88話〜トロフィー・称号・バッジetc…欲しいよね?〜
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
???side
ドサッ
死んだ私が回収される
「はぁ…本体の死体取られてるから死体再利用しないとね〜」
私と同じ顔をした私が死体を綺麗にしながらそう言う
「ね〜てかこの頃彼居ないよね?こんなになるなんて〜彼以外には殺されない筈だし〜」
傷に何かを塗り込む私が愚痴る
「この個体は罠にかかって死んだらしい」
「「「雑魚ww」」」
同じ顔をした私たちが同じ声同じ喋り方で全く同じことを言う
(はぁ…なんでこんなことに…)
「ん?どうしたNo.548000?」
どちらかと言えばキリッとした顔の私が私に聞いてくる
「いえ…大丈夫です」
「遠慮するな。同じ人間、助け合ってこそだろう?」
キリッとした顔の私は私の肩に手を置きながらそう優しく言ってくる
「隊長〜wwそんなこと言ったら全員同じ顔なんですから〜ww」
「そうだったな。ハッハッハ!」
死体の処理をしているとは思えない軽い笑い声が起きる
そう…私たちは全員が同じ顔をしている
同じ身長に同じ声、同じ体重に同じ胸の大きさ
所謂クローンというものだ
まぁ、今は本体を奪われているので量産出来ずに死体の使い回しが行われている
(はぁ…彼、元気にしてるかなぁ……)
私は黄昏れる様な体勢で彼に想いを馳せる
「あ〜!なんか私が恋してる目してる!」
「えー!ホントだ!」
私の中でも恋愛に興味の強い私が私に絡んでくる
その声を聞いて他の私も集まってくる
「あら?私、あの人に恋したの?まぁ、本体が死んだ後に恋してたからね〜しょうがないわね〜」
少し長く生きている私がそう言ってくる
「そっか…本体の私は、彼に殺されたのか…」
私の遺体……そう…元々の私は彼に…殺された…
そんなこと…そんなことって…
「「「「「「羨ましいなぁ〜」」」」」」
そう…羨ましすぎる
私たちはまだ何者にもなれてないのに
なんで…
本体だけじゃない…少なくとも1万体の私たちは彼に殺されている
その私たちは「彼に殺された女」なのに…
私たちは何?
私たちは?
私たちは……
「ねぇ、実………」
私たちに意味を与えてくれるよね?
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???side
「実験データ……はぁ…んなの今あるわけないじゃない!」
(はぁ、クソね…)
今、私は無能な上層部からの実験データの催促にうんざりしていた
(あんた達が彼を逃がしたからでしょうが!)
そう…今進めている実験、「強度X計画」
探索者同士の戦いや探索者の殺害には経験値の発生が伴うという仮説を基に多くの探索者を擬似ダンジョンに閉じ込め殺し合いをさせることで強度Xを造り上げようという計画である
「まぁ、元々こんな計画叶うはず無かったのに…」
そう、まず擬似ダンジョンに多くの探索者を閉じ込めるという前提すら難しいのだ
しかし、その前提を覆す3人の協力者が現れた
『その計画…参加させたい人いるんスけどいいっスかね?』
『大量の探索者、用意してあげよう。なに、対価は彼を強くすることさ』
『もう…私は何者でもない…何者にもなれない…でも、何か…誰かになりたいの…』
「ははは…まさかここまで都合よく進むとはね…」
そう…計画は順調だったのだ…なのに…なのに……
「あんのクソ共がッ!!」
そう…私が研究室を少し空席にしていたばかりに見学に来ていた無能どもが彼を解放してしまったのだ
「何が『解放した方が楽しめる』だよッ!?解放したら全部台無しだろうが!」
そう…擬似ダンジョンの中で同じ人間を殺し続けさせることで上質な単体の経験値を獲得させることがこの研究の本質でありただ殺させるだけでは無いのだ
しかも擬似ダンジョン内の限られた空間だからこそ彼のみが彼女を殺すという計画だった
しかし今は彼は擬似ダンジョンから解放され、彼女達も彼以外に殺されることを望まず不可能なために計画は頓挫してしまった
「はぁ、早く見つけないと…せっかくもう少しで私のものになったのに…」
計画の合間に私は彼とコンタクトを取っていた
何人も同じ女から愛を囁かれ、殺されかけ、殺した彼は精神を病みかけておりその時期に優しく接するポジションを私は確立していた
そしてもう少しで私に依存しそうな時に無能達がやらかし、彼は解放されてしまった
「まぁ、彼も整形はしてないだろうから…このままスキャンかけてきますか〜」
科学に狂った女は口を歪め、自身の所有物を探し求めていた
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???side
―どーも!???っス!―
―いや〜まさかここの話をするとは思いませんっスよ〜―
何も無い虚空から何かが話してくる
それは段々こちらへ歩いて来る
その姿は黒い髪に糸目、落ち着いていそうな雰囲気を持ちながらも溌剌とした印象を与える
―ハハーン?ウチのこの魅力にやられましたっスね?そうっスよね?ハハハ!やっぱウチ最強!―
その女性は猫のようなドヤ顔をしていた
―あ!今変なこと考えてたっスよね!?まぁ、この美貌を目の当たりにしたら仕方ないっスけど…そーいうのは実にしてほしいっスね〜―
―まぁ!今はそんなことどーでもいいっスね!今はこのお話の補足っスよ!―
女性がそう言うと虚空に何かステータスのような画面が浮かび上がる
―あら!見えなかったとこが見えるようになってる!こりゃ見るしなねえっス!―
そういい虚空をスクロールするように手を動かす女性
そこに書いていたのは2つ名や称号、バッジにトロフィーだった
―え〜なんかえげぇこと書いてんっスね〜―
―読み上げんのめんどいんで勝手に読んどいて〜んじゃ〜ばいばーい―
女性が消える
そこに残っているのはステータス画面だけ
私たちはその画面に目を向ける
2つ名:射手殺し
田中実
Lv???
職業:召喚士
AP:450
BP:450
MP:450
SP:15
FP:150
スキル:不明
パッシブスキル:魂の囁き(効果:戦闘時にどこからか魂の寝言が聞こえるようになる)
ユニークスキル:無し
適正:魔術SSS
陰陽術E→SSS
呪術E→SSS
法術SSS
武術SSS
トロフィー
射手を初めて射止めた者(???を初めて殺す)
射手に愛され憎しまれたもの(???から攻撃され、その後に殺す)
射手を貫きし者(???を突き殺す)
射手を刺し者(???を刺し殺す)
射手を溺れさし者(???を溺死させる)
射手を殴りし者(???を殴り殺す)
射手を斬りし者(???を斬り殺す)
射手を虐殺せし者(???を大量に殺す)
バッジ
射手のグラディウスI(人間に1000ダメージを与える)
射手のグラディウスⅡ(人間に2000ダメージを与える)
射手のグラディウスⅢ(人間に3000ダメージを与える)
射手のグラディウスIV(人間に4000ダメージを与える)
:
射手のグラディウスM(人間に1000000ダメージを与える)
射手のピルムI(人間を100人殺す)
射手のピルムⅡ(人間を200人殺す)
射手のピルムⅢ(人間を300人殺す)
射手のピルムIV(人間を400人殺す)
射手のピルムⅤ(人間を500人殺す)
:
射手のピルムC(人間を10000人殺す)
称号
射手殺し(???を殺す)
射手の初めて(???を初めて殺す)
射手狩り(???を2人以上殺す)
連続射手殺人鬼(???だけを殺す)
読んで頂きありがとうございます
読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです
今回のお話は完全なる自己満です
まぁ、この後ちょくちょく絡めたいなと思ってます
因みにこの話が物語の中心で、実際のところこの射手と呼ばれる人物と主人公の物語を描きたいがために他の物語は存在しています
では、また次のお話で!




