101話~最前のチーム~
こんばんは!
バラッパーです
今回も楽しんでいただければ幸いです
実side
目の前にある一軒家があまりにも異質で、一瞬思考が止まった
呆然としている実の袖口を何者かが掴む
走入は目の間にいるため違う
「ねぇ、あなた、田中、実?」
「あ…御使さん…ただいまです」
「うん、おか、えり」
走入はその女生徒の顔を見ると顰め面になる
「あんた…誰だ?」
「あんたじゃ、ない。私、御使あられ。よろ、しく」
御使という女生徒は独特な区切り方で喋る
身長は最低でも180㎝以上しかし体は白く細いそのせいか儚げな雰囲気を纏っているが不気味さを感じない丁度いいバランスだった
そして特筆すべきは服装だろう
ポンチョのような長い服を羽織り、足はとても短いズボンを履いているのか鼠径部が少し…
「はぁ!?」
実は目で追っていた先に男子が普通の仲ならば見ることのない部位が見え、動揺する
そう…見えてしまったのだ
鼠径部の先にある…頂点が…風にあおられ、見えてしまった
「実、君の、エッチ、キャ/////」
見られたと気づいたあられは裾を抑え、照れているようなポーズをする
「また履いてないんですか…」
(え…また…?)
「すみません実さん。この子いつも履かないんですよ」
「この解放感がたまらない」
申し訳なさそうな走入となぜか堂々としているあられ
「あなたはそんなに堂々としないでください!そもそも初対面の男性に見せるなんて…そ、そんなの…」
「ん~?別にいいでしょ~だってこのあと仲間になるんだから~」
「そうだとしても!」
2人は言い合いを初めてしまう
先ほどまでおどおどしていたとは思えないほどまくしたてる走入とのらりくらりと言い返すあられ
この2人は相性が悪そうだ
どうしようと考えているといつの間にか魔力を開放している2人
(まさかこいつらここでやる気か?)
魔力はどんどん高まり、もう少しで臨界点に高まりそうだ
これはまずい…
実も魔力を練り上げる
”………”
かつての日々はもう遥か奥へ
近くにいたはずなのにその存在すら記憶に蘇らない
しかし経験は"あいつ"からこいつへ
体に染みついた経験は忘れず
”それ”は居なくとも力を貸す
(第十防御魔法:アスピス・サコス・ホプロン)
空間に3つの盾を出現させる魔法
奇跡を具現化させる術が今、繰り出されようとしていた
実が止めようと1歩踏み出す直前、何かの影が3人を覆いつくす
それは走入とあられの真ん中に舞い降りる
「はぁ、昼寝の邪魔よ」
そこには大剣を地面に刺し、気だるげに頭を掻いている女性がいた
ボサボサの黒髪に目の下に刻まれたクマ
パンツスタイルのスーツを着崩した真面目なのか不真面目なのか分からない服装
その女性は剣を持ち上げると走入に向け、視線はあられに向ける
「陰キャ女に変態女。あんたらここで揉め事起こして敵にばれたらどうすんの?すぐ捕虜になるよ?」
「わ、私は走って逃げれるし…」
「私も、逃げれる、と思う」
「あんたらが逃げれても状況は変わんないでしょ。それにせっかく穐村と進めた計画も順調なんだし…」
後半からボソボソと何かを呟く彼女
チラチラと実の方を確認する
「あ、あの…降矢先輩…立ち話はなんですし、中に入りません?」
「外で痴話喧嘩をしていたお前が言うな!!」
「ひ、ひぃぃぃぃん!?」
下手に出ていた走入を降矢と呼ばれていた女生徒は叱り飛ばす
走入に言い放った後、降矢は実の方へ視線を向ける
「すまない。田中実くんだね?」
「はい」
「挨拶遅れてすまない。私はEEI執行部副部長降矢三奈だ。そして案内しよう、最前の基地である穐村班を」
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では、また次のお話で!




