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怪壊塵芥  作者: 黒漆
98/100

まのせんりつ


 灯り一つない森の中、整備されていない土の十字路、あまり車も行き交わない、墓場のような寂しい場所で、酒を振り撒き、息を潜めて夜を待てば、悪魔の演奏が聞けるという。


 時刻は0時を過ぎた頃、薄く伸びた霧の中、影が色濃く表れる。


 やがてピアノの鍵盤が弾かれ、針のように一際鋭利な旋律が霧を切り裂き流れ始め、酒気が生暖かい風に乗り、夜の霧を広げてゆく。


 サックスが空気を躍らせて、大気と酒気が混じり合う。色のない夜に濃淡を加える。


 ベースが重く鳴り響き、影に質量を持たせる。


 ドラムの振動が反響し、小刻みに暗い世界を揺さぶらせる。


 誰しもが夢を掴めるわけではない、けれど夢を支えるだけの才能をあげようと悪魔は囁く。


 十字路の伝説、夜を跨いで誰もいない十字路で演奏をすると悪魔が才能をその魂と引き換えにくれるという。


 様々な人が音楽家での成功を夢見て、噂だと知りながら土の中に、命よりも大事な楽器の一部を埋めていた。


 音楽家達の想いが形となって、悪魔のような旋律を奏でている。


 魂の霊歌は今夜もわずかの間、繰り返される、人の夢を餌にして。


 夢を追うなら犠牲が必要と、狂ったように残酷に歌いながら。


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