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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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136/139

136話~バッドエンドキャンセル~

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

???side


ギャギャギャ


「おいこっちだ!」


「早くしろ!」


悲鳴があちこちで起こっている

怪物たちが跋扈し、人が次々に死んでいく


「ここに入れ!」


目の前で一般人であるはずの男が怪物に石を投げ、怪物が怯んだすきに助ける


「閉めろ!」


扉が閉められる

外からは怪物たちの唸り声が

扉からは怪物たちの体当たりを防いでいることによって軋む音が聞こえる

一般人の彼らがここまで戦っているんだ…自分も戦わなければ…


「おいあんた!怪我してんだから休んどけって!」


近くにいた男性に肩を抑えられ、強制的に座らされる


「自衛隊の矢野です!療製注射を持ってきたぞ!」


先ほど扉を閉めた男性がこちらに走ってくる

その手には水色の液体に満ちた注射器を持っている


「頼む!この人右手がねえんだ!」


「流石に欠損は直せないが…傷は塞がる…」


首筋に刺される注射器

少し心臓の鼓動が早くなり、体が熱くなる

流れていた血が止まり、呼吸が楽になる


「ありがとう…」


「まだ腕の傷は塞がってないんだ…あまり喋るな」


軍人が二本目の注射器を刺そうとしたとき、扉が破られる

怪物たちがなだれ込んでくる


「総員!撃てぇぇぇぇぇぇぇ!」


扉の前にいた軍人たちが銃を乱射する

銃弾は怪物たちを貫き、次々に仕留めていく

しかし、何体かはうち漏らされたようで前線を避け、こちらに近づいてくる


「ッ!神よ!子羊を守り給え!」


自身の遺物の力を最大限に展開する

しかし、数秒もせずに破られる

怪物の爪が子供に迫る


「ッ!ダメ!」


駆けだそうとするが、足に力が入らなかった

迫る爪がスローモーションで目に映る

だが、子供の顔を裂こうとした怪物は横を通り過ぎて行った銃弾によって撃ち抜かれる


「あ…」


「あんま無理しないでくれアストラ・セネカ!あんたは今、探索者じゃなくて怪我人なんだ!」


「ぁ……」


軍隊の1人からかけられた言葉に伸ばしていた手から力が抜ける


「おい!誰か彼女を後ろに連れて行ってくれ!」


その言葉と共に後ろに引きずられていく

抵抗する力も湧かない

段々押されていく前線

怪物の爪や牙によって奪われていく命

再度前線が崩壊し、ついには目の前に怪物が来る


「神…よ…お…助けを…」


脳裏に蘇るは子供のころからさんざん見せられた聖像と昔にみた輝かしい恒星

しかし、脳裏に合っても今なければ意味が無かった


「ああ…」


(神なんて…この世には…)


振り下ろされる腕

神は現れず、恒星は見えなかった

鋭い爪が体を引き裂こうと近づいてくる


「…!」


先ほどの軍人が何かを叫びながらこちらに走ってくる

その後ろから大口を開けた怪物が現れる


(ああ…死にたくない…)


本音が漏れる

目の前に使づいてくる死を感じ目を閉じる


「……?」


痛みは訪れなかった

代わりに聞こえてきたのは


「…ハハハハハ!」


頭がおかしくなったのかもしれない

この状況で笑える人間なんていないはずなのに

汚い…しかし、どこか安心する笑い声が聞こえる

恐る恐る目を開くと軍人が視界に入った


「おい!大丈夫か!」


「ええ…今のは?」


「分からない…いつの間にか怪物が消えていた…」


どうやら軍人にも見えなかったようで、周りを見回していた

そして、扉の方を向き固まった


「どうした…の…」


セネカも同じ方向を向き、固まる

そこには…


「ギャハハはHAHAHAッ!」


そこには気味の悪い仮面を付けた男が怪物を蹂躙していた


「なんだ…あれ…」


軍人は顔を顰め、少しづつだが後ずさりしていた

腰にある拳銃に手をかけ、完全に怪物を目にした時の行動をとる

しかし、セネカには違うように見えていた


「綺麗…」


「アハハHAHAHAッ!!」


怪物の首を手で捥ぎ、腸を掲げる男が


「神様…」


まるで子供の頃に見せられた聖像のように思えた

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

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