31話〜森羅掌操〜
こんにちは
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
「森羅掌操!」
俺は感じる全ての鉄塔や車、電柱に念じ、化け物女に向かわせる
[いいぞ!そこだ!そうそう!今!]
万暦は後方腕組み指示厨のようなことを言いながら楽しそうにしていた
(うるせぇ!静かにしろ集中出来ない!)
「森羅掌操」は集中力を要するのだ…頭の中で騒がれるとたまったもんじゃない
[ふんっ!私の力を使わせて貰っているのに、何様だ!これくらいは楽しませろ!]
万暦は反省する様子も見せず騒ぎ続けた
(ダメだなこりゃ…まぁ、化け物女に集中するしか無いか…)
俺は万暦を黙らせるのを諦め、目の前の化け物女に目を向ける
「うふふっ♡アハハッ♡」
化け物女は顔を紅潮させながら俺の攻撃を避け続けていた
(まだ、足りないのか?)
化け物女は四方八方から来る鉄塔や車を避け続ける
化け物女には車とかを飛ばすだけでは効果は薄そうだ
[お前、センス無いな…]
黙っていた万暦が急に罵倒してくる
(黙れよ…そんなこと言えるならお前は違うんだろうな?)
[あ・た・り・ま・え…だろ?]
某クリステルの様なイントネーションで言ってくる万暦
(なら、教えろ…センスのあるやり方をな…)
[教えよう!…私の力の真髄を!]
俺は一旦化け物女から離れ、車などをバリケードにし、万暦の子の声に耳を傾ける
………………………………………………………………
???side
「……か?」
[……ですよ!]
イライラする
自分が最初に見つけたはずの雄が、寄りにもよって同類に盗られている
「……?」
[やっと…したか…早く…ろ]
まるで寄り添い合うように…番のように話しているのを見てイライラがさらに募る
「…早く殺そう…殺せばミノルは私を想いながら死ぬはず」
彼女はダンジョンから大抵の知識は手に入れた
しかし、前述した通り、知識とは知識単体では意味がなく、その使い方を知らなければ使い物にはならなくなるのである
ここで彼女が愚かであったらどれだけ良かったであろうか
しかし、彼女は賢かった
賢いために得た知識が間違った方向へ暴走することに拍車がかかってしまったのだ
「…だな?よし行くぞ」
[励むんだな]
どうやら二人は話し合いを終えたらしい
私の元へミノルは歩み寄ってきた
「…話は終わった?」
いけないいけない…不機嫌のあまり声が低くなってしまった
ダンジョンからの知識では雄は雌の高い声が可愛いと感じるらしい
「っん…っん…じゃあ、殺ろう?」
喉を鳴らし、声を整え、最愛の人へ笑顔を向ける
さぁ、私とあなたの逢瀬を始めましょう?
読んで頂きありがとうございます
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では、また次のお話で!
 




