111話~私のモノ~
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
セイラside
「その人!私がもらうね!」
この…このメスは何を言っているんだ?
黒いコートにナイフ一本で戦うスタイル…十中八九実のことだろう
実は私たちのチームメンバーで…ルーニャを置いていかないで…同じゲームもしてて…
それで………私の秘密を抉らないでくれた
私たちの…私の…私だけの実…
なのに…人のモノに唾をつけようとする淫乱なメス…
なんだあの顔は…どこであったかは知らないが彼は私のモノだ…
実は…実は…
「ッ!?あっぶなぁ…」
「せ、セイラ?」
「殺そう…あいつ早く殺そう…」
即座に最大火力を持つレールガンを闇顰に放つセイラ
そして隣でうろたえるルーニャに淡々と話す
「今回はわたしたちも混ぜてもらおうか」
「なんだ?」
「怖いなぁ…」
後ろからきたのは一時実を奪い合った相手である冠光粒とその一行だった
「……何のつもりだ?」
「いや何…あの女の言うことが気に食わなくてね」
彼女たちもその目に暗い色を宿していた
「俺も…流石にアツくならざるを得ないかな…」
「同胞は吾輩のだ…」
「まぁ…あんな娘がお姫様になれるとは思ってないけど…一応出る杭は打たなきゃ」
暗い何かがその場に溜まるような錯覚に陥るような重さ
それを見た闇顰はニンマリと笑う
「モテモテだねぇ…」
その顔は遠い戦地に赴いた夫を想う妻のような色気を醸し出していた
「おい舞!てめぇのせいで敵が余計に増えてんじゃねぇか!」
「はぁ…ここまで頭の中がピンク一色だったとは…」
「ちょっとエリカ!あなたこそ昔々にいたかどうかも分からない白馬の王子様を想って毎晩毎晩慰めてるじゃん」
「舞いいいいい!?人前でそんなこと言わないで!?」
力山と言われた男子とエリカと言われていた女子が呆れている様子ながらも前に出て、臨戦態勢になっていた
「聖雄、やるか」
「ああ」
聖雄と言われた男子が先頭に出る
それに合わせるようにルーニャも前に出る
そして両者宣言する
「EEIに次ぐ…」
「ワタシ達の邪魔をするモノたちに次ぐ…」
互いに武器を構え、飛び出す準備をする
「これより我ら政宗闘戦大学は…」
「そこを退きなさい…さもなくば…」
気合は十分…殺気に満ちている
そして、最後の一文を唱える
「貴殿らを討伐する」
「アナタたちを敵とみなし、即座に討伐する」
戦いの幕は今、切って落とされた
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エーリside
「忍法!劫火の柱!」
「くそっ!ちょこまかと…」
エーリは今、爆炎を起こした犯人であろう人物と戦闘を繰り広げていた
(面倒くさい…これが日本のニンジュツか)
忍術
政宗闘戦大学で修められる「六術」のうちの一つであり、速度に秀でた者が修めることが多い
また他の術に比べて火力は低いが扱える属性や手数の多さ、攻撃速度が優秀である
そして一番の強みと言われている能力がある
それは…
「忍法!虚空隠れ!」
「また!」
相手が忍術を発動すると姿が空気に溶け込むように消える
「ああもうその技嫌いよ!」
「恤鬼式!花筏・域!」
刀が煌めき、斬撃があたり一面を埋め尽くす
「グッ!?それは…剣術?」
その斬撃は透明化していた相手に命中する
相手はもう動く気力が無かったのか、そのまま倒れ伏す
「はぁ…これで全員か?」
倒した相手を捕縛し、纏めている場所に運ぶ
そこには十数人の黒子の恰好をした男女が捕縛していた
「破瓜、誰か来たか?」
「いえっ!誰も来てないであります!」
「そうか…お前の能力は守備特化だ。ここで敵の侵入と脱走を防いでくれ」
「了解であります!」
破瓜 夏露は実の見出した中の1人であり、恐らく最も実への忠誠心が高い
正確は率直で真面目、少し頑固だが一度忠義を誓った相手には尽くすタイプなようだ
ユニークスキルは「門番」
守護系に分類される能力であり、門の前に立っている限り攻撃は命中しなくなり、因果的に攻撃の結果になる存在全ての動きを無効化する。また、この能力は門を作り出すことが可能であり、その門を入口とした部屋が形成され、その中に入ると破瓜の意思以外では脱出することが不可能になる。脱出も攻撃と同じ判定を受けるため、守備力では最強レベルである
「さぁ…次は…あっちかッ!?」
破瓜の守っている部屋から出て次の戦場に行こうとしていたエーリ
しかし、跳んだのは前方ではなく後方だった
そこには黒髪をポニーテールにまとめた和服風の服装の女性が刀を抜き放ち、立っていた
「あなた、今の避けられるんだ」
「貴様は…敵か…」
「そうだよ。まぁ、今回は違う用があるんだよね」
そういうと銀髪の女性、藤堂はエーリに一瞬で近づく
「なっ!?」
「あなた…強いね…」
「な、何よ急に…」
「でも違う…」
藤堂はそのまま匂いを嗅ぐ
「ちょっと!?やめなさいよ!」
藤堂の顔を掴み、離そうとするが野生児の膂力は簡単には離せない
どうやって引き剝がそうか苦戦していた時、藤堂からある言葉が告げられる
「あなたから私の雄の匂いがする!」
「は?」
視界の端に赤が混じった
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では、また次のお話で!




