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怪壊塵芥  作者: 黒漆
10/100

矯正救助


 「いてて、ったくロクなもんじゃないっすよ」


 「あれどうしたのお前、脚なんか押さえて。事故ったか?」


 「まあ懲りたというか、聞いてくださいよ」


 「面白そうな話だな、聞かせろよ」


 「うちの学校ちょっと変わっているんすよ、屋上にフェンスがないんす」


 「え、だってそれじゃお前、困るじゃん。飛び降りちゃう奴なんかがいたらどうすんの?」


 「そうなんすよね。どこの学校もそうだと思うんすけど、一つや二つあってもおかしくないですもん」


 「だよなあ、考えすぎる奴の多い場所でもあるだろ」


 「俺の知ってる限りでもいじめられてた奴、いましたからね。でも不思議と噂があるだけで飛び降りたって話、聞かないんすよ」


 「へえ、面白いな。でも、それって単に開かずの間みたいなもんなんじゃねえの? 鍵かけられてて屋上にでられないとか」


 「それが、普通に入れちまうんす。まあ、一応行くなとは言われちゃいるんすけど、関係ないすよ。実際結構登ってる奴多いですし、まあ俺も含めてですけどね」


 「それで、わざわざ勿体ぶってまでなんでそんな話振るのよ」


 「いやあこれが、こないだある奴に聞いちまいまして。実は知り合いに飛び降り決起したのがいたんです」


 「ふうん、お前の知り合いで? お前がいじめた奴じゃねえの?」


 「あ、やっぱわかっちゃいます? まあ冗談ですよ。お前試しに飛び降りてみろよって、死にたいとか言うから背中押してやったんです」


 「ひっでえな、それでなんで問題にならなかったんだ」


 「縁に立てばわかるんす」


 「は、どういう意味? お前が立ったわけじゃないだろ」


 「掴まれるんすよ、足を。その場にいる奴全員ね。その上外から突き戻される。だから、飛び降りできない。笑っちまいますよ、しかも俺の足の方が強烈に握られたんす」



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