129話~災害~
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
アンドロメダside
「ルーニャ!後ろだ!」
セイラの言う通り、後ろに剣を突き出す
ギピッ!?
醜い声が聞こえ、重い何かが剣に乗っかる
それを地面に落とし、血をぬぐう
「…大丈夫かい?」
「ええ…体は軽いわ」
その言葉を聞いてセイラは顔を曇らせる
なんで?なんで悲しそうな顔をするの?
ワタシは戦える
ワタシはみんなを照らすんだから
「あ!あの!助けてくれてありがとうございます!」
「流石「恒星」!ありがとう!」
「「「「恒星!恒星!恒星!」」」
声援を背に受け、前に進む
これでいい…これが最善なんだから
「さ…まだ助けを待っている人たちがいるわ」
「ああ…分かった」
手元の端末を覗き込む
そこにはチームメンバーの心拍数など身体情報を写していた
メンバーは戦っているのか交戦中と書かれている
しかし、1人、1人の生体情報が更新されない
【田中実…心拍停止…死亡】
その画面を消し、目じりからこぼれそうなナニかを拭う
「アタシは「光」…みんなの道しるべ…近くに居たら焼き焦がれちゃうから…」
その道は光の道
下にある無数の道は照らされる
しかし、光の道が進む先は光を飲み込むどす黒い闇だった
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チオリside
「ねえ、ルーラー?私たち医療室にいたわよね?」
「そうだねぇ…てか…一般人もここに連れてこられてるのかな?」
後ろで岩の影で隠れている一般人に目を向ける
「もう大丈夫ですよ!」
まだ怖いのかビクビクとしながらも岩陰から出てくる
そして周りを見渡し、顔が安堵に染まる
「凄い!」
「ありがとうございます!」
「あなたが来てくれてなかったら…私たち…ううっ…」
みんな腰を下ろし、互いに抱き合っている
「チオリ…いつものやっていい?」
「まぁ…一般人に危害が及ばなければ…」
「だいじょ~ぶだいじょ~ぶ…多分……じゃ!やるぞ~!」
ルーラーはそういうと一般人の前に立ち、荘厳な雰囲気で言葉を発した
≪聞きなさい…貴方たちは元の場所へと戻るの…≫
ルーラーがそういうと一般人の姿が少しずつ消え、完全に霧散した
「これで完全に帰ったはず…だよ?」
「はぁ…今度こそ必ず教えてもらうからね」
呆れた様子ながらも慣れたかのように接するチオリ
ルーラーは心底心地よさそうな顔でチオリの方へと歩く
しかし、急に溢れ出したプレッシャーに足が止まる
「ねぇ…なんか…まずい?」
「ええ…最悪よ…」
奥から溢れるプレッシャーはだんだん近づいてくる
「やれるかな?」
ルーラーがいつもとは違う不安げな様子で呟く
「やるしかないわよ…やれなくても…生き残らなきゃ…」
チオリも顔を青くしながら震える手を抑え、武器を構える
「絶対生き残ってやる…」
体は震えども…その生きざまはまさに探索者であった
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???side
巻き込まれた一般人の団体の1つ、その中にそれは混じっていた
―しゃー!来たぞー!ッス!―
―さ~てさてさて…ここは…よっしゃ!神位置キタコレ!—
ダンジョンの中で黒髪ストレートの糸目少女は雰囲気に似合わないガッツポーズをする
周りにいる人たちはその様子を見て、何人かの男が話しかけに行く
「おいてめぇうるせえぞ!」
―あ?—
「もしお前の声でバケモンが近づいてきたらどうしてくれんだよ!」
―うるさいなぁ…―
首根っこを掴みながら唾を飛ばす男に少女は気怠そうに顔を背ける
しかし、ナニかを思いついたのか手のひらを男に向ける
「あ?」
―インパクトは大事ッスよねぇ―
―てことであんたたちには死んでもらうッスー
「はァ「ギュピン!」
男の顔がねじれ、消える
血が吹きだし、周りを赤く染める
「キャああああ!?」
座り込んでいた女性が悲鳴を上げる
それが感染するように周りに広がり、人々は逃げ回る
―はぁぁぁぁ…うるせえッスよー
少女が手をふるった瞬間、人々は何かに裂かれたような跡をつけ倒れる
―さてさてさてこれで会場はセッティングOK!—
そして倒れ伏している人々の死体の中に潜り込む
―うーん!これはヒロインとの出会い方ッスね!―
まるで親が迎えに来るのを楽しみに待っているような顔で微笑む
―さーて…貴方なら助けるッスよね?—
顔に血を塗り、白い服を血で染める
それはまるで化粧のように、着付けのように見えた
そして、オンナの顔で微笑む
「ねぇ?田中実?」
読んで頂きありがとうございます
ダンジョンで死にかけてる?女の子居たら助けるよなあ?
読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです
では、また次のお話で!




