プロローグ
なんやかんやでようやっと新連載。ただしテスト目の前!みたいな。
タイトルは、『僕らの創作活動記』、つまり創作と書いてせいしゅんと読んでおります。
無常以上にラブコメ成分薄めのラブコメ、始まります。
私立暁学園。
中高一貫のこの学校に入学した私は、中等部での3年を終え、昨日高校生になった。
本当は体験入部は来週からなのだけど、待ちきれずに扉を開けた。
北館校舎の2階廊下の突き当たり。第四多目的室の表札がかかっている。
「「「「ようこそ!!文芸部へ!!!」」」」
「西園寺、久しぶりだな」
いきなり視点が変わって混乱している読者もいるかも知れないが、まあそんな事は気にせずに気楽に生きようじゃないか。気楽に生きてる場合じゃないんだけど。
「導先輩!!」
西園寺が、俺に抱きつく。何故かこの文芸部は外部入学が大半だから知り合いがいて安心したと言ったところだろうか。それ以前にこいつがここにきた理由が俺だからかも知れないが。さらに言うならこいつの知り合いはもう一人いるのだが。今はいないけど。
「響、知り合いか?」
「ああ、昔、ちょっと色々あってな」
「はいはい、とりあえず、自己紹介済ましちゃいましょうね〜あ、君。後で職員室についてきてくれるかな。入部届けださないといけないから」
では、まず私から、と青みがかった黒髪の黒目の少女がそのまま続けて、文芸部の自己紹介が始まる。
「文芸部部長の早見文だよ♪よろしくね☆」
「なぁ、お前のねぇちゃん、相変わらずキャラ変早いよな」
「家じゃ常に一貫なんだけどな」
次に、メガネの金髪の、顔立ちの整った青年が立ち上がる。
「副部長の神崎春。生徒会役員もやってるから、学校関連の相談ならいつでも受け付けます。よろしくお願いします」
ちなみに副会長。かなりの腕らしく、次の生徒会長候補と言われている。俺と同じ二年生ながらに副部長をやっているのも、去年かなりの功績をあげたからだ。
部長副部長の紹介が終わって一転、雰囲気は一気に暗くなる。
周りからは文芸部のムードブレイカーと言われているが、実際のところ騒ぎすぎる文芸部の歯止め役となっている。むしろ空気をぶち壊してくれる方が助かるた俺たち部員は言う。
「赤羽日向。よろしく」
そして、最後に。(俺は自己紹介の人数に含まれていない。何故か)
「早見連です。よろしくお願いします」
現在この部活は、30人ほど部員がいるのだが、かなり自由な部活のため、一度の部活に集まる人数は、かなり少ない。その中でも今日来ていたメンバーは、基本的に毎日あそこにいる連中である。
で。
部活が終わる午後6時から1時間ほど、早見家に集まるのが日常である。
正直言ってこの馬鹿でかい家にいるのは落ち着かないのだが、行かなきゃ次の日文さんに小言を言われまくるので俺も参加する形だ。
「いつもどおり両親ともにいないから、ゆっくりしてけよ」
連は俺と西園寺だけにそう言った。
というか、俺と西園寺にしか言う必要がない。
言わなくたって、ほかのやつらはくつろいでるから。
でも、西園寺はづけづけと家の中に踏み込んでいく。
俺の圧倒的疎外感。
まぁ、ここで普通の人間が俺しかいないからしゃーないか。
「響!トランプやろうぜ!」
俺は何故かふっと笑った。
「あいよ!」
「何なんですかあの家……」
帰り道、西園寺はつぶやいていた。
一緒に帰っているのは、俺の家とこいつの家がものすごく近いからである。
「でもお前の家の方がでかいだろ?」
「家の中の話ですよ!」
そう、西園寺家は早見家の倍近くの大きさなのだ。だからこいつは物怖じせずあの家に入って行ったのだが、その中の方にかなりの衝撃を受けたらしい。
それはそうだろう、あの家は、『伝説』なのだから。
そして、今の文芸部はその伝説の、再来なのだ。二度目の伝説。それを前にしたからこそ、部員たちはどんどん離れていく。伝説は伝説であり、つまり伝えられていくから伝説なのだ。その伝説を知ることは、普通じゃない。
「そういや翡翠は?」
「あの子が私みたいに破天荒な事すると思います?」
「なるほどな」
空はすでに暗く、星が輝いていた。
鬱陶しいくらいに、眩しく、光っていた。
この話は、時系列的に無常の20年後くらいになります。めちゃくちゃ楽しんで書いてます。
でも伸びなかったら落ち込むから、評価とか入れてくれるとあかねちゃん(♂)とっても嬉しい☆