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雪降る夜に

作者: 芝田

雪山の夜は酷く冷え込む

しんしんと音もなく降り積もる雪化粧

夜の黒、雪の白による共演は

体感温度を容赦なく突き落とす


「寒いね」


僕は君に語りかける

けど、君は何も答えない


遠くを見つめる君の目は、一体何を見つめているのだろうか


ここじゃないどこか遠くに君は想いを馳せているのだろう


その先に描く「幸せ」

その中に僕は君と共にあるだろうか


この場所に来るまで共に歩んできたと言うのに

そんな愚問と言える疑問を抱くのは

僕の心が弱いからなのだろうな


けど、一つ

こんな弱い僕でも力強く猛々しく言えることがある


君がいなければ僕は生きていけない

、と言うことだ


僕がそんな青ぐさい台詞を口走れば、君は


なに言ってるんだよ、バカ


そう言いながら苦笑いをするんだろうな


でも、それが僕にとっては変えようのない気持ちなんだ


だから、僕はここにいる


頭に肩に降り注ぐ雪を払うことなく、体感温度が否応なく落とされようとも

手足の感覚が無くなっていこうとも

雪のように冷えた君を抱きしめることを

決してやめない


君のいる場所に僕がたどり着くために

これからも共に君の隣にいるために


共演しよう

夜の黒と雪の白に

心踊らせて

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