真実の愛
「ファーゴ王子!! ファーゴ王子!!」
私が再び目を開けると、そこには泣きはらした顔のジルがいて、私は抱きしめられた。
「良かった。目を覚まされたのですね」
地面には大量の小瓶が落ちていた。一体、私に何本飲ませたのだろうと思ってしまった。
「‥‥‥詳しくは言えないのですが、地の精霊ノームに会って、命を助けていただきました」
「地の精霊‥‥‥。実在したのですね。本当だ。さっきまで癒えなかった傷が、全て塞がってます」
「ファーゴ王子、あなたが無事で良かった‥‥‥」
ジルは私に抱きつくと、感極まったのか泣いていた。
(まだ、魔眼の暗示にかかっているのだろうか?)
「あなたが、いまここに存在しているということ‥‥‥。私に証明してください」
「へ?」
「あなたが好きです。愛しています」
「ちょ、ちょっと待った。いったん、落ち着こう? な、ジル、んっ‥‥‥」
ジルは私の唇を奪うと食んでいた。角度を変えて口づけをされ、息が上がってしまう。
「あのっ、ジル殿‥‥‥。魔眼を見てしまったんだろう? 一度、落ち着いて‥‥‥。確か、解毒薬が‥‥‥」
「魔眼なんて関係ありません。あの日から‥‥‥。ずっと前から、貴方のことを、お慕いしておりました」
ジルは再び私に抱きつくと押し倒して来た。興奮しているのか、顔が赤くなっている。
「まっ、待って‥‥‥」
「待てません」
回復薬を飲み過ぎたせいか、私の身体は異常に元気だった。
そのまま夜が更け、朝になるまで私は、ジルに愛され続けたのだった。
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