第四十一話
すっかり冷めた目が、俺を何かに誘おうとしてる、そんな気がした。
二日目──ちょっとだけ寄り道をして、帰路につく。それだけだった。
結構な時間があったはずなのに、途中に立ち寄った観光名所以外の思い出がないのは、昨夜ろくに寝てないこともあり、俺と縁は車の中で爆睡していただけなんだが。
我が家からほど近い西園寺家で車を降りると、運転手に礼を言い、家に帰った。
父母の靴がないのはいつものことだが、弟のものもないのは出かけているからだろうか。
部屋に入ると、適当な文庫本を手に取る。最近巷ではこういう性的な表紙のラノベが叩かれているが、それお前がそういう目でみてるからだろ?ただの絵としか見てない俺の息子はベリーベリーノーマル。
「先輩もそういうの読むんですね」
「うわぁっ!?」
いつのまにか翡翠が部屋にいた。
「……いくら彼女といえど不法侵入は犯罪なんだが」
「鍵開けっぱなしにしてる人が悪いんじゃないですか?」
「そういうのはLINEで教えてくれれば嬉しかったかな……」
翡翠はくるりと一回転した。スカートがなびく様子が、とても興味深い。触らせてくれないかな、中身ごと。
「どうです?」
そこまで言われて、ようやくピンときた。
「わざわざ着替えてからきたのか」
フリルのスカートが、窓から入ってきた風で、揺れる。
「あっ」
ベタなラブコメよろしく、スカートがふわりと浮いた。
スカートの下が、ちょんと顔を出す。
翡翠は顔を赤らめて、ぎゅっと服を握っている。
「スケスケパンツとか最高じゃな……
パチーン、と良い音が響いた。
パンツの感想言ったらぶたれたんだけど。痛かった。
「帰ります」
「結局何しにきたんだよお前は……」




