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タイムダスト4

 ふわりと彼の最後の時が動き出した。

 一緒にいる時間はあっという間だと聞いたことがあるが、まさにその通りだった。


「好きだよ」

 哀しげな声が部屋に谺し、跳ねた。

 それは僕に向けられた言葉ではないことはすでに感じ取れていた。


 放たれた言葉は放物線を描いて昨日へと向かっていった。

 桃色の光をまといながら次第に薄い青色へと変わり、そして消えた。


 ほぅと彼が過去へと旅立った。

 光と空間を纏って遠くへ。


 そして僕はまた小さくも広い部屋の中で、生きていく。

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