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怪壊塵芥  作者: 黒漆
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自消癖


 先生、私もう大丈夫ですから、お願いです、許可してください。無意識で自分を責めている、そうかもしれない、ですけど、自分でどうにかできますから。


 自傷行為がなくならないって、先生、私もうここに来てから切ってない、リスカなんてもうしてません。お願いだからここから出して。


 限界なんです、このままじゃ私。そうやって刃物を持ち込んで、自分を追いつめているって、違うんだよ先生、私が持ち込んでるんじゃない。


 自分を責めすぎているって、もういい、違うっていってるでしょう。


 初めから私は自分を責めてなんかいない、つくりたくてつくったんじゃない。それに元々産む気なんてなかった、金ないし堕ろすの面倒だっただけだから。愛情なんてわいてない、別れた彼氏を思い出してイライラする。


 シズって名前だってテキトーにつけたんだ。煩くなければいいなって。それなのにギャーギャー喚くから、あいつが悪いんだよ先生。車に一日放置しただけで死ぬなんて根性足りないんだ、私の責任じゃない。


 持ち込めないことなんてアンタが一番解ってるはずじゃんか、気まぐれに使いなって、アイツに渡してやった錆びた包丁。名前書いてあるじゃんシズって、アンタがいつも外に持って行ってるでしょ、それをシズがアタシに返しに来んの、赤く膨れてぱんぱんの、死んだ時のままの姿で誘いに来るんだ、もう何年も経ってるのに。


 アタシは負けない、負けてやるもんか。でもアイツに見つめられるとダメなんだ、認めたくないのに母親だって認めたくなる。それに、似てきてる、アタシがアイツに、肌だってこんなに赤く腫れ上がって、だからここから逃げなきゃ、もう、限界なんだよ先生、出して、ここから出して。

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