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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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113/143

113話~星の貴族~

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

藤堂side


「さ!彼を探しに行こうっと!」


エーリにトドメを刺した藤堂は踵を返し、戦場へと向かう


「学校の本拠点潰したら、流石に前線も下がるよねぇ」


そうなれば穐村班の拠点から一番近い拠点であるここに下がってくるだろう


「楽しみだなぁ」


その目はすでにエーリの姿を映しておらず、特にいる自身の雄と豪語する男になっていた

そのまま進もうとした

しかし、後ろからの斬撃が襲う


「ッ!?」


犯人は倒したはずのエーリだった


「まだあきらめないの?何回も言うけど君より私の方が彼を幸せに出来るの。だからあきらめ…」


その後の言葉は続かなかった

エーリの異様な雰囲気に言葉が詰まったのだ


「ふ…ふふふふふふっふふふふふふふふふふふ…」


「何?気持ち悪いなぁ…」


「いや…君のような名前も分からないやつが幸せに出来るねぇ…」


「言いたいことがあるならはっきり言いなよ。勿体ぶる女の子は嫌われるよ?」


「名前も分からないのに自分のだと?間抜けているのは乳だけではなかったか」


その言葉の次には斬撃が飛び交った

互いに首筋を狙って剣を振り、意図せずとも鍔迫り合いのような形になっていた


「はははは!良い顔になったじゃないか!」


「黙れ…」


「ん~?もう少しハッキリ喋りなよ。見苦しい」


「黙れこのアバズレ!やっぱりその黒い顔が本性か!」


「あ~今この私が彼女と同一人物だと思っているのかい?」


「じゃなかったら誰だお前は!」


この2人の相性はことごとく悪く、彼女の一つ一つの動作に苛立ちを覚え、口調も攻撃的になる

それに対して彼女は子供と戯れるように受け流していく

そして藤堂の問いに彼女はニヤァと笑みを浮かべながら答えた


「私は星の貴族…夜を統べる者よ。ひれ伏しなさい人間」


肩書きを語る…それだけで空気は重くなり、ひりつく

藤堂の本能が叫んでいた

逃げろ…勝てない…生きろと

しかし、目の前にいる女の存在感ゆえか足が動かなかった


「じゃあね…勝てもしない戦に飛び込んだお・馬・鹿・さ・ん♪」


「あっ…」


次には視界には一閃が刻まれ、2つに分かれていた

____________________________________________

実side


「なんか後ろの方で爆発起きませんでしたか?」


「ああ…おそらく政宗闘戦大学の忍術部隊だろう」


「あ、あの人たち…怖いです…」


「忍者、速い、見つけられない、嫌い」


本陣が襲われている最中、実含める穐村班は優雅に三時のおやつを食べ、優雅なひと時を過ごしていた


「行かなくていいんすか?」


「私たちの仕事はここ(最前線)の防衛だ」


「わ、わたしたちの陣地に入るにはここしかあ、ありませんしね…」


「ここ、離れる、敵、入る、漁夫の利、負ける」


「そういうことだ。緊急招集がない限りここを守ることが仕事なんだよ」


それぞれが意味を説明する

その内容は的を得ており、実は反論しようにも出来ない


(…まぁ、あいつらなら大丈夫か)


結果、脳裏に浮かんだチームメンバー達なら大丈夫だろうと締めくくる

その顔は信頼を表しており、とても穏やかな顔だった


「それ」


「もごぉっ!?」


いつの間にか真横まで近づいていた穐村が口の中にケーキをぶち込む

ぶち込まれた実はもごもごとなにかを言いたそうにしながらもケーキを飲み込む


「ぷはぁ…美味…じゃなくてなにすんだ殺す気か!?」


「いや?どこかの誰かさんが目の間にいる美女をほったらかしにして頭の中で浮気をしてたからね」


「何言ってんだ…もぐっ!?」


次にぶち込んだのは走入

食べかけのどら焼きを口に詰め込む


「わ、わたしのもお、美味しいよ…」


「わたし、のおやつ、も…」


あられも続くように口に押し込む

実は飲み込もうにも飲み込めず苦しそうだ

そして最後にトドメを刺すものが現れた


「なら私のも飲んでもらおうか」


降矢が最後に自信の口に紅茶を含み、顔を実に近づける

そのまま唇と唇が付き…


「ちょっと待とうか…」


「さ、流石にキスは…」


「抜け駆け、ダメ、絶対」


先ほどまで間接キスを行っていたとは思えない様子で止めに来る3人

実は飲み込めたのかソファに寝転がりグッタリしている


「はぁ…全く飲み込めてるから良いか…」


降矢は紅茶を飲み込み、また仮眠室に戻っていった


「もしかして…」


「ま、まさかですよね…」


「降矢、先輩、まさか、堕ちた?」


「まぁ…幼馴染として彼女が意外に乙女なことも知っていたが…まさかこの前の接敵だけで?」


キスを未遂に阻止した後、普段の彼女からは想像できない行動に戦慄する3人

戦場の最前線では試合とは別の争いが今、水面下で続いていた

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

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