8話 帰宅
「ただいま~。」
色々あったけどやっと修学旅行終わった。
たくさん思い出できたなぁ。途中の京都はみんなの浴衣が見れたりしたし、後、沖縄の次が北海道ってのも良かった。見える景色がガラっと変わって面白かったし。船内は…本やゲームなどでほとんどの時間を潰した。たまに心晴や鈴、愛佳とデートもした。
「おかえり!お兄ちゃん!」
「おおっと。どした?香。急に抱き着いて。」
「はぁ~~。お兄ちゃんだ!お兄ちゃんの匂いだ!本物だ!」
「え?僕、そんなに匂う?」
「うん。いつものお兄ちゃんのいい匂いが。」
どうやら僕の体臭は日頃から匂うくらいすごいらしい。
「寂しかったんだよ。お兄ちゃん…。」
今日はいつにもまして甘えてくる香。流石に一ヶ月も家を空けると寂しいようだ。
「しょうがないだろ。修学旅行だったんだから。」
「そうだね。ところでお兄ちゃん。制服からいつもと違う女の匂いがするんだけど。心晴ちゃんはわかるけど後二人はだれ?」
「ああ、それは鈴と愛佳の匂いじゃないか。」
てかそんなことも分かるのか!?
「ええっ!『鈴と愛佳』ってあの高宮 鈴先輩と矢坂 愛佳先輩のこと?」
「そうだけど?」
香と心夏はうちの学園の一年生だ。まぁ二人とも有名人だから知ってるんだろうが。
「う~ん?これは更にお兄ちゃんを独占しなければ…。他の人に取られてしまう。」
「ああ、そういえば心晴と鈴、愛佳に告白されたぞ。」
「なっ!そんなに多く!?で、どうしたの…?」
「全員了承したよ。僕にとって一人だけってのは無理だったから。」
「どういうこと?」
こう発する香の声は冷えきっていた。
「だから三人と付き合うことにしたってことだけど?」
「でもそんなの世の中が許してくれないよ!」
「それはこの国のことだろ。実はな……」
それから香に経緯を説明した。
「なるほどね。覚悟は決めているんだ。」
「うん。これが僕も三人も…みんなが幸せになれる道だと思ったから。周りのことは気にしないことにしたんだ。」
「もちろん私達も一緒だよね。」
「香達はこの家にいなくていいの?」
「お兄ちゃんがいないと私達生きていけないから。」
「本当、ブラコンだよな。」
「シスコンのお兄ちゃんには言われたくない。」
クスッと笑ってこう言われた。そんなにシスコンかなぁ?
「で、どうなの?いいの?」
「僕は別にいいよ。後は他の三人が許してくれればだけどね。」
「うん。」
「じゃあ着替えてくる。」
いつも通り部屋に入って着替え、そしてリビングに向かった。
「ただいま~。」
「おかえり!」
「わっ!びっくりした。月姉、急に抱き着かないでよ。」
月姉でも流石に寂しいのか…。
「だって寂しかったんだもん。」
わ~。ギューってしないで。そのでかいのが当たって…柔らけぇ~~。
「く~っ!」
あれ?心夏がなんか機嫌悪い。心夏は寂しくないのかな?
「ただいま。心夏。」
「お、おかえり。お兄ちゃん。」
「どした?お前は寂しくなかったのか?」
「はぁ?寂しくなんかないっての!寂しくなんか…ない………。」
ん?じゃあ何で抱き着いてくるんですか?ああ、ツンデレか!久しぶりだなこの感じ。
「おかえり、お兄ちゃん…。」
「ああ、ただいま。心夏。」
うん。この頭を撫でる感触、久しぶりだなぁ。
「ひゃわっ!ちょっ!急に…頭…なでな……エヘ…エヘヘ。」
「悪いな。寂しい思いさせて。」
「それはしょうがないから気にしてないよ。お兄ちゃん。」
心夏のデレ発動。これだからツンデレは否めない。
「ちょっと~。私も。頭撫でてよ。」
「そうです。心夏ばっかりずるいです。お兄ちゃん、私にも頭ナデナデして!」
「はいはい。順番な。」
やはりシスコン?とブラコンの家庭はこれが普通の様だ。一番落ち着く。
その後でさっき香と話していたことをまるまる伝えると、2人とも勿論と言わんばかりの表情をしていた。
コンコン
「どうぞ~。」
「お兄ちゃん。来たよ~。」
「お、来たか。じゃ、いつも通りここ座って。」
「はいは~い。」
「今日も肩でいいか?」
「ううん。今日は脚をマッサージして。」
「う~ん。でもそうすると香の下着が見えることになるが…。」
「何~?妹で興奮するの~?」
「い、いや。違うが…。」
「本当に?」
「お、おう。」
「嘘ついてたらお兄ちゃんがあの学園の三大美少女から告白されたって言うけど。」
「……ごめんなさい。嘘です。どうしても血がつながってないのが頭によぎって興奮してしまいます。」
「うん。素直でよろしい。でも私は気にしないからいよ。」
「いや、でも僕が気にする…。」
「告白…。言うよ。」
「精神誠意込めてやらせていただきます!」
「うん、よろしい。久しぶりだから少し長くやってね。」
「おう。」
「そんなにジロジロ見られると…恥ずかしい…。」
「あれ?気にしないんじゃなかったのかなぁ?」
「もうっ!お兄ちゃんのいじわるぅ~。」
「ごめんごめん。じゃあ始めるぞ。」
「お願いしま~す。」
女子ってだけありやはり脚は細い。そもそも僕が香にマッサージをするのはいつも家事でお世話になってるからだ。日頃の恩としてやっている。
「ん……。んんっ!ん!お兄ちゃん!そこ!気持ち良すぎるよぉ。」
ん?なんかこれ場合によってはヤバいシーンじゃ…。誰かに聞かれでもしたら…。
「香、悪いが声はあんまり出さないようにな。」
「わ、分かった…。」
久しぶり過ぎてこりすぎているのかも知れない。
「んんっ!ん~~~~!!あっ!ん~~!んっ!んんっ!」
うん。これはダメだ。
「香、まさかわざとやってたりしないか?」
「違う…ハァハァ…おにい…ちゃんが…気持ちいいと…ころをついて…くるから…。」
「はい、終わり。久しぶりだったから結構こってたぞ。」
「ふぅ、ありがと、お兄ちゃん。結構激しかったね。」
「ちょっ!余りそう言うこというと誤解されるから。」
向かいに心夏の部屋があるからなぁ。
「ふふっ。わざとだよ~。」
「こんにゃろ~!」
「ところで心夏。聞いてたんでしょ。」
「えっ!?」
「何で分かったのよ。香。」
「そりゃあれだけ分かりやすいようにあ…喘いだんだから分かるでしょ。」
「……そうね。お兄ちゃん!」
「ひ、ひゃい!」
怖っ!なんだその蛇のような刺す目は。
「その、今度は私にも同じマッサージほしいなぁ…なんて。」
「へっ?」
なんだそんなことか。にしても心夏にしては珍しいな。
「は~い。じゃ、お休み!お兄ちゃん。」
「ああお休み、心夏。香も寝ろよ。」
「うん、お休みお兄ちゃん。」
「お休み。」
ふぅ、色々と疲れた、寝よ。
次の日、何故か香と心夏二人とも来て凄かった。何が?とは聞かないでくれ…。僕のマッサージってそんなに効くのかな?