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凡夫よ昏き道を往け 旧題[平凡な探索者によるダンジョン探索]  作者: バラッパー
第一章EEI編

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102話〜最前線〜

こんばんは!

バラッパーです

今回も楽しんでいただければ幸いです

「…で、ここが風呂だ」


俺は今最前線の基地とは思えないほどの生活水準が整った家を案内されていた

食材や調味料の揃ったキッチン、広い風呂にリビング、大人数が寝れるベッド

ここは本当に最前線なのかと言えるくらいにくつろげる場所だった


「えへへ…す、すごいでしょ?ここ」


「ここ、快適、ゆっくり、できる」


走入とあられがいつの間にかソファに寝転がりくつろいでいた


「後は……班長であるあいつを紹介すれば良いか…」


そう言いながら降矢は周りを見渡す

そして大きな扉の前に立つ


「お〜い!穐村!!入るぞ!」


「ああ。入ってくれ」


降矢が扉を開き、部屋に入る

それに続いて実や走入、あられも入る

そこにはやけにでかい机に座っている白いメッシュに黒色のロングヘアを持つ女性が手を組み座っていた


「やぁ。初めましてだね田中実くん」


「は、初めまして」


余りにも清楚

今まで周囲に居なかったタイプの美人

頼りがいのある雰囲気、委員長タイプだろう


「ふふふ、どうしたんだい?」


「い、いえ……少し緊張しちゃって……」


実は少しどもってしまう

美人と話すことには慣れているはずなのに…

どうしても緊張してしまう


「そんなに緊張しなくてもいい。これから一緒に戦う仲間なのだから」


椅子から立ち、机にあるポッドから紅茶をカップに注ぎ、実の前に置く穐村

そして椅子を実の椅子の横に置き、足を組んで座る

それだけの動作でも絵になる


(なんか…やりにくいな…)


確かにルーニャやエーリ、セイラも高レベルの美人であるが長時間過ごして慣れたためか穐村へ感じるほどのどきどき感は感じなかった


[穐村美姫…特有技能「美姫の眼差し」発動中。……チッ…アフロディーテの寵愛(私のモノ)自動発動。効果抵抗……成功…能力解除]


(ん?)


急にはっきりと晴れた頭

先ほどまで感じていたどきどきは何処へ

緊張も解ける


「え……」


「どうしました?」


呆然としている穐村さん


「い、いや…大丈夫だ。じ、自己紹介がまだだったね。EEI探索科4年で生徒会長をしている穐村美姫だ。よろしくね。」


「え…生徒会長だったんすか。知らなかった…」


「ま、まぁ知らなくてもしょうがないさ。この学校では生徒会長はあまり権力はないからね。生徒の代表として先生の職務を手伝うだけだからね」


「あ、あの…」


「なんだい?」


まくしたてるように話す穐村はなにか動揺しているようだった


「その…なんか動揺してそうだったので…」


「あ、ああ…すまない…顔合わせはここまでにしようか…」


「わかりました。ありがとうございます」


その日はそれで終わり、実は案内された自室で寝床に着いた

………………………………………………………………

穐村side


「何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!?」


机の上で頭を抱える


「計画は完璧だったのに…なんで惚れていないんだ!?」


そう…計画は完璧だった…

足の速い陰キャ(走入)に誘拐させ、相性の悪い自称ゆるふわ系(あられ)と仲違いをさせ、そこを都合のいい女(三奈)で信頼を勝ち取る

そして最後に私の能力で骨の髄まで堕とす

その…はずだった…のに…


「なんで…」


あの感覚

感覚としては知っていたこと…

魅了の拒否

自分の何かが弾かれる感覚


(そんなことが…ある訳…)


あってしまったのだ

相手はただの探索者

ずっと欲しかったのに…

それなのに勝ち取れなかった

その顔は悔しさと怒りに染め上げられ…


「ああ…欲しい…この魅力に引っかからない彼が」


いや、その顔は喜びと興奮に染め上げられていた


(ここにいるのは見積もって後1日…)


「絶対私に跪かせてやる…ふっ…ふふふふふ…」


片手で顔を覆う

指の隙間から見えるのは執着と情欲で淀みきった娼婦の如き双眸だった

読んで頂きありがとうございます

読んだ後に良かった点や気になる点を感想に書いたり、評価してくれると嬉しいです

では、また次のお話で!

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