↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/86

トラスト国への帰還

 私とエリオット様が応接室に到着した時、ファーゴ王子は応接室の中にあるソファに腰掛けていたが、落ち着かないのか部屋の中を何度も見回していた。


「ケガは、大丈夫なのか?」


 ファーゴ王子の頭には包帯が巻かれていた。既に右目に包帯が巻かれていたため、かなり顔は隠れてしまっている。


「はい、大丈夫です。階段から落ちた時に、頭を打ったみたいなのですが、今日一日安静にしていれば問題ないということです」


「……大事なくて良かった」


「あの、王太子殿下――で、合っているのでしょうか? なぜ、私はこのようなところに?」


「それは、君がトラスト国の王子だからだ」


「トラスト国の王子?」


「それも覚えていないのか? トラスト国の次期国王だ」


「次期国王? まさか私が?!」


 ファーゴ王子は青ざめ、意味もなく口をパクパクとさせていた。エリオット様は、こめかみに手を当てると溜め息をついた。


「トラスト国の側近が、そなたの帰還を待っている。一度、本国へ戻ってみてはどうだろうか?」


「なぜ自分がここにいるのかは分かりませんが、その方がいいでしょう」


「階段から落ちたということだったが、誰かに突き落とされたのか?」


「申し訳ありません。目が覚める前のことは、何も覚えていないのです」


 ファーゴ王子の祖国トラスト国は、周辺国の人間から恨みを買っていると言われていた。エリオット様は、城内に刺客がまぎれている可能性も視野に入れているのだろう。


「トラスト国への帰還は、こちらで護衛をつけよう。ジル、頼めるか?」


「えっ、私ですか?」


 話を振られると思っていなかったのだろう。ジルは狼狽えていた。


「いつ、どこに、どんな敵が紛れているか分からないんだ。信用できるジルに頼みたい」


「殿下の護衛は、どうなるのです?」


「当面はオーベルに頼もう……。アイリスと兼任になってしまうが。オーベル、頼めるか?」


「はい。承知いたしました」


 オーベル様は後からやって来たのか、部屋の隅に控えていた。一歩前へ出て騎士の礼をすると、また部屋の隅へ戻っていく。


「それから、ついさっき極秘で情報が入った。トラスト国内で革命が起きるかもしれないとのことだ」


「革命?!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。