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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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92話〜遺物要塞〜

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

冠光粒side


(さて…どうしたものか…)


実力はようやく5分といったところか…

目の前にいる541の動きに目を光らせながら頭の中で策を巡らせていく


(正面突破は無理…火力勝負・速度勝負は論外…)


そう…目の前にいるのは人類を超える力を与える装備、遺物を体中に付けられている存在


「ねぇ、アナタ?あの子はなんの実験の被検体なの?」


横にいるさっきまでやり合っていた女、ルーニャ

さも当然かのように話しかけてくる


「『超越の華』計画…遺物によって体を変容させようとした計画だ…環境を整えて美しい華を育て上げようとした結果、作られたのは金メッキで固められた造花だったというわけさ」


「なるほどね…」


やはり特級探索者、先程までの仲間との緩いやり取りからは想像も出来ないほどに警戒した目つきをしていた


(はぁ…まぁ、母親として彼の隣に立つ資格があるのか見ることだけはしてあげよう)


「う゛っ!?う゛ああああああああぁぁぁ!!」


そうしているうちに目の前のギンギラ女が唸り、屈み、飛び出す

その速度、計測が正しければマッハ4に届きうると言われていた

常人にはただの線にしか見えなかっただろう

しかし、ここにいるのは凡人に非ず

全員選ばられし者

特別な者たちは見切り、反撃の体勢に移る

1人は剣を首に、1人は銃を頭に、1人は槌を振りかぶる

また1人は槍を構え、1人は武装を解放、2人は爪と刀を心臓に向ける

しかし、そこにいるのは遺物要塞

反撃すらも受け切り、そのまま体を捻ることで空気の刃を作り出す

周りにいた特級探索者級の実力者を簡単に吹き飛ばす


「くそっ!!」


いち早く受身を取ったアランが突貫する

しかし、振り下ろされた槌は不自然な程に急激に運動を停止した

そこには槌に向けて手をかざしている女の姿が

そのまま手を後ろに振るう


「はぁ!?」


アランはそのまま軽々と投げ飛ばされる


「ねぇ!あれは何!?」


「神秘物の腕輪の効果だろう!」


次にルーニャと光粒が襲いかかる

しかし、神速の攻撃も難なく躱される


「はぁ、これでまだ半分の量しか付けてないというのだからね…困るなぁ…」


「喋るくらいなら!1発は当ててよ!」


そう…1発もまだギンギラ女には当てられない

541の身体能力は特級探索者の実に数十倍と言われており、半分の量の遺物装備の現時点でも特級探索者の攻撃を軽々と避けるほどの身体能力があった


「能力解放!」


「異能解放!」


「武装完全解除!」


交差、平行、猋の3人が自身の持っている人外の力や未来の力を行使する

その矛先は541へ

しかし、その力も神秘の力によって止められる


「火力全開!」


そして全員が後ろに避けた後、セイラが持っている銃器を全開放、ガトリング砲や対空砲、対物ライフルにRPG、機関砲、迫撃砲が全発射される

爆発が起こり、煙がたつ

全員、警戒を解かずに武器を構える


「はぁはぁ、やった「おっとそれは言わせないよ?」ええ、…そうね」


「もう…弾薬が底を尽きかけてるよ…」


「俺も腕が震えてるよ…筋肉の使いすぎだぁ…」


煙が晴れ、そこには541はいなかった

そして全員足の力が抜けたように腰を下ろす


「さて…」


おもむろに猋が自身の武装を構える


「はぁ…やはりね…」


セイラが予備のハンドキャノンを取り出す


「「ふふふ…休戦は終わりだ…」」


交差は爪を研ぎ、平行は刀を構える


「こりゃ明日は筋肉痛だな…来いよガキ共」


アランも大槌を構える

その場には先程までの緩い雰囲気はなく

互いの命を狙う殺伐とした空気へと

しかし、張り詰めた空気は2人の言葉によって驚愕に包まれることとなった


「待ちたまえ…」


「待って…」


その言葉を発した2人に目線が集中する

互いに攻撃が仕掛けられる体勢で目線を向ける


「「まだあいつ(451)との戦いは終わってない(よ)…」」


その言葉と同時に露出した地面から何かが盛り上がる


「おい…嘘だろ…」


それは手だった


「はぁ…もう歳なのにキツいよ…」


その手には指輪と腕輪がつけられていた


「吾輩は早く盟友のところに行きたいのに…」


「儂もじゃよ交差よ」


そしてその手は地面を掴み、這い上がってくる

そして先程まで見ていた全身を再度見せつけられることになる


「ねぇ?アナタ、ここに下には何があるの?」


「541の装備庫…つまり遺物の倉庫だね」


先程までの実験衣ではなく、地面から這い上がったはずなのに汚れを一切弾いているその服は神秘的な雰囲気をまとっていた


「てことは…あれが完全体ってこと?なんか剣も持ってるわよ?」


「そうだね…しかも先程までの知性の感じない動きや唸りも見せない…つまり…」


「……あなた達、誰?」


「喋った…」


「これはめんどくさい事になったね…」


先程まで獣のような動きを見せていた451は非常に落ち着いた理知的な様子を見せ、言葉を発した


「彼は…彼はどこ?」


そして周りを見回し、何かを探すように呟く


「あ…あ゛あああ…彼がいないと…私…私…ああああああああぁぁぁ!?どこ!?どこどこどこどこ!?」


「気をつけて!来るわよ!」


「戦闘準備!ラウンド2だ!」


狂乱し、突撃してくる451

ルーニャと光粒は仲間に指示を伝え、前進する

3人がぶつかり合う…ということは起こらず、部屋が何者かに切り裂かれた

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

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