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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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108/140

108話~運命~

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

実side


「全部上げるので…添い遂げることを前提に私と子作りしてください!」


目の前の女は何を言ってるんだ

実は今まで会った人間の中でも1、2を争うほど目の前の女は意味わからなかった


「ああ!そ、そんなこと言われても戸惑いますよね…ごめんなさい…」


前では自身の言ったことに気づいたのか顔を赤くする


「な、なぁ…あんた、てきか「ああああああ!?」」


一応周辺の探索をしていた実は敵かどうか訪ねようとする


「ごめんなさい!もう時間が無いんだった!」


目の前の女子は何かを思い出したのか急に後ろに下がり周りに置いていたものを風呂敷に詰め出す


「あっ!私の名前は藤堂佳織です!」


「っ!?おい!」


名前を名乗ったかと思ったらおもむろに抱きつく藤堂

そのままスンスンと首筋を吸う

そして体を擦り付ける

まるで動物がマーキングするように


「お、おい…やめろって」


「今匂い覚えながら匂いつけてるんです!私のFカップを味わっててください!」


「意味わかんねぇよ!?」


離そうにもとんでもない力で抱きしめられているため離れられない

そのまま数分がたち、ようやく離れる藤堂


「ぷはぁ!あなたEEIの生徒さんですよね!また今度会った時はもっと話しましょう!それじゃ!私今待ち合わせに遅れてるので!」


「お、おう…」


そのまま走り去る藤堂

困惑していた実は頭を抑え、来た道をもどる


「あぁぁぁぁ!名前聞くの忘れてた!」


姿は見えないのに後ろから聞こえる慟哭に帰る足を早める


「ん?」


木の上に一瞬、人影が見えた気がした


「……誰かいるのか!?」


返答は無い

しかし目にはしっかりと少女が写った

その少女の目はとてつもなく広がっていて


「なぁ!あんただよ木の上にいるあんた!」


聞こえていなかったと思いもう一度呼びかけるが反応は無し

結局反応しないまま木から跳躍し、藤堂が向かった先と同じ方向へと去っていった


「なんだったんだ結局…はぁ、帰ろ…」


不可解な人物2人に会った実は眉間を揉みながら来た道を引き返して行った

―――――――――――――

???side


「やっと見つけた…」


黒いフード付きのマントを被った女性、闇顰 舞(やみひそみ まい)は同級生でもあり幼なじみである藤堂佳織を捜索していた

そしてやっとの思いで見つけた場所はまさかのEEI最前線部隊である穐村班の拠点の僅か5km先

そんなところで藤堂は惰眠を貪っていたのだ


(はぁ…まさかこんなとこで…もう少し落ち着いて欲しいねぇ…)


闇顰も仲間内では藤堂と同じ扱いをされているが彼女は気づかない

そのまま近づき、そのまま起こし、連れていく

それだけのはずだった


「ん?」


闇潜が行く前に1人の男性が近づく


(止めた方が良いかな…でも…敵だよね多分…)


外見は黒いジャケットに緩めのズボンを履いた普通の格好

今回出ている学校で制服を着ていないのはEEIだけであり、十中八九生徒だろう

そのまま近づいていく男性


(まぁ、藤堂だったら大丈夫か)


藤堂佳織はお淑やかそうな見た目をしているがその実性格は真反対である

根っからの面倒臭がりであり大雑把

恐らくメイクも髪や肌のケアもしたことのないであろう

それにも関わらずやまとなでしこを感じさせる風貌に嫉妬してしまう

だが、彼女の本性は面倒臭がりではない

根っからの戦闘狂

肉踊り血が湧く戦いを何よりも楽しみにしており、今までにも近づいてきた人間に攻撃し病院送りにしてきていた

今回もそうだろう

そう思い、木の枝の上に腰を下ろす

そのまま近づく男性の叫び声が聞こえるだろうと目を閉じる


1秒…


2秒…


3秒…


幾ら待っても悲鳴は聞こえない


(あれ?)


目を開け、藤堂がいた場所に目を向ける

そこには藤堂が抜刀しているにも関わらず立ち、藤堂の首を掴んでいる男性がいた


「え…マジ?」


それはにわかには信じがたい光景だった

どれだけ自由人でも藤堂は政宗闘戦大学最強であり、無敗だった女だ

刀を抜けば全てが斬られ、倒れ伏すとまで言われた女の一撃を受け止めている

そして首に触れている

もし彼の手に武器が握られていたら藤堂は殺されていただろう


(こりゃあ…今殺った方が良さげ?)


手にナイフを数本持つ

何かを話し終わり、藤堂は自陣へと戻って行った


(やるなら…い……ま…)


すぐ投げられた

しかし、投げられなかった

何故なら男性の目が完全にこちらを捉えていたからだ


(え?まさか…見えてる…?)


「いやいやまさかね…」


しかし、その次に継がれた言葉にその考えは確定的になる


「なぁ!あんただよ木の上にいるあんた!」


「え…」


(ほんとに…ほんとに見えてるの?)


あまりの衝撃にその場から逃げ出す


「あっ!ちょっ!!」


後ろからの声を無視して飛び出す

駆ける跳ねる飛び上がる

背景が線のようになり、風がつよくなる


ドキドキ


高鳴る心臓を無視して走る

そのまま軽やかな動きでまるで城のような拠点に帰ってくる

天守閣風の見張り台を越え、真ん中にある部屋に入る


「おい遅ぇぞ」


「お疲れ様」


「しかし、何故佳織と一緒に帰って来なかったのですか?まさか見つけられずに帰ってきたと?」


入った後に声をかけてきたのは他の幼なじみ達

校内では6英雄と言われるグループだ

粗暴な口調でヤンキー風の恰好の『暴の英雄』力山剛

労う言葉をかけてきた世界のイケメンに求められる物全てを持っているイケメン『勇の英雄』光野聖雄

真反対に労いの言葉をかけずに嫌味ったらしいことを言うのはゆるふわ系のドリルツインテールの髪型をしている『癒の英雄』珠喰エリカ

ぽわぽわしている『技の英雄』藤堂佳織

そして『俊の英雄』闇顰舞

この5人と後1人は生徒会のような立ち位置であり、この学校の生徒の代表であった


「みんな揃ったかい?なら作戦会議を始めよう」


お座敷の一番奥で座っているのは異端の英雄『賢の英雄』賢腦院かじり

きちっとした和服に何を考えているか分からない濁った眼

彼女が1名以外座り直す


「あ?おい佳織!何ボケっとしてんだよ」


「え…ああ…うん…」


「んだこいつ…」


ずっと上の空な藤堂に怪訝な顔をする力山


「ま、まぁ…いつも参加してないんだからいいんじゃないかな?」


「確かに、この野生児痴女は脳がすっからかんですしね。放っておきましょ」


「エリカ、素が出てるよ…」


「あらごめんなさい」


「では…本題に入ろうか」


賢腦院は何か巻物を広げる

それは地図だった

そしてある場所に短刀を突き立てる

突き立てられた場所には広大な領地、豊かな森や湖、そして丘があった

そこに根差している学校が思い浮かんだとき、闇顰は口角が上がるのを抑えきれなかった

そして上の空だった藤堂もいつの間にか賢腦院の方を向いていた

そして賢腦院は賢者には見えない戦闘に狂った笑みで言葉を紡いだ


「EEIを潰そうじゃないか」

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

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