第7話 レッドストーン
「君たちはそこに座っていいよ。」
そう言って長い方のソファーを指差した。3人がソファーに座ると、ハリスさんがお茶を出してくれた。よく分からなかったが、お茶は見たことのない浅葱色のお茶だった。味は緑茶のようでだいちが苦手だったようだ。
「それで、確か君たちはストーン達を探しているんだよね。ここからだと一番近いのが・・・」
そう言いながらハリスさんは机の下をゴソゴソして、一枚の古い地図を取り出した。その地図の上に指を乗せて、説明し始めた。
「えっと、今はここだから一番近いのがここ。レッドストーンだね。クローネ街を出て、北にずっと進むんだ。そしたらそこに一つだけ家が立ってるはず。そこにとりあえず行けば家主が続きを教えてくれるだろう。」
「なるほど。ずっと進むってどれぐらいかかるんですか?」
「だいたい20分前後かな。」
「わかりました。ありがとうございます!」
「あ あと、北の方は霧が出てるって言ってたから、行く時は気をつけて。」
「はい!」
さとる達はもう出発しようとしたが、ハリスさんが外を見て止めた。
「今夜はもう遅い。一晩泊ってから明日の朝に出発しな。」
ハリスさんは魔法の杖を一振りし、布団を3枚分敷いた。
「いいんですか!じゃあ明日の朝に出発にします。」
「はい、今日のご飯はさとるくん達が来てくれたので、現実世界の料理を真似してみました。これは・・・カレーライス?・・・と言うものでーす!」
そう言って3人の前にカレーライスが置かれた。なんだか昨日までカレーライスを見ていたのに、懐かしいような感じがした。
「うわーい!やったー僕の大好きなカレーライスだ!」
かけるがにっこりした。3人はお腹が空いていたのか、すぐにカレーをたいらげた。夜ご飯を食べた後は、歯磨きをして布団に潜った。思ってたより早く眠れた。
次の朝、まだ太陽が登っていない頃にはもう朝ごはんのサンドイッチは食べ終わり、旅に必要なものはハリスさんが魔法で出しておいてくれていた。3人はその荷物達を自分たちのリュックに詰めた。懐中電灯や予備の食べ物、方位磁針などを用意してくれていた。最後にレッドストーンの位置が記された地図を渡してくれた。もう準備は満たんだ。
「それじゃあ、もう出発だね。霧に気をつけてね。」
「はい、昨日から色々と本当に助かりました。それじゃ、行ってきます。」
地図を手に握りながらハリスさんが見えなくなる階段まで後ろ歩きをしながら手を振り続けた。イザベラタウンを出ると、地図と方位磁針を見て、北を確認した。毎回分かれ道になるたびに方向を確認しながら進んで行った。
「ここからが本当の冒険の始まりだね!ふぅ、楽しみ〜!」