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Days 〜summer in……〜

前回の「ALL MY LOVE!」よりも、前の話です。

俺こと、りーくんが、花穂のことを意識し直す話。

先輩がでてきます。

俺と先輩。高校二年生、夏。


人の告白現場に立ち会うのは、初めてではなかった。

だが、これは……。

「先輩! 私のお姉様になってください!!」

双方とも、見たことのない顔だ。

きっと、告白してるのが一年で、されてるのが三年だろう。

「うーん…気持ちは嬉しいんだけど。私、待ってる人がいるの」

先輩が、優しく笑ってみせた。

「そんな…」

「あ、そんな顔しないで! でも、あなたには私よりもぴったりの人がいる。その人に出会う前に私と付き合っちゃうの、もったいないよ」

「……」

「それに、私はもう運命の人と出会っちゃった。ごめんね!!」

「…その人は、先輩の運命の人なんですよね?」

「うん!」

「その人と…幸せになってください!」

そういって、一年生の子は走り去った。

「ふぅ…あれ? そこ誰かいるの?」

「……」

なんでばれたんだろ…?


ここは俺の通う学校の屋上。

今は昼休み。

「えっと…すいません」

「あぁ。さっきの見てたんだ」

「……はい」

「別にいいよ。気にしないし!」

先輩はケラケラと笑う。

青空に咲く太陽。

その光が先輩を照らす。

「私、三年の雨枷霧江。よろしくね」

「俺は……二年で……」

「二年で?」

「……こういう者です」

俺は、自分の名前を、生徒手帳で提示した。

「変わった名前だね!」

あなたのほうが変わってます!

「じゃあ、りーくんって呼ぶね。よろしこー」

「よ、よろしこー」

俺が返すと、霧江先輩が満足げにうなづいた。

「はーあぁ」

先輩が天に向かって、手を伸ばした。

「空が綺麗だ。きょーやさんも見てるのかなー」

「きょーやさん?」

「そう。私の運命の人」

運命の…さっき言ってた人か。

「近くに…いないんですか?」

「うん。今は仕事だってー。イタリアにいるのー」

「イタリア!?」

一体その人とどんな出会い方をしたんだ。

しかもイタリア? なんの仕事だ? あ、画家とか?

年齢差とか……。

「あの…その人とは、一体どんな出会いを?」

「んー…しいていうなら、委員会かなぁ。あ、ちなみに同い年だから」

高校三年で、イタリアでどんな仕事を?

「その人は、なんの仕事を?」

「ひ・み・つ」

ニコリと先輩が笑った。

「あ、座ろう? 立ってるのしんどいでしょ?」

先輩に促され、俺はコンクリートの上に座った。

隣に、先輩も座る。

「りーくんは、いないの? 運命の人」

…運命。

「……か? や、えっと……」

考えてみる。

一人だけ該当者があった。

でも、彼女に俺は嫌われている。

「…ん? 該当者ありかな?」

「や、その…幼なじみで。でも、俺はきっと彼女に嫌われてて……」

「嫌われてる?」

コクリと俺は頷いた。

「それは……」

先輩が空を仰いだ。

「きっと、照れ隠しだよ」

そして、天に向かって、また手を伸ばした。

太陽を掴むように。

「照れ隠し?」

「男女の幼なじみだもん。そんなもんだって」

「でも……」

「時間が経てば、わかるにょろよ?」

ニッコリと笑う先輩。

「時間が、たてば……?」

「ゆっくり待っててあげて。彼女に、きっと…いつか変化が訪れて、君との関係を変えようとしてくる。だから……その時は、彼女に求められるままに、動いてあげて」

最後に、ね? とウィンク。

「はぁ…」

「待ってるのはしんどいけど…時々、あの人も同じ空を見てるのかな? って思うと、すごく楽しい」

花穂も、同じ空を見ている……。

俺は軽く笑った。

「かもしれないっす」

「じゃあ、私はそろそろ行こうかな」

先輩が立ち上がった。

「じゃあね。りーくん。頑張ってね!」

そうして、先輩はフラリと去っていった。


待つ。か……。

ゆっくりと幼なじみの顔を思い浮かべた。

空が蒼い。


そして転機が訪れる。

それはまた、別の話………。




いかがでしたでしょうか。

この「雨枷霧江」さんは、昔書いてた夢小説の主人公です。使い回しとか言わないで下さい!・笑

まだまだ続いていきます。

よろしくお願いします。


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