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怪壊塵芥  作者: 黒漆
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慧願鶏眼


 占いって当るも八卦当たらぬも八卦って言いますでしょう、私も専修上がりですから、多少は知識が身についていますし、占いには自信有ります。


 でも、正確にいつ何が起こるとか言い切りはできませんよね。


 そんな私にも百パーセントとは言えなくても、かなりの確率で正確な予言を答えられた時が少しの間あったんです。


 私の師匠で、ちょっとその筋では有名な人なんです。


 足裏占いって珍しい占い師なんですけど、私は何か足の形が特別らしくて。教えてくれた方法で変わった修行みたいなものがあるんです、毎日決まった歩き方や運動を繰り返す事で、人の命運がわかり易くなるって言うんですよね。


 それを続けていたらうおの目ができちゃったんです。正式には鶏眼て言うらしいんです。


 丁度右足の親指のつけ根辺だったんですけど、痛みもそれほどでは無かったんで放っておいたら、暫くして庇って歩いていたからか、今度は左足にも同じような位置にできてしまって、流石にちょっと歩くのが辛くなってきたんですよね。


 見てみると大きな目が両足にできていました。


 それから妙に感覚が鋭くなって、目を瞑って座っていても周囲を歩く人の年齢や性別、体調がわかったり、何かが起こる前の予兆みたいなものも感じられるようになりました。


 そうしてるうちにお客さんの顔を見ると、鳴き声が聞こえたりするようになって、その種類と大きさでその人の凶兆の内容がわかるようになったんです。


 師匠に聞いたら大変喜んでもらえて、絶対に手放すなと言われました。でも、得意気になる前に私、怖くなってしまったんです。


 あの鳴き声、聞いたことのない動物の声で、二度と忘れられません。それに夜はなぜか視界が暗くなるし、どうしても歩き方が、がに股でよちよち歩きになってしまうんで、治してしまいましたけれど、その後何度試してみても同じような鶏眼はできませんでした。


 ちょっと今では勿体なかったかなって思っています。


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