103話~2日目~
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
実side
「さぁ、今日からが本番だよ!もう拠点作りは終わっているだろうし、多分敵チームは前線を上げてくるだろうね」
朝4時寝ぼけ眼で会議室に連れていかれ、穐村が話を進めていく
今日は2日目
1日目とは違い防衛線や攻城戦などが繰り広げられる壮絶な1日となる
「てか、1日で終わるかよ…」
「いい着眼点だ実君」
「あっ!?す、すみません」
「いや、いい。それは走入とあられも思っているだろうしね」
実の横に座る2人がコクコクと頷く
「え…2人とも同い年だったにかよ…」
「えへへ…言うの遅かったですかね…えへへ」
「そう、だよ?」
「さて、話を戻して今日1日で終わるのかという疑問に対しての答えはNOだ」
「え…じゃあ、どうやって」
「君は聖遺物のレベルを知ってるかい?」
「いや、わからないです」
聖遺物のレベル…聖遺物の中でも世界への影響などによってわけられる
因みにルーニャ・アンドロメダの扱う「明光の光は100%の出力では太陽と同じ熱量を放出できる計算なので零級に含まれている
「零から拾までがあり、数字が少なくなっていけば行くほど世界への影響力や戦争での殲滅力が高まっていく…その中でも零級に分類される聖遺物である「永劫座蓮華毘盧遮那仏が用いられているんだよ」
「え、永劫の…?何ですかその長ったらしい名前…」
「まぁ省略して時の聖遺物と言われることが多いかな。能力は名の通り、時の完全支配。私も一回実物を見たが、あれは化け物だ。聖遺物も…所有者もね…」
ザッ…ザザッ…
『君は…ああ…君を???しない方が正解だったのか…』
これはなんだ…
『もし、もしもだ…もし君が???するのであれば…』
知らない声
急に頭に浮かびあがるイメージ
血まみれの女性、割れた空、割れ目から溢れ出る何か
女性の顔はモザイクがかっていて分からない
『今度は…君がこれを…』
声は途絶え、目の前の女性は項垂れる
もうピクリともしない
「……君?…い?」
その光景はだんだんと薄れ、後ろから声が聞こえる
[この光景を忘れるな]
頭の中で[声]が響く
[これはお前の結末だった]
[声]は妙なことを言う
[貴様は拒否した]
主語のない…端的な言葉
しかし頭に残る
[その傲慢…許されざる蛮行。世界に嫌悪された罪人よ。しかし、我もそのような負け戦は嫌いではない]
聞いたことのある[声]
イラつく話し方
ざらつく声質
[来い。楽園を抜け、深淵まで]
その[声]も遠のく
[我の……]
「…君!大丈夫かい!?」
[我の探索者よ]
「聞こえるかい実君!?大丈夫かい?」
「だ、だ、大丈夫ですか?」
「大、丈夫?」
「こりゃ寝不足か?布団合ってなかったのか?」
目の前に4人の顔がぎゅうぎゅうに映る
その顔は一様に心配一色で
「だ、大丈夫です」
「ほんとかい?この指は何本に見える?視界は揺れてない?」
「本当に大丈夫です」
「それなら良かった。それで先ほどの話に戻るのだが、時の聖遺物を使用したことによって1日は約1週間に引き伸ばされる。その1週間の中で全チームの拠点を選挙したチームが勝利するということだね」
「ありがとうございます」
「理解が早くて助かるよ。さぁ、そしたらどこから攻めるかを…「ドゴォォォォォォォォォォォォン!」…諸君戦闘態勢に入れ。どうやら決める手間を省いてくれたらしい」
外から轟音
穐村が号令をかけると壁が開き、階段が出現する
外にはベレー帽を被り、白を基調とした裁判官のような服装をした学生が6人、待ち構えていた
「君たちは?」
穐村の問いかけに1番前にいた糸目の女性が前に出る
「私はオクタヴィアス法理女学院4年赤原セツナです。貴方たちが最前線でお間違いないでしょうか」
「ええ私、穐村美姫が率いる最前線のチームだ。それで?何の用だい?」
「そうか…ならばここで敗訴してもらおう」
そう言いながら手に天秤を持ち、剣を構える赤原
後ろにいる生徒もそれぞれの武器を構える
「へぇ、じゃあ上告させてもらおうかな」
穐村の言葉に応じて実たちも武器を構える
「さぁ、初陣だ実君」
「ああ…」
今、ここで闘技戦争の幕が開けられた
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では、また次のお話で!




