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5. 【閑話】一方その頃、バッドエンドになるはずの悪役聖女《ヒロイン》は、



わーおぅ!

どういうことでしょう??

完結最終日にpv数が1955になっております…吃驚!!!!!


後書きのところにも作者の感想を書いておりますので、じかんがありましたらチラッと見ていってください!

最後のページまで来てくれてありがとうございました(*^∀^*)!






「おはようございます、マユ(真優)様。身支度をお手伝いします。」


「おはようございます、レイラ。いつもありがとう。」


「こちらこそありがとう存じます、妃殿下。…って、毎朝のことながら、私に敬語なんてお使いにならないでくださいよっ」


「ごめんごめん、だって~つい、クセででちゃうんだもん…ごめんね?」


ぷくーっと頬を膨らませる専属侍女筆頭レイラは、わたしが現代日本で不慮の事故に愛命を落としたことで異世界に転移したその日から、ずっと傍に居てくれていた数少ない人だ。



―――そう、そうなのだ。私は異世界に転移した。

そして()()()は【恋する乙女の正義~追放された悪役令嬢は無自覚にザマァする~】という物語を知っている。

小説投稿サイトから人気を博し、コミカライズされアニメにもなった作品だ。

はじめて読んだのは連載途中で多分まだ中学生だったとおもう。

あんまりにも面白くて更新が待ち遠しい程に夢中になった。もちろん推しはヒロインであるファラリアンナだ。

で、一番嫌いなのは物語上ではヒロインと呼ばれてはいたけれど性悪な転移聖女の『ミカリ』。

『聖女ミカリ』は本当に性格が最悪であの手この手でファラリアンナの罪をでっちあげ、王太子やその他の男も女も権力者も嘘八百を並べか弱いフリして陰湿に確実にファラリアンナ(ヒロイン)を窮地に追い込む悪役だった。

そして断罪劇―――――。


…と、ここまでが第一シーズン。

つまりはサブタイトルの【 ~悪役令嬢は無自覚にザマァする~】の下地。

コミカライズではソコも含めて描かれてはいたけれど、アニメ版では端折られて、メインストーリーである第二シーズンからのスタートだった。

楽しみにしていたアニメがまさか開始10分で断罪劇になったので、ある意味衝撃だった。

でも、ちょうどいいといえば、いいのか?昨今の風潮的に定番の昔話のかちかち山とかの童話でさえも残酷なシーンはカットされてるし。

ネットでも評価はわかれたものの、まぁメインストーリは変わらないし、ということで収まった。


前世の私もモヤモヤしつつも、でもそうだよね。と納得して、最終話の日は豪華に楽しみたいと深夜にコンビニに行ってお菓子やジュースを買い込んでウキウキで帰っている時に…死んだ。


死んだはずなのに、生き返った。

ううん、正確には、大好きな世界に、召喚されたのだ。『悪役聖女』として―――――――。



(………の、ハズだったんだけど。これでいいのかなぁ?)


世界は、今日もすごく平和だ。


悪役として転生…ではなく転移?でも聖女の名前はミカリだったけど私の本名は伊刈真優(いかりまゆ)でほんのり苗字の方がニアミスってるっていうだけだ。アニメでは名前さえ出ない出落ちモブだったけど。

ついでにいうと転移したからには推しのファラリアンナを貶める気はなかったし、むしろ仲良くなりたかったのだけど…、転移した先の世界ではそのファラリアンナが、まさかの悪女だったんだから驚きだ。

原作では性悪聖女がでっち上げた悪行を、まさか体験させられた。

(えーーーーーーー??転生とかしたら登場人物がキャラ崩壊するらしいっていうのは、よくあることだけど………っ!?)

にしたってまさかのヒロインがそうなるなんて…どうなってるの???


原作のベース自体が反転した世界で、私は必至に生きるしかなかったのだけど、そうなったら、いつの間にか…本当にいつの間にかに断罪劇が起こってしまった。

ファラリアンナには虐められたし無視されたし、だけど推しだった彼女にはそうなって欲しくなかったから、どうにか回避しようとした。けれど、物語の強制力というより必然で彼女は罰を受けるしかなかった。


どうにか王太子やその他の方々に嘆願して、物語のメインストーリーに繋がるようにと国外追放にしてくれと頼むのがやっと。

まさかの悪女だったとはいえ、前世の推しキャラだったのだ。幸せになって欲しい。ルートを繋げることしか出来なくて、ごめんなさい。

(これなら、ファラリアンナも幸せになれるよね…?)


そう願っていたのに。



「マユ様、こちら急ぎの書簡にございます。祝い祈りを込め贈る寿ぎですので、祈祷にまいりましょう。」


王太子妃であると同時に転移聖女でもある私には侍女や侍従とは別にお傍付きの神官がいる。


「急ぎで?ということは、国外の王族の婚姻が近くあるということね。」


「はい、隣国グリンベルの第二王子様が第二婚をするようです。」


「え?えっと…グリンベル王国の第一王子サマが王太子拝命と同時にご成婚なさったのは、半年前だったですよね?えっとえっと…あの、第二王子様はいつの間に結婚して、しかも第二婚って…??」


「公表はされなかったようですが、三年前に第一王子よりも先んじて婚姻なさっていたようです。しかし正体は開かされず出身国はイエンナであるということだけ。王族の婚姻ですし時期的にも…あの悪女かと。」


「あの…ファラリアンナさ、さんは、国外追放という罰をもう受けましたので、悪女と謗らないでください。罪の償いが終わった後のことは、彼女の運命のままにあるのです。」


「ですがマユ様は………!っいえ、申し訳ありません。」


王太子妃になった私は、国外追放されたファラリアンナ様を「様」と呼んではいけないことや令嬢でもないことに気が付いて咄嗟に「さん」に変えたけど、後ろめたい。いくら虐められていたとはいえ、やっぱり幸せになって欲しかったという心のこりは消せない。


この物語をシナリオを、知っていたのに変えられなかったかもしれない。そんな贖罪もあり願いを込めて祝言の言葉を丁寧に書き、神殿では手紙に祈りをささげる。


(わたしが、わたしが性悪な聖女ミカリになりきらなかったから…この世界は歪んでしまったのかもしれない…ごめんなさい。)

だけど、召喚聖女になった私は…悪役になれなかったの。

そんな勇気のある人間じゃなくて、……ごめんなさい。


でも――――――悪役聖女(あんなの)になんてなりたくなかったんだもの、ごめんなさいね。


それに原作の道筋は繋げたんだもの、その先のことは………ファラリアンナ次第だとおもうの。




「……あら、」


祈りを捧げ終わり立ち上がると、足元がふらついた。



◇◇



「マユが倒れたとはどういうことだっ!」


怒鳴り散らしたところで事実は変わらなくとも声をあらげずにはいられなかった。

イエンナ王国の王太子である俺は、愛妻の元へ足早に急ぐ。


王宮の本宮にある王太子執務室からマユのいる王太子妃宮までは廊下を渡り階段を降りなどなどを経てしかしとて馬車を使うほどでもないせいで徒歩で20分はかかる。

いつものこと、あたりまえのこととはいえイラつく。



「マユが倒れた時の状況報告をしろ!向かいながら聞く!」


執務室を飛び出した俺についてきた側近の手には読み上げている途中だった報告書が握られている。


「はっ!えぇっと…妃殿下は、王宮内神殿にて、だ、第二王子様…?グリンベル王国の第二王子の成婚の儀に贈る寿ぎのお手紙に祈りを、ささげている、最中に…お倒れになったそうです!」


「はぁ?」


()()グリンベルか!

同じ神を信仰する隣国でありながら聖女召喚に否定的なあの国。

それどころか追放したはずのファラリアンナを第二王子妃として迎えた愚かな国だ。


しかしそんなことより後を突いてきた補佐から書類をひったくり目を通して眩暈を覚えた。


【御祈祷に向かわれる前に侍女との会話の中で、聖女様はファラリアンナ元公爵令嬢のことに触れ、お心を痛めていたようでした。】


イエンナ王国では王位継承権上位の一部の王族にだけ伝わる秘密がある。

それは聖女召喚に関すること。

先代の聖女が寿命を迎える前に新たな聖女を召喚し「聖女の力」を移すというものだ。

だからこそ継続的に召喚術を行い国の泰平を守ってきた。


しかし例外的に王族の王位継承者ではなくとも秘密を知るべき人間はいる。

それが王妃だ。

王妃の最大の責務は聖女の庇護。

それなのにある時から次期王妃になるはずだったファラリアンナはその責務を蔑ろにした。

王妃教育を優秀に終え、次段階になる神殿とのやりとりに関して彼女は突然にのらりくらりと拒否し始めた。


王族として、ましてや王妃になるのならば聖女との関りは切っても切り離せない。

それだけではなく、王太子妃になる前の段階から孤児院支援やなんやと、民に直接的に関わる土台を作る必要があるのだ。

王族に連なるのならば、王や王太子、王兄弟や公爵に至るまで王族の血筋の男は先を見据えた政策を立案しこの国の未来を切り開いていく義務がある。

それと同時に女性は、民に寄り添い目先の政策、特に救済や、食糧庫の管理など、市民生活に直結する仕事を任される。



聖女召喚の少し前からファラリアンナに違和感を覚えはしたが、それはプレッシャーによるものだと誰もが思っていた。

だがしかし、次期王妃を輩出するほど信頼ある家に聖女を養女として預けたあたりから、ファラリアンナは異常な行動ばかりするようになった。


これなでで次期王太子妃になる婚約者としてあるべき姿を全うしてきたはずの彼女らしくない振舞はもう数えられない。

最初はは神殿に赴くべきところからだったとおもう。

神殿で学ぶことは、聖女の秘密についても学ぶことと同義だ。

しかしファラリアンナは、拒否した。体調不良だの、わすれていたのだのと言い訳を並べて。


つまり、彼女はその学びを通して聖女の秘密や慈善事業について政務の一端を担うことを拒否し、聖女の扱いについても無視をした。


我々も戸惑ったが、最大の被害者は、異世界から召喚されファラリアンナの義妹になった聖女マユだった。


次期王妃であり王太子婚約者でもある公爵令嬢ファラリアンナの影響力は大きい。


異世界からやってきた聖女(マユ)が右も左も解らない異世界でしかないこの国に馴染むのにはファラリアンナを頼るしかないのに、無視され、孤立した。


始めのうちは王太子である自分が直接かかわるのは避けた。

俺は一国の王太子であり、聖女にとっては異性だ。

男女が親密にするのはよろしくない。そういう意味でも次代の聖女庇護の役目はファラリアンナに任されたのだが…ファラリアンナは国家の意思で義妹になった聖女(マユ)を徹底的に避け、無視する始末で手に負えなかった。

だからといって王太子が庇護すればあらぬ疑いがあがることは予想できたからこそ側近の令息たちの、婚約者でもある令嬢たちに助力を求めた。


侯爵令嬢、伯爵令嬢、子爵令嬢と揃っていたので、先に近しい身分の侯爵令嬢からファラリアンナに接触して理由を聞き出して貰おうとしたが…礼節さえ無碍にされる始末。

次に伯爵令嬢が茶会を開き、ファラリアンナと聖女を別々に招待し顔合わせを図ったところ…まさかの、聖女を目にした瞬間にの挨拶も無しに途中退席という主催に顔に泥を塗られる結果となった。


子爵令嬢に至っては、警戒されていたのか…あらゆる場面での声掛けも無視。沢山の恥をかかせてしまった。


そんなファラリアンナの行動は当然だが噂好きな貴族社会ではひっきりなしに話題に上る。

なぜなら、人目あるところでも彼女は義妹(聖女)を蔑ろにする言動をしていたのだから。

曰く『聖女様は殿下をお慕いしているから。』『私は邪魔なようです』『彼女は男性に守られる存在ですから』などなど。事実無根の発言をし、養子先の公爵令嬢である立場上、男に不用意に接近されないのと同じような扱いになるはずのマユの名誉を貶めた。

学園内でも同じで、令息令嬢の口から貴族家や少数の平民の学生らの口から噂は広まり、彼女に対する不信感を抱く陳情書は王家にまで届く始末で収集不可能となった。


……こんなふうにいうのもなんだが、下位貴族や平民の女性とを虐めるのとは訳が違う。

マユは聖女であり、この国の希望を背負う王族と同等の召喚聖女なのだ。

そんなマユ(聖女)を貶める言動は、国民でさえ看過できるはずもない。


王太子妃候補の排斥をもとめる声が高まっていき、―――――あの断罪劇に、繋がった。


ああでもしなければ貴族はおろか、民さえも納得しないほどにファラリアンナの悪名は市民にも知れ渡っていた。

…ただ。

その事を知ったマユ(聖女)が泣きながら懇願したことで、断首刑罰ではなく国外追放になったのだ。

国教城壁の隣接する国に接する正門、…ではもちろんなく、身分を剥奪された下民以下、流民がうようよ居る正規国境から5kmづつもうけられた不可侵領域に放りだされた女に生きる術はない。

そうなれば公爵令嬢という身の上の美しい女にとって事実上の惨たらしい現実が、見えない現実として胸のすく罰となり国民を納得させる重罰になる。


(まさか生きて国境を渡るどころか隣国の第二王子の正妃に一時的にも収まったという噂があるのも腹立たしいというのに…!)


やっぱり殺しておけばよかった!あんな狡猾で高慢な毒婦なんて!!!


(婚約期間中に一時でも愛してしまった自分の愚かさが呪わしいくらいだ…っ!)


完璧な猫を被るのが上手い女だ。

きっとグリンベル王国の第二王子もそうやって誑かしたに違いない。

(だが…あの女の迂闊なところは、地位が盤石になる前に本性を現すところだな…)


隣国の第二王子の先の婚姻に関しては明確な表明が無かったから曖昧だが、妃の出身がイエンナ王国ということだけが知らされていた。時期的にも王族と釣り合う出自となればあの女(ファラリアンナ)だろう。


しかしながらつい先日知らされたグリンベルの第二王子が第二婚で同性と成婚することはセンセーショナルだった。

つまり、第一婚での相手を見限って廃妃にしたということ。だ。


(事実上の廃妃など使い道は決まっている…。)


ストレスのたまった民衆に向けて【断罪】するパフォーマンスこそ民の不満を一気に解消するイベントだ。

それがその日まででも民の税金で贅沢している王子妃となればなおのこと。


早足がゆっくりと速度を落とす。

奪った報告の書簡も、戻す。


「…すまなかった。気が動転していた。マユが昏睡し|たのなら、俺に出来ることは無い。聖女を治癒できるものなど存在しない。…執務室に戻る。隣国は聖なる力を欲さないが、その分情報収集や人心掌握に恐ろしく手間も時間もかける。今回の第二王子の婚姻には恐らく民からの反発が強くなる法制施行の事前策かもしれん。」


足早に進んでいたはずの道順を踵を返して戻る。


「あ、お見舞いは………よろしいのですか?」


「あぁ。俺は(マユ)を愛しているし誰よりもその身を案じてはいるが、…国民の安寧を願う王子だ。」


「………ご立派です。」



奇しくも俺に「信頼し愛した相手でさえも見限る覚悟」を覚えさせたのはかつての婚約者だ。

どれだけ聖女が尊くとも愛する妻であっても、大多数の国民の命に比べれば、安い。軽い。ソレは同じく王族であってもだ。



「執務室に戻り、これまで溜まっていたファラリアンナと目されるグリンベル第二王子の先の妃に関する情報を精査する。」


「かしこまりました。では、先に戻りまして資料を用意いたします。」


「頼んだぞ。」


「はい。」


さっきまで追いかけさせていたのに、背を見送る。

さて資料が揃うまでは半時はあるはずだから、―――庭園の花を選んでマユに贈らせよう。


「おい、そこの。庭師を呼んでくれ。」


庭師に花を摘ませて花束にしてもらい、さっきとは違うメイドにこの花束を王太子宮まで持っていくように指示を出そうとした時だった。


「あーっ!、あ、あ、あっ!殿下っ!!!!」


廊下の向こうから聖女付きの神官が全速力で走ってくる。


「どうした!まさかマユになにかあったのか!?」


「はいっ!!!」


サーっと血の気が引く。

聖女は聖なる力に常に守られている。だからどんな毒も効かないし風邪さえひくことは無い健康を保っている。もし状態異常になるとすれば本人の心労か聖力コントロールを誤った時くらいだ。

今回は両方であると捉えていたのだが…まさか。


「マユ様はその御身にお子を授かられましたっ!!」


喜色満面の神官は興奮しながら、王太子である俺の両手を取り、震えながら感激していた。



「俺の…おれの、子ども?」


「はい!はいっ!!」


「こうしちゃいられない!今すぐマユのところへ急ぐぞっ」


「っはい!」


ただ切り出しただけの花束を抱えて走ってマユの元へ向かへば、彼女は昏睡などしておらず穏やかに微笑みながらベッドの上に居た。


「まぁ!殿下っ」


驚く筆頭侍女の横をすり抜け愛妻の元へ。


「まゆ、マユ、真優っ!」


「旦那様、もうお聞きになったのですか?わたしだってついさっきだったのに、すごいです!」


「あぁ、聞いた。こんな喜ばしい知らせは初めてだ。君に、マユに俺の気持ちを受け入れてもらえた時と同じくらいに幸福が全身を満たしているっ」


胸に抱え走ったせいか、花束からは花弁がヒラリヒラリと舞い落ちる。


「わぁっ!祝福の花びらみたいだわ。ありがとうございます、すてきなパパ様。」


「ぱ、パパ…っ!いやそうだな、そうだ。おれは父親になるのだ。…ぁ、であるなら、そうだな、今後は…このように花弁が散らぬように子を抱けるよう、精進する。」


語彙がおかしくなるくらいに幸せで、この国の未来は明るいと確信できるほどの幸福がみんなを包む。

そう、誰も彼も、この国の人間だけではなく隣国も、みんな、いつかバッドエンドを迎えるファラリアンナ(悪役令嬢ヒロイン)のことなんか頭の隅にも置かないくらいに、幸せな未来を見ていた。







・・・あとがき《のようなもの》・・・


最後までお付き合いくださいましてありがとうございました!

(感謝(*>v<*)感激)

かなり全力疾走で進めた内容とあって、伝えたい要点だけを詰め込んだ作品でした。

読んでわかる通り、転生悪役令嬢であるヒロインは幸せにならないんですよ。

私が読んだ本や作品が悪いのか、単に私の根性が悪いだけなのか、転生悪役令嬢ヒロインって基本的に独り善がりに突っ走ってる印象が強くて性格悪いな~って思うことが多かったんですよね。

どの作品も、最初は楽しいんですよ。でも後半になってくると素の性格がアレレ??ってなること多くないですか??

明るい雰囲気のライトな作品ほどその傾向が強くて、途中から初期との乖離が気持ち悪くなって読めなくなること多数…という。

読者の大半はその変化を「素直になれたね」とか「心を開ける関係になった」と評価するのですが、心を開いて素直になることと図々しくなることは違うんじゃないか…?となるヒネクレモノですので、このような内容の作品を書いてみた訳です。

あ、あと。それにしても転生する側や転移する人間だけが未来を知ってるのって不公平じゃないかと。

そもそもどこの神の力でここに居るのかってことだよ。

神様もさ、自分を信仰するこの世界の人間たちより異世界から転移転生させた方ばかり贔屓するっておかしくない?

…という考えの元、繁栄と異世界からの聖女召喚を願った国には聖女(とセットで悪役令嬢ヒロイン)を、この世界の人間として恙なく生きたいと願う国には聖女召喚による世界の不具合を先にお知らせする本を、という設定にしてみました。それに転移転生先の世界の元々の人間が先にすべてを知っているって、面白そうだし。道理にもあってるよね。神様は公平であるべきなんだから。


で。そもそもの話になると、この世界のこのシナリオは「性悪な召喚聖女」と「この世界のファラリアンナ」でなければ成立しなかったので、その二人が違ってるのだから破断しているので、()()()()()()()()()()()()のその後は、そのままハッピーエンドかバッドエンドになるかどうかはヒロイン次第だよねー?っていうお話でした。


あーそうだ。あと、そのままのファラリアンナだったなら、シナリオとは違う召喚転移聖女は彼女と友達になっただろうし、王太子とファラリアンナは結婚して幸せになってグリンベル王国の預言書は意味をなさなかったんじゃないかな。

つまり預言書が落ちてくるのは、悪役令嬢ヒロインが転生した場合のみ…ってことになるのか。

なんとなくのノリだけで書いてたから…。自分で考察してみるとそういうことになるね?


だとしたら、ファラリアンナに転生したひとってどんだけ前世での業があったんだろう。

地獄に落ちるほどでもないけど、かといって天国にも行けないひとだから現世じゃなくて異世界に転生したのかもね。やり直しの為に。で、前世の感覚でいたから失敗したわけかー。

それもまたよくある転生もののセオリー通りだねぇ。

現世知識を発揮する非凡さで愛されるか、世界に馴染んで幸せになるかが人気のある長編作品には多いもんね。そういう作品は後半になるとゆるやかないいとこどりでストレスなく読めるし、無理に盛り上がりを作ってなくてだからこそ整合性をとろうとした結果のキャラクターの人格破綻もしないし。

ま、だとしたらこの作品はこの尺で丁度良かったとおもいます。


一方的に私が書きたかったことを最後まで読んでくださってありがとうございました。

またいつか、他の作品でお会いできたら嬉しいです!


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