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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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140/141

140話~氷河期の概念~

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

実side


「あれは…」


思い出したくない記憶

自身の居場所が奪われた苦々しい記憶

その原因とは言わずも思い出させるには十分な存在がセイアさんのいたところから現れた


「主様…あ、あれは…」


「概念種だ…「氷河期の概念:ニーベルンゲン」…いるだけでダンジョン一個を氷の世界に染め上げた」


ニーベルンゲン…シロの本当の姿であり、自身で数年前に屠ったはずの化け物であった

魔女のような服装をした青白い女性型の体が凍営の上に乗っている

右手にはステッキを持ち、左手には何か本のようなものを持っていた

そして…胸元には小さいナニか…セイアが下半身と両腕をニーベルンゲンに呑み込まれ、まるで磔のようになっていた


⁅ハハハ!ようやく出れたぞ!外の世界に!⁆


巨大な声が木霊する

ニーベルンゲンは手を広げ、空を仰ぐ


⁅我はようやく檻から解き放たれたのだ!この時を何千年待ち続けたか!⁆


更に強くなる吹雪

そして、ニーベルンゲンはジロりと実の方を向いた


⁅それに…憎くて憎くて仕方がない探索者もいることだしなぁ?そうだろう田中実?⁆


「お前はシロか?」


⁅シロ?ああ!あの小娘か!我が力から離反した欠片のくせに我を乗っ取ろうなど笑止千万!⁆


「シロはどこだ?」


⁅あやつならもう喰らった。紛い物が本物に勝てるわけなかろうに⁆


(喰われた…あいつが?)


実はニーベルンゲンのいうことにいまいち納得が行っていなかった

何故ならセイアの体にシロのものと思われる魔力が巡っているのを感じていたからだ


(何故…ニーベルンゲンは言い切った?感じられなかったのか?いや…そういうわけじゃない…なら…まさか)


「………」


⁅ほう…何も言わないのだな…⁆


ニーベルンゲンは何も言わない実に怪訝な顔をする


⁅昔は我らが多くの人を傷つけていると怒り狂っていたのに…身内にはそのような感情は湧かないのかえ?⁆


「いや…ただ嘘が下手だなと思ってな」


⁅何?⁆


「お前は前もそうだった。強い力に誇りとプライドを持ち、無駄な駆け引きが嫌いだったよなぁ?」


⁅フン…⁆


「なのにお前は今回嘘をついた…何故か当ててやろうか?」


「お前は俺を怖がったんだ」


⁅何だと?概念種である我が人間如きを怖がるだと?ふざけるのも大概にしろ人間⁆


吹雪が強まる

吸う空気が喉を突き刺すような冷気

しかし、実は舌を回す


「いや…お前は恐れているさ」


⁅何を証拠に!「なら何故お前はセイアさんを生かしている?」…ッ⁆


そう未だ捕らえているセイアがニーベルンゲンの恐怖を物語っていた

そして主導権を奪われたシロもセイアの体に憑りつき、力を渡さないように妨害しているのだろう


「そうだよなぁ?だって…お前は俺に殺されたんだ。そりゃビビるよなぁ?」


⁅貴様ぁぁぁぁぁぁ!⁆


激高したニーベルンゲンは氷塊を飛ばしてくる

それを後ろに跳び退いて避ける実


「主様…討伐しますか?」


「ああ。てかなんでかとか聞かねえのか?」


「ええ。貴方様の行くところは私の行くところ。冥界まで永らくお傍におりますともええ!」


暗い、ドロドロとした光を宿した目で語るセネカ

その目はお世辞にも良い状態とは言えなかったが、その顔には憂いは無かった


「そうか…じゃあ力を貸してくれ」


「!!!~~~~ッ!はい!喜んで!」


⁅あああ!殺す殺す殺す!⁆


[特殊イベントAルート:「雪解」開始]

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

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