」

花穂が顔を近づけてきた。

逆に、俺は後ろに顔を引いた。

「え、あ…うん」

後ろを向いて、彼女はガッツポーズを取った。

…どうしたんだ?


明日は文化祭。

なんだか、波乱の予感がする。

悪い勘ほど、よく当たる。


…ヤレヤレ。


続く。




ここまで読んでくれてありがとうございました。

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