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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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128/136

128話〜開演〜

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

実side


「痛ったた…」


「大丈夫か?」


隣でまだおしりを摩るセイアに手を差し伸べる


「ありがとう…ごめんなさいねぶつかっちゃって」


「俺こそ急にあんな指示出してすまん」


「もうほんとに気をつけてよね!」


「「…あ、ああ」」


そして真ん中でプンスカ怒っているセネカに2人で目を向ける


「てか、さっきの遺物か?すげえな」


「そ、そう!?まぁ!神の御加護よ!ありがたく思ったなら祈りなさい!」


「ははは…カマサマアリガト〜」


「もっと心を込めなさい!」


ポカポカと殴ってくるセネカ

その頭を抑え、届かないようにする


「う〜!離せ〜!」


手をグルグル回しながら涙目で睨んでくるセネカに少し加虐心が湧いてくる

顔をふくらませ、さらに前に出ようとしてくるセネカの頭を撫でようとした時、ようやく摩り終わったセイアが話し始める


「さて…タナカミノル?この遺物について教えてもらえるかしら?」


「ああそうだな」


セネカの頭から手を離し、セイアに向かい合う


「アッ…」


「それで?この指輪は遺物?それとも聖遺物?」


「聖遺物だ。銘は「氷河期の聲(ニーベルンゲンの唄)」だ」


「名前からして氷結系ね」


「正解」


「それで?使い方は?」


「わからん」


「はぁ?」


実際分からないのだ

使う時はいつも戦闘中での無意識

しかも遺物本人の使用というイレギュラー中のイレギュラーなのだ


「ちょっと待ってろ…シロ!ちょっと出てこい!」


「なぁに♡あなた♡」


「「え?」」


セイアの指輪から急に出てきたシロに戸惑う2人

その2人を尻目にシロに話しかける


「なぁシロ?なんでセイアさんの指にハマってるんだ?」


「いや違うのよあなた!浮気じゃない!これは浮気じゃないの!」


「ほ〜ん。なら理由は?」


「この方があなたにとってもいいと思ったからよ」


どうやらシロは俺のことを考えて移ったらしい

俺が意味を聞こうとした時、フリーズから帰ってきた2人が声を上げる


「ちょっと待ちなさい!」


「ちょちょちょ…」


2人は頭が痛そうに手を当てながら話を遮る


「ああ…そりゃそうなるよな…」


「?何がおかしいのかしら?」


「遺物から人型が出てきたらビビるだろ…」


「そうよ!説明なさい!」


「分かった…分かったから落ち着いてくれ」


余りの衝撃に荒れ狂う2人を宥め、説明を始める


「まず…遺物にはモデルとなった神話や御伽噺、概念があるらしい」


「ワタシのは凍結の概念ってこと?」


「あなたは雪女の御伽噺の遺物だよ」


「あら…雪女の面影なんて感じないけど…」


「あなたが弱すぎて遺物全く使えてないだけ…フフッ…やっぱ私の勘違いだったかも」


「あら?口の悪い小娘ね?誰が勘違いですって?」


気温が一気に下がる

濡れていないはずなのに氷が所々に現れる


「はぁ…あの2人はほっときましょ…それで?一番の疑問であるあの女の子は何?」


「自身で言ってるには概念の擬人化らしい。まぁ、付喪神みたいなもんだろ」


「ツクモガミ…日本のアミニズムの1つね」


どうやら理解してくれたようで、ようやく先ほどまで掴んでいた襟首を放してくれる


「話が早くて助かる。それで遺物との共鳴の話だが…まああの様子なら勝手に共鳴すんだろ」


「随分適当なのね」


互いに何も言わず、沈黙が2人を意識させる


「ちょっと彼女があんたのこと気にかけてるの分かったかも」


「彼女?アンドロメダか?」


自身の上司の話を始めるセネカ

実は少し顔を顰める


「フフッ…彼女の名前で顔顰めるやつなんているとは思わなかった」


「ほぼプライベートの時に上司の話したくないだろ…」


心なしか距離が縮まる

顔も緩んでいた


「本当に…適当ね…」


「人生適当な方が良いこともある」


「そう…お気楽なことね」


何か言いたげだったセネカは目を逸らし、まだ言い合いをしているセイアとシロの方へと歩く


「2人ともまだあの化け物倒せてないんだから幼稚な言い合いしないの」


「ふんッ!」


「ブ~」


不満げにしながらも言い合いをやめる2人

そしてセネカは振り返り、手を伸ばす


「さ、あなたもやるでしょ?」


その顔はここ最近隣にいた彼女に少し似ていて


「ああ…当たり前だろ?」


いつものように一歩踏み出す

いや、踏み出そうとした


ザシュッ


「は?」



「「「え?」」」


胸を貫く腕

いつの間にか後ろからアスモデウスが現れ、実の胸を貫いていた


「jgん市にgf縫いにsrんb宇r分ンtr機tん!?」


鼓膜に響かない声が発せられる

そのまま下に沈んでいく

最後に見えたのは自分に向かって走り出し、手を伸ばす3人だった

____________________________________________


≪緊急通達…緊急通達…≫


≪ダンジョンに変更が加えられました≫


≪EEI領地の拡大…世界人口2割の移動…全特級探索者を招集≫


≪ダンジョンが隆起…地上に露出します≫


≪ダンジョン名…ニブルヘイムと命名≫


≪スタンピード発生…EEI領地から全世界へのバイパスを建設≫


≪EEIで魔物種を殲滅しなかった場合魔物種があふれ。世界は滅ぶでしょう≫


≪さぁ…始めてください…探索を…人間達が生き残るために強くなれることを≫


≪ニブルヘイム決戦…開始≫

読んで頂きありがとうございます

セネカ…おまえチョロインなのか?

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

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