第4話 初めての魔法店
「4つのストーンか・・・」
「この村、面白そう!結局まだ帰れないんだから、とりあえず探索してみようよ!」
かけるはやっと状況が追いついてきて、好奇心が湧いてきたのだ。3人はクローネ村を歩き始めた。右を見ても左を見ても、この道は魔法店らしき店がたくさん並んでいた。夢にしか見た事のなかった魔法の杖、ほうきなどに3人の心臓は激しく弾んでいた。
その道を抜けようとした所、かけるが角にある、魔法書店のような所を指差した。そして、弾んだ声で言った。
「ねえ、あそこの店入ってみようよ、面白そう!」
「しょうがねぇな、ちょっとだけだぜ。」
さとるはそう言っていたけど、さとるも内心は入ってみたいと言う心でいっぱいだった。
ちょっと重いドアを開けて中に入ると、中には椅子で本を持ちながらくつろいでいる80歳ほどのお婆さんが一人いた。もう本を読んでいるのか寝てるのかよく分からなかった。
お婆さんは「いらっしゃい」の一言も言わなかった。3人は適当に手前にあった
「日常的呪文集」と表紙に書いてある、厚くて古そうな本を手に取り、数ページめくってみた。
「へえ、変身する時は『ウィ・リーズ・ナッツ』って言うんだ」
だいちは結構興味津々だったらしい。
そこから5分は立ち読みしてただろう。そしたらいきなりお婆さんが怒鳴った。
「あんたたち、買うか買わないかは決まったのかい!買わないならさっさと出ていきな!」
3人はビクッとした。お婆さんもさとる達を警戒してたらしい。だいちの方を見ると、「買います。」と言いそうな顔だった。
その顔を見てさとるは慌ててお婆さんに聞いた。
「この本、いくらですか?」
「2000ウォルだよ。」
この言葉を聞いた3人はお互いに顔を見合わせた。多分全員同じことを考えているのだろう。
3人を代表してだいちが言った。
「ウォル・・・ですか?2000円ではなく・・・?」
「何いってんだ、『エン』なんて聞いたこともないわ。2000ウォル、持ってないのかい?」
だいちが申し訳なく頷いた。
お婆さんは呆れた顔で出ていきなと言う仕草をした。
3人は仕方なく店を後にし、商店街の道を出た。
だいたい現実世界では今頃、ゆうじが穴から出てきて違うところに行こうとしている頃だろう。