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断罪された悪役令息は、処刑ループのたびに帝国を救う

作者:とま
最新エピソード掲載日:2026/03/22
断罪の場で、死んだ。

クラウゼ公爵家嫡男・ヴァルター=エルンスト=クラウゼは、帝国の宮廷大広間にて、婚約者である第二皇女アンネリーゼに婚約破棄を言い渡され、処刑された。

罪状は五つ。
皇族への脅迫、文書の不正閲覧、辺境反乱への資金関与、皇帝の薬湯記録の改竄、帝位簒奪を示す偽造書簡――。

完全な嘘ではない。だが、誰かが丁寧に組み立てた罠だった。

目を覚ませば、半年前。
死の感触を首元に残したまま、ヴァルターはやり直しの朝に立っていた。

「好かれれば助かる」は嘘だった。
「善人のふりをすれば逃げられる」も嘘だった。
何度やり直しても、何度死んでも――自分は最初から、誰かに"消される予定の駒"として設計されていた。

ループを重ねるたびに明らかになっていく。
腐敗した宮廷。皇族を蝕む謎の香。帝国を内側から食い潰す者の影。そして、放置すれば帝都ごと滅ぶ、止められない崩壊の輪郭。

自分一人が助かっても、帝国は滅ぶ。

ならば選択肢は一つだ。

潔白を証明しない。好かれようとしない。
悪役のまま、嫌われたまま、誰にも感謝されないまま――
処刑ループを繰り返しながら、帝国の滅亡を食い止める。

「汚れ役になる」と決めた男と、彼を断罪した皇女が、やがて同じ敵を見る。
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