表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある美漢/恨み感  作者: ガエイ
ある美漢/恨み感
5/83

#5 ある美漢 第3話

 俺、加藤かとう春昭はるあき面倒臭めんどうくさがっていた。


 それもこれも、幼馴染おさななじみのヒカリからまた面倒な相談を受けてしまったからだ。


 俺は部活が始まる前の時間を使って、雅彦にヒカリのことを聞いてみることにした。


「えっ……。じゃあ先輩と氷川ひかわさんって知り合いだったんですか……!?」


「あー……まぁ知り合いというより、幼馴染おさななじみというかくさえんというか……。だから、返答へんとうがもし伝えづらいようなら、俺経由でヒカリに伝えてやろうと思ってな」


 別に本当はそこまでたのまれているわけではないが、高校に入ってからすでにヒカリが()()()()()()()()()()()()()という光景を何度か見てきている。


 その度にアイツは傷つき、悲しんでいるのを知っている。


 だから、せめて直接断られるのではなく、俺を介することで少しでも傷つく量を減らしてやれればと思っている。


 もちろんアイツはそんなことを俺に頼んではいないし、俺が勝手にやってるだけだ。アイツも告白してきた何人もの見知らぬ誰かに後ろめたさを持つよりも、勝手知かってしったる俺一人に対しての方が幾分いくぶん楽だろうしな。


「正直、迷ってる部分が全く無いと言ったらうそになりますけど、心の中では決まっています……! だから、先輩をかいしてじゃなく、僕が直接氷川さんに気持ちを伝えようと思います!」


 俺がえて悪役あくやくをしてやろうとしているのに……。コイツは話を聞いていないのかさっしが悪いのか……。本当に馬鹿正直なやつだと改めて実感した。


 雅彦は良くも悪くも真面目なやつだ。だが、その実直じっちょくさで誰かを傷つけてしまう前に、色々と学んで欲しい。


 ――という感じで、いつの間にかそういう他人のアレコレまで考えて、気がついたら問題に自分から首を突っ込んでしまっている。いやいやだ。ヒカリからの相談なんかより、他でもない俺自身が一番面倒臭い人間だと常々思っている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ