表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/96

67話〜過去の真実〜

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

坂田side


(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……)


俺は今、バカでかい目の前でグルグル巻きにされている


(なんで……俺の人生は完璧だったはずなのに……)


俺は今まで順風満帆の人生を送っていた

どんな科目もスポーツも少しやれば1位を取れた

女も少し優しくすれば直ぐに俺の方へ傾いてきた

嫌いな奴は根回しをして消した

自分ではどうしうよもない奴は父さんに頼んで消して貰った

俺はこの世界の主人公なんだ……

そう、探索者になって特級まですぐに行って、女に囲まれる生活

同じチームにいる渚…濱上渚も俺のものだ……

そう思っていたのに……

あいつのせいで……

渚がチームに入れたいといった田中実

最初はどうでもいい木っ端だった

しかし、落とそうと思った女が揃いも揃ってあいつに惹かれて行った

あいつに構われず、落ち込んだ所を慰めようとしてもその女たちは諦めるどころかさらに執着していった

遂には渚まであいつにメスの顔を見せるようになった

邪魔になったんだ……

邪魔になったからあの時消そうとしたのに……

なぜあいつはまだ生きてる……なぜあいつはまだ探索者になっている

なんであんなやつが「恒星」達の秘書探索者になっている……

退け……そこは俺が居るはずの場所だ……


(だからまた貶めようとしたのに……なぜ……俺はこうなっているんだ……)


俺は答えの見えない問いに耽り、そして考えるのをやめた

…………………………………………………………………

セイラside


〈今からEEI第1学年A組坂田トキワへの真実の目(トゥルーアイ)の使用を開始します〉


今、ようやく坂田への尋問が開始される


(まぁ、これは尋問なんて生易しいものでは無いがね……)


そう、この「真実の目(トゥルーアイ)」とは頭の中を抉りだし、過去を侵すという倫理観的観点で使用が躊躇われる聖遺物である

そしてその聖遺物を使用した尋問とはこの世で死刑よりも恐ろしいと言われている


「……っ!?ヤダ!?やめてくれ!!あぁあああ!?」


坂田は呆然としていた状態から急に目を覚まし、錯乱しながら暴れていた


「うわぁ……やっぱアレエグいっすね……」


アランは涙を流しながら錯乱する坂田を見てドン引きする


「ふんっ……ミノルの仇よ……ふふっ」


エーリは苦しんでいる坂田を見てほくそ笑んでいた


「っ!!おい!出たぞ!」


坂田への聖遺物の使用が開始されてから数分後、坂田はグッタリとし、「真実の目(トゥルーアイ)」から光景が写し出される


そこには他人から奪った女を侍らせている様子や気に入らないやつを貶めている様子、父親にお願いして社会的に破滅させている様子が映し出された


「ふんっ……低俗だね」

「これはゴミだわ……」

「最っ低……」


そして1年前に遡り、私たちの求める場面が写し出される

そこには顔は見えないが坂田のもう2人が後ろからミノルを刺し、そのまま奈落に落としていた


「これは……黒だね……」

「他の2人って庭と永田だよな?」

「こいつら……アタシの下僕を……」


僕たちは親の仇のようにその映像を睨んでいた

その後、何かに手をかけようとした映像が流れる

しかし、ここで急に映像が打ち切られ、退場を促され

……………………………………………………………


ドームから出た後、僕たちは帰りの車の中で先程見た光景について話していた


「やっぱりアイツらの話は嘘だったな」


アランがミノルの資料を見ながらそう呟く


「なんなら下僕のことを後ろから刺してたよ!酷いわねあいつら!」


エーリが手を強く握りながらそう言う


「まぁ、このデータがあれば彼の汚名は晴らせるね」


私は胸ポケットに挿してあったボールペンを取り出す

しかし、それは僕が最初に挿していたボールペンではなかった


「何!?」


「どうしたマスク!」

「敵襲!?」


僕の叫びにアランとエーリが反応する

そして僕が見ているボールペンに視線が集中する


「それ、カメラ入りだよな……まさか!?」


「ああ、君の思った通りさ……」


「すり替えられた……証拠がなくなってしまったよ……」


「そんな!?いつ誰が!」


エーリは僕の言うことを信じられないのか目を見開きながらそう叫ぶ


「いつ……出てからは僕は誰とも……」


僕は1日を振り返るが自身に触れた者など……


【平凡なる探索者によろしくとお伝え下さい】


「っ!!あいつか……」


「誰だか分かったのか?」


「ああ……僕としたことが、あのような古典的な手口に引っかかるとは……」


「誰だよマスク!」


「あのぶつかってしまった麗人さ」


「っ!?あの綺麗なお姉さんが……」


アランは信じられないという顔をしていた


「ああ……恐らく坂田側の人物だろうね……しかもかなりのやり手だ」


「はぁ……これで下僕の無実を証明するのはまた一からになったわね……」


エーリはそう呟き、膝を抱える


「まぁ、証明出来なくてもこれから実績を上げてけば大丈夫だろ」


「そうだね。何せ僕らの選んだ秘書探索者なんだ。そんな過去の話、直ぐに挽回するさ」


そう……彼は平凡だと自他ともに認めている

しかし、彼の本性は平凡なんてものでは無い……


(君は……何を隠しているんだろうね……ミノル)


僕は頭の中でミノルに問いかけ、そのまま夢の世界へと飛び立った

…………………………………………………………………

毬毬side


「……はい。セイラ・マスクの所持していたボールペンはすり替えました。ええ……解っています。はい。それでは。」


私は本国の四凶の長との電話を切り、そのままベットに横たわる


(あの記憶が世間に流れたら……彼は汚名返上出来るでしょうね……)


そう、あの記憶は彼の評価をひっくり返す材料になるだろう

しかし、それでは本国に都合が悪かった


(2学期からの転入か……)


私は上層部から伝えられた自身の設定の資料を読み直す


(今回の任務は田中実の監視及び籠絡又は拉致……)


このような任務は何度も行ってきた

しかし、今回は何か違和感があった


(いや……気のせいだ……きっと……)


「全ては本国のために……」


私は子供の頃から刷り込まれてきた呪いのような言葉を呟き、眠りに落ちた

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ