97話〜闘技祭〜
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
『さぁ始まりました!夏の大行事!探索者よ!その力を存分に振るうがいい!闘技祭の〜!は〜じま〜りだぁ〜!!』
「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」
嫌気がさす程に地球を照らす太陽
今、その太陽が最も鬱陶しいと思える時期、夏にEEIはその広大な敷地の中にある遺跡のような場所で生徒全員が集まり、熱気を発していた
彼らは片側に固まり、反対側の面々に目を向けている
相対するは全国から集められた超常学園の生徒たち
日本内からの参加校であるオクタヴィアス法理女学院に政宗闘戦大学
そして、大陸・合衆国・連邦・暗黒大陸からそれぞれ最強の謳われる学園の面々も揃っていた
そう…この大会は親善を目的にしながらも探索者同士で戦い、その練度にさらに磨きをかける狙いも含まれていた
これは公然の事実であり、それを知っている生徒たちは盛り上がりながらも浮かれてはいなかった
『選手宣誓。EEI代表、ルーニャ・アンドロメダ』
「はい!」
そして集団の中から、1人、恒星が現れる
互いに睨み合っていた生徒たちは一斉にその女性に目が釘付けになる
彼女は壇上に登る
そしてマイクを口元に合わせ、声を発した
『皆さん。こんにちは。特級探索者のルーニャ・アンドロメダです。今回は他校対抗のイベントである闘技祭が無事に開催できて心から嬉しく思います。』
最初の挨拶
それだけで全員が息を飲む
大多数が憧れの目を向ける
中には誇らしい眼差しや挑戦的に睨む生徒、また、ただただ見ているだけのやつもいた
その後も言葉は紡がれ、静かに聞いていた生徒たちの熱気が静寂の蓋の間際まで迫る
そして…
『今!ここに闘技祭の!開催を宣言します!』
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
会場は今までにないほどの熱気に包まれる
今、この時から始まったのだ
3日間昼夜問わず行われる探索者同士のサバイバル…
闘技祭が始まった
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「さて、この闘技祭はチャンスだ…」
東京都心、遥か下に位置する場所で円卓の真ん中からホログラムの老齢の男性が喋る
その周りにはフードを被っている人物が座っている。
普通に座っている者や椅子の上でヤンキー座りをしている者、正座している者に宙に浮いている者だったりと様々だ
「今回お前らには闘技祭の最終日……闘乱トーナメントで優勝賞品である聖遺物〈天地裂く閻魔の御剣〉を回収してきてもらう。」
男の顔が消え、そこには一本の剣が映る
「はっ!ンなことでいいんかよ楽勝じゃねえか!」
ヤンキー座りをしていた人物が喋り出す
フードが外れ、ギザ歯に鋭い三白眼を持つ女性の風貌が顕わになる
外套の下はブカブカ目のズボンに露出度の高いビキニのような胸当てのみをつけていた
外気にさらされている腹筋や腕は強くしかし美しさを損なわない黄金比だった
「黙れ脳筋メンサ」
「あ゛!?」
「ん?」
向かい合う女性が静かに罵倒する
それに反応し、メンサと呼ばれた女性が机に足をかけ立ち上がる。
呼応するように向かい合う女性も立ち上がる
魔力が噴き出し、空気が張り詰める
ぱんっ!
「「っ!?」」
誰かが手をたたく
その音だけで全員が身を震わせ、いがみ合っていた2人も魔力を発散させる
全員が視線を向ける先、そこには黒髪をポニーテールにした委員長が似合うだろう女性が座っていた
「ここで争っても意味がない。やるならトーナメントでしろ」
「ちっ…」
「ふん…」
その一声によって2人は不満げながらも席に戻る
その様子をみたポニーテールの女性は満足そうに頷く
「さぁ、やるべきことをしよう」
円卓から一斉に立ち上がり、真ん中に右手を翳す
「「「「「「「悪魔と共にあり…この世が我らが家に成らんことを」」」」」」」
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では、また次のお話で!
 




