第十二話Σ(。△。)
僕「今日の音楽は…?」
楽器演奏?それとも歌?
さっきの行いで上機嫌な僕は今なら何でも出来るような…そんな感じがしていた。
先生「はぁい、今日は皆さんで歌を歌いますよぉ~?」
よっ、幼稚園児扱い!?(゜〇゜;)
?「何の歌を歌うの?」
そう言った彼女は、少しカールしたブロンドの長い髪に、髪飾りをしており、何とも優雅。
…の割には口調が若干荒いが。
?「私が歌うんだったら、ちゃんとステージを用意してよね!」
先生にこの態度…勇者ですな。
美藍「芙乃さん、ステージなんて準備できないですよ…」
篠崎「音楽の授業なんだから、我慢して?」
芙乃「…チッ」
舌打ち!!Σ( ̄ロ ̄lll)
人は見かけによらないなぁ…
葵璢杜「ピアノは先生が弾いてくださるのですか?」
先生「えぇ、そのつもりよ。」
芙乃「えー、そんなダッサイ伴奏で歌いたくないわ。」
はい?( ̄▽ ̄;)
先生「なら、誰ならいいのかしら?」
先生!侮辱されたままでいいんですか!?
芙乃「そうね…、」
見定めるように僕達一人一人を見ていく。
芙乃「貴方か貴方ならいいわ。」
そう言いながら指差したのは、僕
…の隣にいる、葵璢杜さん…それから、初めましてな方。
葵璢杜「俺は期待に沿えないと思うからそちらの音楽が上手そうな方にやってもらえ。」
?「………。」
芙乃「断るなんていい度胸してるわね、気に入ったわ。」
葵璢杜「気に入ってもらわなくて結構だ。」
芙乃「それと黙ったままの貴方、やるの?やらないの?」
?「やらなきゃ怒る癖によく言うよ…」
芙乃「あら、良く分かってるのね。」
?「でも知らないよ?ピアノの演奏に合わせられなくても。」
芙乃「何が何でも合わせてみせるわ。好きに弾いて頂戴。」
?「じゃあ久々に本気を出そうかな。」
そう言って彼はピアノに近づいた。
………、
?「誰か指揮四拍だけ振って。」
葵璢杜「どのテンポでも良いのか?」
?「速めで宜しく。」
葵璢杜「…クス、ではテンポ200で行くぞ。」
tempo200!?
一秒に一拍でtempo60だよね、120でもそこそこ早いのに…200!?
?「任せて。」
指揮を軽やかに、かつスピーディに振る葵璢杜さん。
振り終わった頃に鳴り響くピアノの音。
…洗練された指が次々に音を奏でていくー…
楽譜など無いのに、まるで楽譜があるかのように弾いている。
ふと芙乃さんを見ていると予想外のテンポと腕前に様子を伺っているようだった。
…と様子を見ていた芙乃さんが歌い始める。
高らかに歌い上げる芙乃さん。その芙乃さんの声は、ピアノの軽やかなテンポとは対照的に伸びやかなロングトーン。
かと思えば、ピアノに合わせて細かなリズムを奏でていく。
?「中々やるね…!」
芙乃「そっちこそ…!
でも私の力はこれからよ!」
そう言って芙乃さんは急になだらかな歌い方をし出した。
ん…?
さっきの歌い方と全然違…う…?
急に僕を眠気が襲う。
他の皆も同じようにとろん、とした目をし出す。
葵璢杜「何だ?急に眠く…」
美藍「ふわぁ…」
篠崎「これって…」
丹琥「急に眠気が襲って来やがった…!」
奏「せー、れーん…」
鈴鳴「……すー…」
唱鳴「ぐがー…」
鼓鳴「くーくー…」
次第に皆寝始める。
先生「あらやだ、皆寝ちゃってるのぉ?」
先生は眠くないのかな…?
先生「このままじゃ皆自滅してしまうわね。…芙乃さん、今すぐに歌を止めなさい。」
芙乃「…しょうがないわね…折角気持ち良く歌ってたのに…」
Σ(´□`;)ハッ
少しの間、寝てしまったようだ。時計を見ると五分ほど過ぎている。
それにしてもあの歌は一体…
芙乃「皆さん、どうだったかしら。私の歌は…」
奏「君、セイレーンだろ。」
篠崎「船乗りを惑わし、船を座礁させてしまう妖魔…」
芙乃さんは、反論も何もせずに認めた。
芙乃「そうよ。私の本名はセルフェノ。日本では芙乃 世玲朱(ふの せれす)と名乗ってるわ。」
?「通りで急に眠くなる筈だ。」
先生「耳栓をしていて正解だったわ。」
耳栓をしていたから眠くならなかったって事か!
芙乃「…それにしても、貴方中々いい筋いってるわ。」
?「そりゃどうも。」
芙乃「名前をお伺いしたいのだけれど。」
?「…御影 夾(みかげ きょう)…夾って呼んでくれても構わないよ。」
よし、じゃあ夾さんって呼ぼう。
僕「芙乃さんはセイレーンで…夾さんは…」
夾「…妖狐、狐だよ。」
狐…これまた偉い動物が来ましたぁぁぁっ
夾「俺に何か悪戯したら祟るからね。」
さらっとそんなこと言わないでくれぇっ・゜・(つД`)・゜・
葵璢杜「狐…日本系の妖怪の割には洋風なんだな。」
夾「…そうだね。日本に篭ってるのもどうかと思って海外に留学したらこうなったよ。
音楽はウィーンで学んだんだ。」
狐が飛行機で外国に行って、オーストリアで音楽を学ぶ?
うわぁお…
葵璢杜「成程な。」
芙乃「なら私は日本舞踊でもやってみようかしら。」
夾「いいんじゃない?」
奏「和風な西洋の妖魔…面白い、面白いよ。」
篠崎「…そうだね。」
先生「会話が盛り上がって来たところ悪いんだけど、授業を再開するわよ。」
今度はちゃんと先生が指導していく。先生「じゃあ次はこの曲ね!」
楽譜を見ながら皆で合唱する。ハーモニーがどうとか僕には言えないけれど、芙乃さんがリーダーシップをとって、曲を盛り上げていく。
最初はあまり迫力が無かった曲はいつしか、音楽に特化した人達が奏でるような、曲へと変貌を遂げていたー…
皆の顔もいきいきとし、それぞれの声を尊重しているようだった。
こんな楽しい授業は久々だ♪
チャイムが鳴った時、全力で歌った僕達が、喉がからからになり水飲み場に殺到したのは言うまでもない。
突撃インタビュー(*´∀`)♪
special&第三段!
私:specialのラストを飾るのは、鼓鳴さんと唱鳴さんです!
唱鳴:宜しくな。
鼓鳴:宜しくお願い致します。
私:では一人ずつ自己紹介をお願いします。
唱鳴:よし、じゃあ俺からな。
名前は刀ノ唱鳴。誕生日は鈴鳴、鼓鳴と同じ。
好きな教科は体育で、嫌いな教科は社会。
好きな食べ物は、竹の子で、嫌いな食べ物は柔らかいもの。
お粥とかな。
鼓鳴:では僕も。
名は刀ノ鼓鳴。誕生日は言わなくても分かりますね。
好きな教科は体育、嫌いな教科は特に無いです。
好きな食べ物はさっぱりしたもの、嫌いな食べ物はこってりしたもの。
ちなみに、好きなスポーツは剣道。
唱鳴:俺はバスケットボール!
私:剣道は分かりますけど、バスケットボールって意外ですねw
唱鳴:そりゃあ刀っつっても色んな装飾、刀の形や長さで性格や好みも違うからな。
私:確か、装飾が細かい鈴鳴さんは女の子になったっていってましたね。
ではお二人はどんな刀なんですか?
唱鳴:俺は豪快な感じだな。
刀は大振りでどちらか大剣が近いな。
刃も細かくだが、ギザギザしてんだ。
私:殺傷力抜群ですね。
鼓鳴:僕の刀は細身で、鞘に付いた大きな琥珀がトレードマークです。
刃はすらっとしていて、包丁と同じく、当たっただけでは斬れません。
擦るという動作をして初めて斬れます。
唱鳴と比べたら殺傷力は低いですね。
ですが、守りの面では僕の方が有利と言えます。
私:そうなんですか~
あ、ちなみに所有者は誰なんですか?
唱鳴:低音に決まってんだろ?
鼓鳴:亜琉斗さんですよ。
私:あ…あの人も刀使うんですか…w
鈴鳴さんは?
唱鳴:低音が使ってる。俺と二刀流で使うんだ。
私:成程…。
今回は細かい所まで聞けましたねw
specialはこれで終わりですが、これからもインタビューは続けていきますので、お楽しみに!
では!アディオス!
(スペイン語を学校で習っている私(笑))