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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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112/142

112話~狂恋・依存・独占~

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

エーリside


今、こいつは何を言った?

私の…オス?聞き間違えだろうか


「あなたから濃いか彼の匂いがするの。かなり密着しないとここまで濃い匂いは付かないと思うんだ」


思い当たる記憶は…ある…

会場に行くバスの中で彼に強請り、彼の着ていた上着を借りながら彼に抱き着いていたのだ

あれ程まで彼と密着していれば匂いは付くだろう


「だったら…なんなんだ…」


上手く言葉が出ない

片言になり、言葉が続かない

何故か嫌な予感が止まらない

冷や汗が湧き出て呼吸も荒くなる


「あの…そのですね…」


先ほどまでの野性味溢れる顔から一転、恥じらいを前面に出しているオンナの顔へ


「少し前に…彼に負けましてて…その時…なんか分かんないんだけど…お腹がギュンッてなって…心がカアッてなって…それで…子作りしたいなんて言っちゃって…それで…!?」


先ほどまで熟れたリンゴのように紅くなっていた顔は驚愕に歪む

何故か

それはエーリが頭目掛けて刀を振り下ろし、藤堂が二刀で受け止めていたのだ


「……か?」


「何?」


「お前は…お前はその淫乱極まる顔をあいつの眼に焼き付けたのか?お前はその軽薄極まりない言葉をあいつの耳に吹き込んだのか?お前はその甘ったるい匂いを纏わせながら近づいたのか?」


剣を押し込みながらエーリは問い詰める

瞳孔は縦に割れ、黄金色に輝いていた


「あいつはお前のモノじゃない…あいつはわたしのだ…お前なんかに渡すものか…あいつの目線も、微笑みも、唇も、血の一滴さえ渡すものか…全て私のものだ…」


「恋には障害は付き物っていうけど…あなたは害だね。うん。いても彼の利益にならないね。だから殺すね」


藤堂はエーリを押し返す

後ろに跳び退いたエーリは刀を構える


「恤鬼式!花嵐!」


無数の斬撃が藤堂の周りを囲む


月沈式(つきしずみしき)…偃月!」


それを1発の斬撃で消し飛ばす藤堂

その斬撃は消し飛ばずに留まらず、エーリの体に1文字を刻む


「っグゥ!?」


「諦めなさい。貴女の使ってる恤鬼式はこの月沈式を万人が使えるように調整したもの」


藤堂は羽織っていた上着を脱ぐ

そこには芸術のような筋肉と恐ろしい刺青が回路のように全身を巡っていた


「月沈式は元々神の使う御業…それを使うには『神の因子』が必要になる。私たち英雄の子孫は『神の因子』に90%以上適応してる…つまりただの人間である貴女とは生物学の時点で格が違うのよ」


そう言いながら刀をしまう藤堂


「ま!てことで彼は私が貰うね!」


そのまま立ち去ろうとする

しかし、左足が前に進まなかった


「へぇ…本当なら死亡判定貰って保健室にワープしてるはずなのにね…まさか、君も人間じゃないとか?」


「…うる…さい…」


「もう息も絶え絶えじゃん。まぁ、最後トドメさしたほうがいいよね…」


首筋に刀を当てる


「大丈夫。君たちといる時よりも楽しくさせてあげるから」


そのまま刀は引かれる

血が溢れる

エーリの目から光が失われる

視界がボヤけていく

………………………………………………………………


【…ら…ろ!】


(誰だ?まだ寝てたいのに…)


微睡む

そこは心地よく

瞼が上がらない

また意識のそこに沈もうと…


「おら〜!起きろ〜!!」


「ギャッ!?」


しかし、脇腹に来た衝撃がそれを許さなかった


「おら!2度寝なんて許さねぇぞ!」


そこに居たのは丸ぶち眼鏡を着けた紳士服の女性


「っんんん!ごめんなさい。取り乱しましたわね」


「え、ええ…」


先ほどまでの乱暴さが嘘のように消え去り、お嬢様のような所作を行う女性


「わたくし、メリア・ヴァン・スルトーチと言いますの」


「は、はぁ…エーリ・ナントです…」


「分かっていますわ」


「そ、そうですか」


目の前にいるのは美しい金髪赫眼の美女

体も出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる

しかし異様なところが一つ…いや二つあった

縦に割れた金色の瞳孔と人間にしては尖りすぎている八重歯

その二つに目が吸い寄せられていたため気付かなかったが、肌も病人のように白かった

その姿は…まるで…


「吸血鬼みたいか?」


「ッ!?」


(なんで…私の思考が読まれて…か?」


「なっ!?」


考えていることがメリアの口から流れてくる

一言一句寸分の狂いも無かった


「なんで…と思うのも無理はない。君たちには馴染みがないだろう?」


目の前にいる存在が理解できなかった

同じ人間の形をしている筈なのに気味が悪かった


「改めて自己紹介しよう。私は夜の帝王…星の貴族であるヴァンパイアだ。今は君の無意識にお邪魔しているよ」


「ヴァンパイア…」


「そう!で…今回は時間が無いからもうするね?」


メリアがそういうと急に視界が点滅し、立ちくらみが起きる


「あ…なた…何を…」


「君が今敗けると不都合なんだよね~」


段々とメリアが近づいてくる

エーリは立つ力も無くなり、倒れる


「大丈夫…償は彼の…から」


そのまま視界は暗くなり、意識を失ってしまった

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

なんか女の子出したくて書いたらエーリの話に…

てか暴走に目が変化、未知の力…やだ…エーリの主人公適正高すぎ?

では、また次のお話で!

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― 新着の感想 ―
こんばんは。 一辺死んで(?)から力に目覚め(?)る……なんか昔の漫画の某霊界探偵みたいなパワーアップ来ましたね! 霊界探偵は勿論主人公→つまりエーリさん主人公説が存在している…?(違
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