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怪壊塵芥  作者: 黒漆
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北の裏窓


 何年も前なんですけど、ちょうど友人の家に遊びに行った時なんです。


 加藤ってやつなんですけど、初めてじゃないから気にすることもないし、何時もと同じで菓子でも食べながらだべってたんですけど、ちょっと洒落んなんないことがあったんです。


 加藤の部屋、二階なんすけどね北の角部屋で西と北に二つ窓があるんですよ。


 西の窓は何時も空いてて、夕方になると日が部屋に入るからわかりやすいんですよね。ああ、もうそうな時間なんだって。


 でも北の窓はいつも閉まりっぱなしで、開いてること見たことなかったんです。


 いつも暗くて窓も小さいし、すりガラスだからなんであんな窓ついてるんだって、ずっと気になってたんで、開けて見ようぜって話になって勝手に盛り上がってたんですけど、加藤の奴だけが浮かない顔して、後悔しても知らんぞ、何て言うんです。


 後で聞いたら、北窓って珍しいらしいですね。日の光が入りやすい方角は順で南、東、西、北になるみたいで、そうすると加藤の部屋って立地条件良くないでしょう?


 でも日が入らなっていっても涼しくはなくて、夏はくそ暑いし、冬は凍るほど寒いって言うんです。今思えばなんであんなに加藤の家に通ってたのかなって。


 なんか、必死で誘ってくるもんだから、よっぽど僕らと遊びたかったのかと当時は思ってたんですけど。


 それで、すりガラスなんですけど、加藤がそんな言い方するからか、もう一人の友人の山本が実はちょいちょいすりガラスに肌色の何かが映って見えたなんて言い出して、それで僕はなんだか、二人で驚かそうとしてるんじゃないかって、思ってしまったんです。


 そうなるともう意地ですよね、何言われても度胸で開けてやろうじゃないかって、そんで窓の鍵外して一気に開けたんです。


 どうなったかって、それが僕、そっから先覚えてないんですよ。なんでも奇声上げて飛び降りたとか、そんなことになってて。


 そんで両足複雑骨折して病院送り、加藤ともそれから疎遠になりました。


 山本から病院で聞いたんですけど、緑色の手に掴まれて落とされたって。窓の下ってコンクリの駐車場なんですけど普通でも二階くらいの高さならこんな折れ方しないらしいです。


 それにしてもおかしいのが僕、西の窓から飛び降りたことなってるんですよね。


 あいつの家の北窓ってすぐ隣りに診療所が建ってて20センチくらいしか隙間ないんですよ、落ちるはずないでしょ。


 隣の診療所なんですけど、どうも免許持ってない、やぶが経営してたらしくて、暫くして潰れちゃいました。


 ほっとしたのはそこに連れて行かれなくて済んだって事ぐらいですか、山本が必死で病院行ったほうがいいって言ってくれたらしくて。


 もしかしたら加藤の奴、知ってたのかもな。それからもうちの学校で加藤と付き合って怪我する奴が多くて、あれ、あいつってあれからどうしたっけか。


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