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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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142/142

142話~救助~

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

実side


「セネカ大丈夫か?」


「ええ…ありがとうございます」


実たちはセネカの遺物によりまたダンジョンに戻ってきていた

魔法の余波によって飛んできたビルの残骸などを押しのけ、立ち上がる


「ここは…ダンジョンか?」


「すみません…あの化け物がこれなさそうな近場がここ周辺しかなくて…」


「いやいい。それよりも…なんか匂うな」


「血…ですかね?でも怪物種とは違う…」


怪物種に血は人間の血とはかなり違う

色は緑だし、匂いは鉄臭くなく逆に甘い

また、摂取することで仮想探索者遺伝子「DNJ」が活性化するという仮説もあるが、真偽は定かではない

今回の匂いは鉄

この匂いは人間の血からしかしない


「気をつけろ」


「はい」


互いに背を合わせ、ダンジョンを進んでいく

匂いの発生源の方向はすぐに分かった

所々に血が付き、無惨にもバラバラにされた遺体がそこら中に散らばっていた


「惨い…怪物種はどこだ…」


「おかしいですね…あの顔は探索者です。前にあった表彰式で見ました」


そこには表彰式に呼ばれるクラスの力を持っている人間もいるらしい

しかし、そうなるとさらにおかしい

何故探索者がいたのに怪物種の血が一滴もついていないのか


(まさか概念種か…いや…あんなのがポンポン出てくるなんて…)


「ッウ…誰か…」


「誰かいるのか!?どこだ!?」


「助けてッス…」


死体の山に下敷きにされている女性

こちらに伸ばしていた手を引き、引きずりだす


「セネカ!こっちに生存者だ!」


「ッ!これはひどい…待ってくださいすぐに助けます!」


セネカの遺物が光る

痛々しい傷は消え、女性の顔色も良くなる

女性は起き上がり、体の様々な場所を見ていた


「大丈夫か?」


「大丈夫で…ッス。感謝するッス」


手で前髪を弄り、内股でもじもじする女性

実はその動作に気づかず、反対を向き歩き出そうとする


「それは良かった。なら早く行こう。ここは安全とは言い切れないからな」


少し呆気に取られた表情をした後、ムッとする女性


「分かったッス。じゃあ失礼するッス」


「え?」


「はぁ?」


そして、女性はおもむろに実の横に近づき、右腕に絡みつくように抱き着く

実は呆気に取られ呆然とし、セネカは救助者ということを忘れたのかものすごい勢いで近づき、女性を投げ飛ばそうとした

しかし、女性はひらりとした動きで避け、そのままクスクスと笑いながらまた実に近づこうとする


「ちかづくなぁぁぁぁぁぁ!」


それをセネカがまた襲い掛かり止めようとする


「ッ!?ダメダメ落ち着けセネカ!」


「はい落ち着きます」


「うわぁ急に落ち着くなよ…」


「それはさておき、主様なぜ止めるのです。この女…いや雌は要救助者ではなく駆逐すべき雌畜生ですよ。早くしましょうええそれがいい!」


「ひどいッスねぇ…てか、主様ってなんスか?痛々しい…そんなこと言われても困るだけでしょ…ねぇ?あなた田中実さんですよね?アナタも困ると思うッスよね?それに…彼女私に酷いこと言ってきますし…慰めてくれないんスか?」


左右から迫ってくる2人


(なんでもいいから助かる言葉教えてくれ!)


[もう無理ポ(^▽^)/]


(くそが!)


[声]も役に立ちそうになく、実は自身の頭で導く出そうとし、


「主様!」


「田中実!」


「早くしましょう!」


「困ってるッスよねぇ!?」


(あ…無理だ…)


実は考えることを辞めた

そして、詰め寄ってくる2人の頭に思いっきり拳を振り下ろした


「痛い!?」


「ッス!?」


2人は頭を押さえ、その場に蹲る

拳骨を行った当人はその間を通りぬけ、上に繋がる階段に進む


「ほら!早く行くぞ!」

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

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