109話~攻城戦~
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
アンドロメダside
「なんだって?」
会議室で情報を管理しているセイラがいつもよりかは大きな声を出す
その顔はたまに見る焦りの表情だ
「どうしたの?」
「政宗闘戦大学が動き始めたようだ」
「他の奴らは?」
「大陸の絶華大学は連邦のパカー・ダモイと戦っている。合衆国のデカゴン大学はうちと協力体制、暗黒大陸のヌンバ・ヤ・キラ・トゥの消息は分からない」
「アウグストゥス法理女学院は先ほど例の班と戦闘を繰り広げていたようだ」
「そう…結果は相手の撤退かしら?」
「良くわかったね」
「あの巨大な壁…多分ミノルでしょ?」
「恐らくね。ふふふ…やはり彼は飽きないね」
そう呟くセイラの顔はどや顔に近いような顔だった
「さて…彼も頑張ってることが分かったし、ワタシ達も頑張らなきゃね」
そう言いながら外を眺める
見えるのは地平線
しかし地平線がだんだん歪み始める
否、それは地平線ではなく軍隊だった
数は十数万ほど
大学の生徒数からすれば妥当だろう
「全員、遺物・銃器の攻撃準備…」
セイラが並べていた遠距離攻撃部隊に指示を出す
そして遺物や銃器を構える生徒達
「構え…」
全員が発射体制に移る
相手は揺らがず、そのまま進軍してくる
「発射!」
火、水、風、岩などの異能や現代科学の賜物、弾丸が一斉に飛び出す
そのまま進軍してくる軍勢の場所に着弾、土煙が立つ
「ふぅ…第1弾は終わりかな?」
そう言いながらセイラは望遠鏡を覗き込む
「…マジか…」
「総員、戦闘態勢」
セイラのつぶやきに即座に反応し、指示を出すアンドロメダ
「ん?どうしたんだ班長?ここで戦闘態勢に入っても意味ねぇだろ」
アランがその場の疑問を代表してアンドロメダに問う
「はぁ…だから君は上級止まりなんだよ…」
「教授それはライン越えだぞ!」
その疑問に茶化しながら答えるセイラ
急に空気が緩む
「なぁ!あんたら少し温いんじゃねぇか!」
そう声を上げるのはチャラついた服装に軽薄な印象を与える金髪の男子生徒
「あら?そう?ワタシ達いつもこうなのだけど」
「はっ!やっぱりあんなゴミとつるむような奴らか。そんなのが特級探索者なんて世も末だぜ」
「そういうアナタは?」
「はぁ!?俺のことを知らねぇのか!?俺は賢腦院一郎!賢腦院の長男!次期当主だぞ!」
「賢腦院?ねぇセイラ知ってる?」
「さぁ、まぁ言い張るってことは日本の名家なんだろうね」
「き、貴様らぁ…」
よほど自身の血縁に自信があったのか全く知らないアンドロメダ達を睨む賢腦院一郎
「ま、まぁいい。俺も聖遺物所持者なんだ。見下してんじゃねぇぞ?」
プライドを傷つけられたからなのか、それとも自身のやましい過去を知っているであろう人物たちにいちゃもんをつけているに過ぎなないのか
「なぁ、お前…」
「な、なんだよ」
話を聞いていたアランが声音を低くし、詰め寄る
「や、やっぱりあんなゴミと絡んでるやつは喧嘩っ早いな…」
「てめぇ…」
アランが胸倉を掴み、拳を振り上げる
一郎の顔は引きつっていたが、口は吊り上がっていた
振り上げられた拳は力む
しかし一郎の顔に振られることはなかった
「やめるんだアラン。それではこいつの思うつぼだ」
振り上げられた拳を抑えているのはセイラ
小柄な体つきながらもアランの拳を抑えている
「構うだけ時間の無駄だ。今はほかにやるべきことがある」
「はっ!逃げんのかよ情けねぇ!」
「ってめぇ!」
「アラン!!」
「ッ!?…でもこいつ…」
納得の行かない様子のアラン
しかしセイラの見ている先ほどまで政宗闘戦大学のいたはずの場所を見、言葉を失う
「言っただろう?いまはそんなことをしている暇ではない…と」
その言葉の後、後ろの安全であるはずの本陣で火の手が上がる
今、探索者と英雄の子孫たちの戦いが始まった
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では、また次のお話で!




