127話~対僭主~
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
実side
「セイアさん!あんたの持ってるそれが鍵だ!どうにか使ってくれ!」
駆けながら並走しているセイアに話しかける
何故かセイアの指にはまっている「氷河期の聲」
しかし、この状況は最悪ではないだろう
(氷奏者って言われるくらいだからな…俺より氷属性適正高いんだろ…)
遺物に選ばれるのは一般的に2つだと言われていた
1つは入手時に選ばれること
「氷河期の聲」等の概念種や御伽種の討伐報酬や宝箱からの入手があり、大半はその際に選ばれる。
2つ目にセイア等の他人の遺物との適正が高く、選ばれる方法である
この方法は1つ目と比べて出力が高くなりやすい
そのため、実は今回のメインアタッカーをセイアにしていた
「何言ってるのよ!遺物はそんなにすぐ使えるものじゃないのよ!?」
しかし、帰ってきたのは真反対の不可能の声だった
「…え?少女の聲聞こえません?」
「まずまずこの指輪は気づいたら身に着けてたのよ…」
実は知らないことだが、本来遺物の獲得後、行うことがある
それはある零式聖遺物を使用した遺物又は聖遺物との共鳴だ
実は元々認められていた為必要なかったが本来なら行うはずの共鳴がなければ遺物は使用すら出来ないのだ
知らない実と知ってたセイア
互いにメインアタッカーだと思っていた2人の行動は一致していて、その結果
「うわぁ!?」
「キャッ!」
互いにぶつかり、尻餅をつく2人
その隙をアスモデウスが見逃すはずもなく…
「ちょっと何してんの!?」
セネカがアスモデウスと実たちの間に滑り込み、遺物を起動する
「祈ります主よ!血の磔!」
光の奔流が3人を包み込む
「ま゛て゛エ゛え゛ぇ゛ぇ゛!」
アスモデウスの叫びが離れていく
そのまま視界が白くなり、気配は遠ざかって行った
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ルーニャside
「さて…ここは何層なんだろうね」
隣を歩くセイラのボヤキを聞きながら進む足を早める
心の中では焦りと不安が渦巻く
(ミノルは大丈夫かしら…)
初めて会った時から感じていた不安
自身を顧みないほどに戦いを望む彼の闘争本能
それは常軌を逸していた
だからそばに置いた
あれ以上無理させないために
しかし、今回は隣に居ない
「どうしたんだいルーニャ?実のことでも考えているのかい?」
「はぁ…まぁ心配してるわけじゃないし?彼がどこにいてもどんな人といても良いけどね?でも前提として彼はワタシの秘書探索者なわけだし?そもそも…」
「そ…そうかい…」
あまりにも早口で喋るルーニャに少し引くセイラ
「てか!なんでこんなに離れることが多いのよ!もうこれから…「俺なら離れることないのにな~」…ねぇセイラ?秘書探索者って監禁してもいいのかしら?」
「良いとは言えないが…彼の今までを見るとした方が良いと思えてくるね…」
「ちょっ!?無視はないっしょ!?」
後ろから間に割り込んでくる男
進む間に見つけた男
「アナタうるさいわよ」
「気安く話に入ってくるんじゃないよ」
「え~ひどいな~ここであったのも一蓮托生っしょ?俺結構強いし、助けになれると思うんだけどな~それに俺はアナタじゃなくて萬食棄人だよ~気軽にステっちて呼んでよ」
「「………」」
「もう2人とも冷たいな~!もっと仲良くしようよ~てか今度飯食いに行かね?おれ美味しいところ知ってんだよね~2人とも美人だしさ!奢らせてよ!」
ひたすら話しかけてくる萬食にうんざりとした顔で進む
「ちょっ!また無視~!?」
その後ろを走って追いかける萬食
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???side
お荷物を背負った攻略
それは果たして何を犠牲にすれば望む結果を出せるのだろうか
―いや~とんでもないハンデが出来ちゃッタすね~ルーニャ・アンドロメダは―
―あれじゃあ守れるものも守りたいものも守れないッスね~—
―ま!あの人には覚醒イベントとか欲しかったし?これで彼女も進んだら一石二鳥ッスね―
―え~と…ここをこうして…特級探索者ワープさせて…EEIの土地変質させてっと―
何やらキーボードを打つような音とともに空中に浮いている画面が変更されていく
―ここはもうダンジョン開けて…スタンピード起こしますかぁー
それは愉しそうに弄る
そして音が鳴りやみ、完成したようだ
―OK!これなら彼が最大限力を活かせるッスよね~—
ーさ…これを更新!は~愉しみッスね~—
それの顔を見ようと近づこうとする
しかし、その前に何かによって止められる
―あ…もうそこまでッス。あんたらが見れんのは―
顔をこちらに見せず、淡々と言う
―もしあんたらじゃなくて彼だったら見せても良かったンスけどねぇ―
そいつはいつの間にか手に出していた人形?か何かを抱きしめる
―あ!そっか!こっちから直接行けばいいのか!—
急に立ち上がり人形を上に投げ上げる
そしてこちらを振り向く
顔は見えない
なにかバグのようなものが顔を隠している
―で…いつまで見てんの?—
ザザザッ…
砂嵐
消える
点く
赤黒い何か
盛り上がる
裂ける
そこから出てきたのは先ほど同様顔の見えないそれ
―人のプライベートを覗き込んでじゃねえよ―
手が伸ばされる
視界が覆いつくされる
意識がシャットダウンされたかのように消える
後頭部に衝撃が走る
―勝手に見やがって…気持ち悪い…彼は…は絶対返してやるもんか―
1人の女性が倒れている部屋
響いたのはそれの執着を感じさせる暗く、重い声音だけだった
読んで頂きありがとうございます
俺がただで主人公を活躍させると思ったか!?
彼には色々乗り越えてから暴れてもらおうと思ってます
普通の人はすぐに活躍出来ませんよね?
読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです
では、また次のお話で!




