68話〜裁判編……開始!〜
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
主人公side
「〜以上によって被告人は永田吾郎から聖遺物を奪い、私有化したものとして探索者ライセンスの取消及び禁錮50年を要求します」
(なんでこうなった……)
俺は今、何故か裁判所にいた
何故このような場所で鎖でグルグル巻きにされたのか
それは今から5日前に遡る
………………………………………………………………
5日前
(ここで……こうして……こう!)
「というか、アナタがミノルから離れなさいよ。ミノルはワタシの秘書探索者なのよ?ワタシと一緒にいるのが当然じゃない?」
(待ってここ待たれるのかよ!しかもコンボ入ってるし……)
「いやいやいや、貴女こそ離れてよ。ミノルは私を倒して、私を屈服させたの。分かる?これはもう婚姻の儀を済ませてるのも同然なんだよ?なのに間女が図々しく離れろだって?冗談無いわ。」
「負けた……」
「アナタこそ間女じゃない!」
「それは貴女よ!」
「お前ら……」
俺は先程までプレイしていた格ゲーのコントローラーを置き、隣にいる奴らを見る
隣では、アンドロメダと白い少女が口喧嘩をしていた
「てか、なんでアンドロメダ居るんだよ」
「そうよそうよ!間女はシッシッよ!」
俺は平日の昼間に何故か俺の部屋にいるアンドロメダに問いかける
白い少女はそれに乗っかる形で野次を投げる
「間女じゃないって!あのねミノル……そ、それは……その…深い深〜い理由がね?」
「お前、サボってきたろ学校」
「ひゅ〜ひゅっひゅ〜ひゅ〜」
「下手な口笛だな」
アンドロメダは図星だったのか冷や汗をかきながらそっぽを向いて下手な口笛を吹く
「そ、それよりも!アナタはなんで来ないのよ!」
アンドロメダは体のいい身代わりを見つけ、話をすり替える
「ああ、俺今停学中らしいんだよ」
「は?」
そう、俺は今停学中なのだ
退院後、スマホに届いていたメールに停学の旨が書かれていたのだ
「何……それ……ワタシ知らない……」
アンドロメダは暗く黒い目をしており、その時の雰囲気はおどろおどろしかった
「いやそりゃ1学生に教えるもんじゃねぇだろ」
「でも!ワタシの秘書探索者なのよ?それならワタシに報告する義務はあるわ!」
アンドロメダはそう言うとスマホをおもむろに取りだし、何かを打ち込んでいく
「アンドロメダ?何を……」
「これでよし!今、学校に抗議文を送ったわ!」
ドヤ顔でとんでもないこと言うアンドロメダ
「お前……」
「ふふっ……褒めていいのよ?」
言い淀む俺に下から見つめ、俺の伸ばしかけている手に頭が当たるような場所に移動するアンドロメダ
俺はその頭を…………思いっきり叩く
「ギャウ!?」
アンドロメダは涙目になりながら頭を抑える
「何でよぉ…」
「何やってんだ!サボりがバレるぞ!?」
涙目で睨んでくるアンドロメダに俺は思ったことを言う
「へ?」
「いや考えれば分かるだろ。体調不良で早退したはずの生徒が知らないはずの俺の停学を抗議なんて……お前明日先生に詰められんぞ……」
俺はアンドロメダにジト目を向けながら説明する
アンドロメダは何が分からないのかポカンとしていた
「え?いや……だって……」
「いやいや俺のせいでお前が先生に怒られたらこっちも気分悪いって」
「あう……」
アンドロメダは何か言い募ろうとしていたが、俺の完璧〜な理論によって何も言えなくなる
「だからな俺のことはそんなにしなくても「うっふふ……」へ?」
俺が〆ようとした時、急にアンドロメダが笑い出す
「ふふふ……あっはははははははははは!」
目を閉じ口をかっぴらき、腹を抱えながら笑っていた
今度は俺がその光景を理解出来ずにポカンとする
「いや……いやいやいや……普通感謝するでしょ……それを……ワタシが怒られるとミノルが迷惑……ハハハッ……アッハハハハ!」
何がおかしいのか俺の言ったことを繰り返し笑う
笑う笑う嗤う
「ああ……笑ったわ……笑ったわ……アッハハ!」
数分間笑った後、アンドロメダは俺の部屋のベットに倒れながら余韻に浸っていた
「もう終わりか?しこたま笑いやがって」
「ええww笑ったわよwwああ……やっぱり面白いわね……見つけて良かったな……」
俺の問いに答えたアンドロメダは何かを呟きながら満足そうに目を瞑った
「ねぇ、ミノル……」
「なんだよ」
アンドロメダは俺の顔の近くにより、俺の横顔を眺めているのか顔を凝視しながらそう言ってきた
「ありがとね?ワタシの秘書探索者になってくれて」
ピンポーン
「ありがとね。ワタシを楽しませてくれて」
ピンポーン
「ありがとね。ワタシの停滞を壊してくれて」
ピンポーン
「ワタシね……アナタのこと……」
アンドロメダが何かを言いかけた時、俺の家の玄関が蹴破られる
そして武装した人間がゾロゾロと侵入してくる
「アナタ達誰!?」
先程までトロンとしていたアンドロメダが颯爽と戦闘体勢に入る
「「恒星」、貴女と我々は争う気は無い」
黒いドクロマスクをつけたアサルトライフルを所持したやつは、アンドロメダに交戦の意思がないことを示す
「なら、この行いは何?ワタシの秘書探索者の家よここは」
アンドロメダはその言葉を真とは受け取らず、未だ戦闘態勢を解かない
「はぁ……ここまで毒されていたとは……この毒虫め……」
「あ?」
黒ドクロは俺の方を向きながら毒虫と言ってきた
「「恒星」は毒で正気では無いようだ。プランC実行」
黒ドクロがそう言うと後ろからいくつかの何かが投げられ、その何かからガスが溢れ出す
「お前……何を……」
「ミノル!……よ!…………で!」
「アンドロメダ?何……を……」
(あれ?足?なんで?地面?)
アンドロメダが叫んだと思った瞬間、俺は膝をつき地面に倒れ込んでいた
体に力は入らず、思考も回らず、機能しているのは感覚だけだった
「……!?…ル!アナ……!やめな……!…………!」
「…保……つは……ま……意識……一発……いか」
男はそう言うと俺の顔目掛けて足を振る
「ッ!?」
顔面にトーキックが入り、鼻の骨が割れる
「…みろ……野郎め……てけ!」
(寝みぃ……)
俺は誰かが体に何かを巻き付けている感覚を最後に深い眠りに落ちた
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では、また次のお話で!




