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タイムダスト2
間が生まれると手が動き出した。
ぬくもりを求めて二人は手を取った、僕は肌の柔さを知った。
会話はもちろんいる。
「やぁ!」
「ヤア?」
使ったこともない部位を使い空気の摩擦で喉が焼ける。
触れた手がかすかに焼ける。彼の瞳に彼が移る、映る。
そして瞳の中の彼は動かないまま、彼は笑う。
僕は彼の発する言葉しかつかえない。ぎこちなく口にすることしかできない。
彼が話すたびに僕の言葉は増えた。増えたが、使う事はあまりない。彼はここにはいつもいない。光が歪んだときに現れる。それもいつもではなく、たまに。
彼がいないとここは元の静寂を取り戻す。とてつもなく広く狭い次元を超えた場所で、思考も止まる。
止むこともない静寂の耳鳴りのなかで、空間が歪む感覚が肌に直接刺激を与えて、重力が発生した。
言葉が重さに耐えかねて僕に届く前に書き消えて、軽い言葉で繰り返される。
「やぁ! また会ったね! また会えたね!」
「ネ?」
彼は笑顔でいい、瞳の中の彼はぼぅとして空を見ていた。
色が無い部屋で色を持つ彼に惹かれて言葉をまた繰り返す。