第3話 帰る方法
街の人たちはみんな黒いマントを羽織り、黒い帽子をかぶっている。
「ここは・・・どこだ?」
さとるとだいちがが驚いて見ていると、かけるが隣ではしゃいでいた。
「ほらね!やっぱり当たってた!ゆうじは魔法の世界から来てるって言ったじゃん!」
「まだ人に聞かないと分からないよ。」
「空飛ぶ箒と魔法の杖をみてそれを言えるの?」
「まあ、それは確かに・・・」
看板には「クローネ村」と書いてあった。
「ええ?!これ村だったの?!街かと思った・・・こんなに広いんだから。」
なんだか周りから変な目で見られてるような気がする。だいちが感じた。
(あ そっか、ここの人はみんな帽子とマントを持ってるんだ。僕たちは何も被ってないから怪しまれてるんだ。
これは早く帰ったほうがいいな。)
「これで分かったし、もう帰ろうか。」
「ええー?魔法の世界だよ?もっと遊んでから帰ろうよー!もったいないじゃん!」
かけるとさとるが帽子とマントを持ってないことに気づかず、駄々をこねた。
「あっ!しまった!扉が消えてる。」
「え?」
もともと扉があった所は、ただの石の壁になっていった。
「待って・・・じゃあどうすればもとの世界に帰れるの?」
やっとかけるが帰る気になってきただろう。
少し焦っていたとき、3人の状況を見ていた一人の白く長い髭を持ったおじさんが杖をつきながらコツコツとやってきた。
「おやおや、もとの世界に戻りたいのかい?それならストーンたちがいないとねえ。」
「おじさん、ストーンってなんですか?」
「ストーンは4種類あってね。」
おじさんは手で「4」の形を作り、一つ一つ指を折り曲げていきながら言った。
「レッドストーン、グリーンストーン、イエローストーン、ブルーストーンの4種じゃ。」
「そのストーンはどこにあるんですか?」
だいちはおじさんを質問攻めした。
「それは他の人に聞いてきな。わしはもう忘れてしまった。ほっほっほっほ」
それを言っておじさんはまたコツコツと帰って行ってしまった。
かけるはこの状況に追いついていないようだ。