表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/43

第四十二話

 夏休みというのは、いかにして暇をつぶすかというのもテーマになってくると、俺は思う。

 宿題なんて7月中に終わっているし、高校生の経済力では出来ることも限られてくる。大学に行く気は無いので受験勉強は無いし、時間だけが有り余る。

 リビングで弟がゲームをしているのを眺めているだけで終わる一日は、俺にとってこの上ない暇つぶしだった。

「兄貴さー」

 ネットに転がっているプレイヤーを、場外へと吹き飛ばしたタイミングで、俺の弟こと(ひかる)が、口を開いた。

「暇なの?勉強でもしたら?」

「その言葉を夏休み入ってから延々とスマブラしてるお前にそのまま返そう」

「しかも俺、受験生だしね」

「ダメダメじゃねぇか。お前、どこの高校行く気なんだよ」

「え?暁だけど?」

「お前の学力で俺と同じ高校に来られてたまるか」

「実力テストの平均87だったよ」

「俺は93だった」

「低レベルな争いはやめなさいって言おうとしたら学力がめちゃくちゃ高レベルだったんだけどなにこの兄弟……」

 いつのまにか背後には翡翠がいた。

「ナチュラルに不法侵入するんじゃない」

「いや、鍵空いてましたし……」

 早朝に出かけていた光の方を見ると、光は目をそらした。

「で、なんの用だ?」

 少しだけ間が空いて、翡翠は言った。

「ちょっと、行きたい場所がありまして」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ