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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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125/135

125話〜色欲〜

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

実side


壁が割れ、また広い空間に出る

そこは趣味の悪いとしか言いようがない人の折り重ねられた部屋だった

そしてその真ん中に呆然としてたっているおそらく悪魔?と腰が抜けているのか座り込むでいる2人の女性がいた


「ガッ……うァ……」


片手に持っているレヴィアタンはもう反撃する気力も残っていないらしく白目を向きながらピクピクと震えていた


「ま、これでいっか」


片手に持ったレヴィアタンを端に投げ捨てる

転がっていったレヴィアタンは壁にぶつかり止まるが立ち上がる気配は無かった

それを確認し、真ん中にいる3人の女性に目を向ける

その中で唯一立っている悪魔が声を上げた


「貴方は…何?」


膝は震え、汗が流れている

少し目を向けただけで悲鳴を漏らしていた


「俺は探索者だ」


簡潔に答える

嘘は言ってない


「探索者!?あなたが!?なわけないでしょう!」


急にキレる女

普通に怖い


「いやいや自分から聞いといて答え否定すんなよ…」


「ふざけないで!貴方みたいな化け物が…私たち悪魔を一方的に嬲れる奴がただの探索者なわけないでしょう!?貴方はだれ?復讐者!?それともあの部族の隠し子!?」


半狂乱に叫ぶ女

自分から言っていたが、悪魔だったようだ


「退場させた女たちも実力はあったようだが、貴方程ではなかった……」


「あ?」


今女の言った言葉が鼓膜を震わせる

退場させた?

誰を?

いや分かっていた

自分以外が退場させた選手は3人しかいない


「…か」


「何よ!?やっぱり人間なんかじゃないんでしょ!?」


もうなんか意味わからないキレ方をする女

人間同士でならば急な大声や怒りの口調は主導権を握る手法としては良い方法の1つだろう

しかし、それは生物の生存政策としては最悪の一手であった

悪魔は人に近寄りすぎた


「お前か…胸糞悪い気分にさせやがって」


「ぎっ!?」


200mは離れていた距離

それを実は一瞬で詰める

そのまま腹に蹴りを食らわせる

それだけで吹き飛ぶ


(やっぱ()()()()より弱いな…ん?)


何かが頭の中でのどに引っかかる魚の骨の様な感覚を思い出させる


「あいつらって誰だ?ま、いっか」


思考を断ち切り前に進む

壁にぶつかり勢いが止まったのかお腹をおさえ倒れ伏していた


「おいおいお前ら悪魔なんだろ?俺みたいな平凡な男の蹴り一発で沈んでもらったら困るよ…なぁ?」


その男は嗤っているような口調で近づく

しかし、その目は、口は、顔は笑みの一端すら見せていなかった

____________________________________________

ラストside


(何よ何よ何よあいつ!?)


七つの大罪色欲の一柱アスモデウスは混乱していた

美と欲を詰め込み、生物として昇華させたような容姿、生物の本能を擽り蕩けさせる声、触れたとたんに病みつきにし溢れんばかりの快感を与える体

これらは色欲の一柱として呼び出された瞬間に持ち得ていたパッシブスキルであり、本人のポテンシャルの10%ほどしか使用されていなかったが、人間には十分すぎていた

そう…ていたのだ

悪魔とは元来努力などを行わないことが多い

自身より弱い者たちで回りを囲い、本能的に強者から逃げて生きていた

嫉妬の炎に苛まれていたレヴィアタンは例外的に強さを追い求めていたが、それ以外の戦闘スタイルはパッシブスキルやユニークスキル頼りのことが多い

しかし、億に近い生の中で初めて通用しない相手に遭遇した

圧倒的強者

人間の体とはいえ自身の依り代として強化された体を一発の蹴りで吹き飛ばし、戦闘不能一歩手前まで追い込む人間

その存在を近くした瞬間、生物としての本能が警鐘を鳴らす

それはレヴィアタンのような強者に媚びへつらい生き残ろうとする生存本能か…



「ワタシを…見下すな…」


それは上位の者へ挑む闘争本能

レヴィアタンのような根っからの被食者ではなく、本能としての捕食者

自身を脅かす存在を屠らんとする心の激情

そしてもう一つ、闘争本能を燃え滾らせる激情が確かに存在していた


『お前は一家の面汚しだ!』

『そのような贅肉の詰まった体…なんて汚らわしい!』

『あんたなんか産まなきゃ良かった…』

『穀潰しでも悪魔様の依り代にさせてもらえるのだ。ありがたく思うんだな』


それは依り代の記憶

まだ魂の底で幸せを望み続けている少女の執念

初めての激情によって共振し、呼び起された怨念に近いモノ

色欲を求める心

体の貧相な女こそ至高と考えられていた部族の中では呪い持ちとして檻に入れられ、罵倒され、最後は戦争の道具として依り代にされた哀れな少女

豊かな体に見合った性欲を持ちながらも一回も発散の許されなかった過去

その色欲への渇望は七つの大罪色欲の一柱を呼び寄せるまで肥大していた

そして、本性を同一とする二人の激情が合わされば何が起こるか…


「あたしを!見下すなぁ!」


本来の性能

捕食者としての力


ワタシ(あたし)にを!舐めるなぁ!」


[神話種:悪魔と宿主の意識が混合…一時的にクラスが変更されます…七つの大罪色欲の一柱アスモデウス、ディストラクション(壊滅級)キング(僭主)に疑似変更……フェーズの順番に狂いが生まれたぞ…人間は神話を崇めすぎたな…]


フェーズ4…始動

[神話種には序列があり、それはそのまま上下関係の直結しているようだ]


殺人級マーダークラス:人を簡単に殺せるレベル。神話の英雄が当てはまっているようだ。

破壊級デストロイクラス:大規模破壊が起きるレベル。神話に登場する神器の擬人たちが当てはまるだろう。

壊滅級ディストラクションクラス:都市が滅ぶレベル。悪魔や天使が属しているだろう。

破滅級ルインクラス:国が滅ぶレベル。主神には及ばないが神話の端にいる神が当てはまるだろう。

革命級エボリューションクラス:革命を起こすことが出来る神の属するレベル。軍神が割り当てられるだろう。

盟主エンペラークラス:文明を救う神が属する。

僭主キング:文明を滅ぼす神が属する。


[さぁ…探索者?本来なら来ない強者が来るぞ?早くしないと…]

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