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解放最強の封印者  作者: 十六夜
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閑話 それぞれの気持ち

高見 心晴の気持ち


私はさっき「刀夜が死んだ」って聞いた。進藤くんから。


嘘だよね。

刀夜が死ぬわけないじゃん。

うん。そんな訳ないよ。

こんな言い聞かせを自分にして現実から目を背けることしか出来なかった。

この日の授業は全く聞こえなかった。


私は学園から帰った後、すぐに刀夜の家に行った。


「刀夜のお母さん!刀夜は?刀夜はどこ?」


「あ、心晴ちゃんこんにちは…。刀夜はもう…。」


「ちょっと部屋、お邪魔するね。」


嘘だ。刀夜が死ぬなんてあり得ない。


「刀夜!」


居るじゃん。

刀夜はベッドに寝ていた。


「刀夜、起きて。」

「…」

「と~やぁ……起きてって!」


息はしてなかった。まるで人形の様にただただ固まった肉塊の感触がした。

気づいたら私は泣いてた。



「うっ、うっ、うわ~~~~~~~~ん!!」


これまで泣いた中で一番だろう。こんなに止めどなく出てくる涙を止めろと言いう方がおかしいと思う。


「…」


「ねぇ刀夜!返事してよ~~~!」


私は1日中泣き続けた。

何で刀夜なの?何で刀夜なの?ねえ、何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?

刀夜の何が駄目だったの?私の彼氏であり私の憧れ。そんな彼が恨まれる様な人じゃない。

そんなこと考えるより今は一秒でも長く刀夜のそばにいたかった。





明日は学校行こう。刀夜のことを無くさないために。教室から刀夜の存在を。


刀夜、忘れないからね。









高宮 鈴の気持ち


私は絶望した。


この一言に限る。



刀夜くんが死ぬなんてあり得ないと思っていたから。車に引かれて死ぬなんてあり得ないと思った。だって刀夜くんから車に突っ込むなんてあり得ない。刀夜くん、帰ってきてよ。




「ただいま。」


「お帰り。あら、どしたの鈴?」


「私の彼氏が…車に引かれて死んじゃったの…。」


「えっ…。」


「うう~~……。うあ~~~~ん!!」


もう止めることは出来なかった。そんな私をお母さんは優しく抱きしめてくれた。


「悲しかったね…。よしよし、辛かったね。」


私は1日中泣いた。涙が渇れて出なくなってもまだ泣いた。



明日からは頑張って行こう。気持ちを切り替えて。刀夜くん、君はずっと私の中にいるからね。忘れないよ。










川神 香の気持ち


私はお兄ちゃんが大好きだ。お兄ちゃんとしても、異性としても

なのに、何で?何でお兄ちゃんが死んだの?

嫌だ。

嫌だ。

認めたくないよ。

お兄ちゃん、もう一回会いたいよ…。

この日は心晴ちゃん、川神姉妹とお兄ちゃんの部屋で夜が更けるまで泣き続けた。何かの拍子でお兄ちゃんが起きないかと期待しながら。勿論死人が蘇る訳もなく翌朝を迎えてしまった。心晴ちゃんが今日は学園に行くと言ったので私達も行くことにした。








川神 心夏の気持ち


お兄ちゃんは唯一私を見せられる異性だ。それくらい大好き!…なのに…なのに…死なないでよ!


これじゃあ、私の生きる寄り所が無くなっちゃう。私が生きる理由がお兄ちゃんなのにお兄ちゃんが居ないと私、生きて行けない。


……悩んでてもしょうがないか。もういないんだ。せめて心の中には留めて。


明日は香と一緒に刀夜の教室行こう。そんで色々話そ。…お兄ちゃん、どうして…死んだの?寂しいよぉ。







川神 月葉の気持ち


家に帰ったら刀夜が居ない。



部屋に行ったら泣いてる心晴ちゃんと香、心夏、眠ってる刀夜がいた。


私がもっとお姉ちゃんとして守ってあげてられてたら。

そう思うと涙がでてきた。その涙はとても熱かった。悔しさと悲しさが混じった意味の分からない涙が溢れた。


私は刀夜に甘えてばっかだった。刀夜に守られてばっかだった。


刀夜…大好きなのに…守ってあげられなかった。


刀夜…。ありがとう。守ってくれて…。ごめんね。お姉さんなのに守ってあげられなくて。








矢坂 愛佳の気持ち


「えっ!?刀夜くんが死んだ?」


嘘だ。刀夜くんに限ってそんなことはない、誰かに不意討ちでもされなければ…。


ああ、せっかく仲良くなれてこれからだったのに…。

やっと気持ちを伝えられたのに…。


私が刀夜くんを守れてたら…生きていたのかもしれない。悔しい。


「私が一緒に登校していればこんなことは無かったかもしれないのに。」


ふつふつと自分に対して怒りがこみ上げてきた。同時に刀夜くんが死んだことに対する悲しみもおそってきた。


私と刀夜くんは小学生からの剣道仲間だ。よくどちらかの道場に行き、剣を交えるときもあった。そして今は私の恋人。そんな人が死んでしまったら悲しいのも当たり前だ。


「ねぇ刀夜くん。もう私達会えないの?」


ただ泣きながら嘆くことしか私には出来なかった。








進藤 俊の気持ち


ククク。遂にやったぞ。川神を遂にやったぞ!


おっと、「冷静に」だ。この国の女はみんなもう俺の女だからな。悪い顔は見せられない。邪魔者がいなくなって精々するぜ。


この時間ならもうある程度の人は知ってるはず。


「川神くんが死んだって本当か?」


「ああ。そうらしい。残念だよな。」


「僕はあんまり印象なかったんだけど。」


嘘だけどな。


「ああ、俺も。あいつ、大抵富野と一緒だったからな。」


「だよな。」


清々しいぜ。この気持ち、今までで最高だ。









富野 和也の気持ち


は?


刀夜が死んだ?


あいつは死んだのか?


いや、死なない。刀夜が死ぬはずがない。

あの、お人好しが、鈍感主人公が、女たらしが死ぬはずがない。



ここでふと俺の中に流れてくる記憶があった。


『なぁ刀夜。もし異世界に行くんだったら転生か転移どっちがいい?』


『僕は転生かな。』


『ほう。理由は?』


『僕は親の温もりの大切さを知っているから。そんな所かな。』


『なるほどな。』


『そう言う和也はどうなんだ?』


『俺は勿論転移かな。俺はお前の様に強くなりたい。そして一人でいいから守れるようになりたい。その為にはこの体で強くなる必要があるからな。』


『なるほどな。』


何でこんなときこんなことが…。


おい、刀夜。死んでたらこれからどうなるんだよ…。お前は異世界転生でもしたのか?



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