6話 二人のデート
今日は鈴とデートの日。気持ちを入れ換えないとな。
ん?愛知県?あぁ、いいとこだったよ。味噌カツめっちゃ美味しかった!
「ん~?何着てこ?」
迷う。うん迷う。スゴく迷う。まぁ、いつも通りでいっか…。だってデートしたことないもん。(泣)
よし、30分前だし行くか。早い?いいだろ、別に早く出たって…。
鈴とはロビーで待ち合わせることにしていた。
あれ?もういる。
「ごめん!待った?」
「ううん。私も今来たとこだから…。」
「そうか。見た感じ結構前から来てるようだけど…。」
肩に鳩がのってるからねぇ。 こう言うのはアニメや漫画だけだと思ってたんだけど。
「まぁ、僕も楽しみだったから早く来たんだけど…まさか僕より楽しみにしてたとはね。」
「だってデートだよ!楽しみにしたっていいじゃん!」
何それ。めっちゃ嬉しいじゃん。っと危ない危ない。そう言えば心晴からあまり気を緩めるなって忠告されてたんだった。
「まぁ、こっちも楽しみだったしね。お互いさまということで。じゃ、行くか!」
「うん!」
この後、映画館に行った。まぁ僕は何でも良かったけど鈴が…
「これ見たい!」
って青春ラブストーリー物選んだから見たんだけど…ねぇ。初っぱなから過激なシーンはちょっと…鈴は顔赤くしてたし、まさかこんなのだとは思わなかったんだろう。その後鈴は自分の世界で何か妄想をしてたようだが…。
次は昼ご飯だ。何で船なのにファミレスしかないんだよ…。しかも、一軒しかないし…。
まぁここでは…
「刀夜くんは何がいい?」
「このカルボナーラが食べたいな。」
「う~ん。じゃあ私はこの期間限定のやつで。」
喋りながらしばらく待っていると料理が届いた。
「「いただきます。」」
「ねぇ刀夜くん、そのカルボナーラ一口ちょうだい?」
「おう、いいぞ。はい、あ~ん。」
これくらいは心晴も許してくれるよね?
「あ、あ~ん。」
「うまいか?」
「うん、とってもおいしいよ。その…代わりと言っちゃあれだけど私のも一口どう?」
「ん?じゃあもらおうかな。」
「分かった。じゃあはい、あ、あ~ん。」
「あ~ん…。……うん。このハンバーグおいしい!ってか思ったよりこれ恥ずかしいな…。」
「まぁいいじゃん。今日はデートなんだし!」
なんか違うような気がするが…なんか『デート』と言う言葉が魔法の言葉に思えてきた。この言葉を使えば何でも許されてしまうのではないか?
その後はずっと買い物をした。何か僕の服を鈴が、鈴の服を僕が選ぶことになって…
「これと、これと、これでこんな感じかな?」
と、一生懸命選ぶ姿を見ているとデートしてるなぁと言う気分になった。
鈴が選んだ服は、とても似合っていると思う。でも、着替えたら鈴はずっと顔が赤いし店員さんも顔赤いし…。で、僕が選んだ服は夏ってことで涼しいのにしたんだけど、これまた似合うんだな。おまけに少し肌の露出があるから色気がでてる。
まぁ、そんなこんなであっという間に1日が終わり、帰り際…
「刀夜くん。この後刀夜くんの部屋行きたいんだけど、だめかな?」
「ん?いいけど。」
心晴が許してくれるかなぁと心配もしたが無いと思い了承した。
部屋に入れると・・・
「う~ん。刀夜くんの匂いがする。」
「やめろ。恥ずかしい…。」
「だって、事実だもん。」
今日の鈴はやけにご機嫌だ。
「ねぇ刀夜くん。」
「ん?」
「あのさ・・・」
「どうしたの?急にしおらしくなって。」
「私さ刀夜くんに言いたいことがあるの。」
「う、うん?」
どうした?改まって・・・っていうのは野暮かな。なんとなく予想はつくし・・・
「私・・・刀夜くんのことが好きです!!」
やっぱりか。
「うん。知ってる。」
「やっぱりバレてたか。」
「そりゃなんとなくはね。僕はそんなに鈍感じゃないと思うし。」
「いや、鈍感でしょ。」
そんなに?笑うほどか?
「で、話の続きだけど・・・私と付き合って下さい!!」
「えっと、僕は心晴にも告白されてて」
「それは知ってる。それも踏まえて聞いてるの。」
鈴の目はいたって真剣な眼差しをしていた。
「僕は・・・」
いったいどうすれば良いんだろう?心晴のことも大切だし・・・鈴もことも大切だし・・・一体どっちを選べば・・・なんでここまで考えて無かったんだろう。
と考えていると
「刀夜~。お邪魔するよ~。」
と心晴が陽気に入ってきた。
「あれ、鈴ちゃん?もしかしてお取り込み中だった?」
「うん。今ちょうど刀夜くんに告白したところ。」
「え?」
「私は心晴ちゃんと仲良くしたい。けど刀夜くんは譲りたくない。」
「我が儘だね。でも私も同じ。鈴ちゃんとは仲良くいたいし刀夜だって渡すつもりはない。」
「ねぇ刀夜くん、返事はさ、刀夜くんが言いたい時でいいから。それまで待つから。」
「鈴はそれで良いのか?」
「どうせ今聞いても答えは出ないでしょ。」
「うん…。」
「ごめんね。何か気まずくさせちゃって。」
「私も待つから。刀夜の返事を。」
「ありがとう2人とも。」
それから2人は微笑んで部屋を出ていった。本当に気が利く。
その夜ベッドにて
「本当に自分が不甲斐ないな。」
まさか自分がこうなるとは思っていなかった。こんなのはラノベとかだけだとずっと思っていた。
「一体どっちを選べば・・・」
幼馴染の心晴、いつでも僕のそばで僕を支えてくれる。
同級生の鈴、一緒にいると楽しい存在。自分より他の人を第一な思って行動する優しい子。
僕はどっちも好きだ。これは僕が一番知っている。もし心晴を選んだら僕は鈴のことは好きなままなのだろうか?逆もまたそうなのか?
『いったい誰がいつ決めたんだろう?好きになっても良いのは一人だけだと。』
何で両方好きじゃ駄目なんだろう。僕は「どっちが好き」って聞かれても「どっちも好きだ」としか答えられないと思う。
「『好き』なら『好き』それだけじゃ駄目なのか?ましてやそれはひとつじゃ無いといけないのか?」
なんて今日も悩んで結局答えは出ずに寝るのだった。




