桜ヨ咲ケ!
咲いた桜は散っていきます。それが避けられない運命だということ、あなたが仰っていたその意味が、今になってわかりましたよ。だから散らせないように守るのではなくて、何度も花を咲かせようとするのですね。
桜ヨ咲ケ咲き誇れ。願うだけならだれでもできるから。咲かせよう自らの手で、これは桜の木≪わたし≫にしかできないことだから。
散った桜の華の跡、残されているのはなんでしょう。努力をしない姿ですか? それとも掴み取った勝利ですか? 選ぶのはきっとわたしですね。
桜ヨ咲ケ咲き誇れ。待っているだけならだれでもできるから。散らせよう自らの手で、先へ進むには――桜の木≪わたし≫の覚悟がなくちゃ。
何年何十年何百年、いつまでもあなたは待ってくれている。だけど、甘えてばかりはいられないから。時の流れに置いて行かれてしまうから。
桜ヨ咲ケ咲き誇れ。願うだけならだれでもできるけど。舞え踊れ自らの体で、今の≪わたし≫なら私になれる。もう一度、歩き出せる。