『恋をあきらめたその時は・・・』
『恋をあきらめたその時は・・・』のあとがきのような、裏話のような、恋愛論です。
テーマは「片思いの相手は、他の人に片思いしてる」と……「失恋」で書きました。
好きな人がいる人に恋をするのって、とにかく辛いと思いますが、この話の主人公・佐倉は、この片思いをとても楽しむんですね。
もちろん、相手とは話したことがないし、知っている情報は盗み聞き&盗み見&憶測。一見、ストーカーのような好意ですが……、まぁ、佐倉がやってるのは許される範囲ということで。
でも、あるきっかけで蘇芳と話すようになって、恋が勝手に走りだして、自分ではどうしようもなくなってしまいます。そして、突然の別れと失恋。好きな人との別れだけでなく、今まで楽しんできた恋も見失ってしまいます。
それでも、周りの人に励まされ元気づけられて、思い出します。『恋をしたことを後悔だけはしたくない。この恋が報われないとしても、この恋をあきらめた時、いつかまた新しい恋をしてもいいかな、そう思えるといいな』そう思ったことを。
失恋してから立ち直るまでの時間って、人それぞれだと思います。
どのくらい相手を想っていたか、とか、そんなのには関係なくて――数日で乗り越えられる人もいれば、何年も失恋に囚われてしまう人もいる。
佐倉の場合は、約二年という歳月で失恋を乗り越えます。
そして、そのきっかけとなったのは、好きな人の好きな人――桜――との再会です。
初めて書いた作品では登場人物が多すぎ、という指摘を頂いたので、今回はなるだけ最低限の登場人物にしてみました。
その中で、ちょい役だけど鍵をにぎっているのが黒沢君。
交友関係が広い彼の存在で、桜と再会し、蘇芳にもう一度会いたいと思い、そして紅谷さんが飲み会に呼ばれてたことで、蘇芳との再会を果たします。
初めて書いた「バットエンド」ですが、前向きになれるような話にしたつもりです。いかがでしょうか……?
ここまではあとがき的なものでしたが、ここからは、ちょっと裏話的な……
私は今まで、小説を書くのにプロットをほとんど作らずに、ふっと頭に思い浮かんだ設定や場面を書いていました。そして今回もそんなふうに書き始めた『恋をあきらめたその時は・・・』ですが、プロットで書いていたせいで、初めて小説を書いていて行き詰ってしまいました……
どう表現するかで行き詰ることはあっても、先の展開をどうするかで行き詰ったのは初めてでした。
もともとの設定では、佐倉に誰か好きな人がいると知った蘇芳が、佐倉に惹かれ始めている自分に気づき、ハッピーエンド……という予定でした。
でもどうしてか、佐倉が蘇芳にそんなことは言わず、蘇芳は退学して実家に帰り(これは元の設定どおり)、佐倉は気持ちを伝えられないまま失恋してしまいました。
そこからは、もう行き詰って、行き詰って……
ああ、どうしよう……と毎日、悩みました。
タイトルでもあり、作品の中で何度かでてきた言葉で、「この恋をあきらめた時、いつかまた新しい恋をしてもいいかな、そう思えるといいな」
そんな話の予定だったのに、失恋して、好きな相手がどこか知らない遠くへ行ってしまった佐倉は、どう立ち直るのだろうか、と悩みました。
そして、最終的に行き着いたのが、「気持ちを伝える」ということ。
最初、気持ちを伝えないと決めていた佐倉は、結局気持ちを伝えれらないまま別れてしまったから、後悔します。
叶わないと分かっていても、あがいて、すがって、精一杯恋に向き合った人だけが、失恋を乗り越えた後にもう一度新しい恋をしようって、そんな前向きな気持ちになれるのではないかな、と思ったのです。
作中では書ききれなかった桜の設定を、裏話として少し紹介します。
彼女は正直なところ蘇芳と樗沢と二股をしていました。もともとは高校時代の同級生の樗沢と付き合っていて、彼とは別の大学に進学した桜は、大学のサークルで先輩の蘇芳に出会います。おそらく蘇芳は桜に一目惚れ。自分に好意があると感じた桜は蘇芳と付き合いだします。でも本命は樗沢で、なかなか会えない寂しさを埋めていたのだと思います。そして、そんな気持ちを、蘇芳もうすうす気づいていて、それでも納得していたのだと……
世の中にはきっと同時期に違う人に惹かれて、それがどちらも本物の恋だと言う人がいます。私の周りにもそうゆう人がいました。私には二股は理解できませんが、そうゆう人もいるということは認めます。でも理解できないので、作品の中では表現できなかった部分なので、ここに裏設定として書いておきます。
この作品を通して、私自身とても勉強になったことがたくさんあり、思い出の作品になりました。そして初めて書いた失恋、バットエンドです。
番外編として、紅谷さんのサイドストーリーを考えています。実は紅谷さんもこの作品の中で片思い、失恋した人の一人です。
本編を読んで気づいた方がいるかわかりませんが、紅谷さんは佐倉に片思いをしていました。佐倉が失恋から立ち直るのに大きく貢献したのも紅谷さんで、あんな優しい紅谷さんに佐倉が恋してもおかしくないとは思いますが、でも、佐倉は紅谷さんの気持ちには気づかず、しばらくはバイト仲間、良い人というカンジでしょうかね。
もしかしたら、今後、紅谷さんの猛アタックで恋に発展するかもしれませんが――
恋愛樹を育てるには……まとめ4 “叶わないと分かっていても、あがいて、すがって、精一杯恋に向き合った人だけが、失恋を乗り越えられる”
『恋をあきらめたその時は・・・』に興味を持った方は、ぜひ読んでみてください(^^)




